Tamiya 35253 [ドイツ戦車部隊 前線偵察チーム]

アフリカ戦線化(Africanization)と、アルデンヌ戦線化(Ardennization)が同時に進行したのがゼロ年代のMMシーンでありました。

Tamiya 35250と35251でM4A3の75mmと105mmがArdennizationし、
35252でキングタイガーとDKWがArdennizationして、35253ではいよいよ、アルデンヌのあの写真をモチーフにしたシュヴィムワーゲンのふたりがリリースされたのです。

35252-X&Zと35253は明らかに平野義高氏の原型*で、略帽をかぶったヘッドがTamiya 35252-X&Zと座像と35253の立像で見たところ共通なのです。

平野義高氏のフィギュアで、アルデンヌと言えば、Yosci HY35-G22=右に捩じ向いてラッキーストライクを眺めるSS戦車兵が強烈な印象に残っており、
その身振りをTamiya 35253のレザージャケットの立像に与えて組む衝動には抗しがたいものがあります。

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Tamiya 35253の華は、擲弾兵リーダーのc氏だと思います。
装備品のフィット感が上々なので、削ってパテ盛ってフィッティング調整してやる手間がかからず、
あとはMP44のスリングをマスキングテープ二枚重ね細切りなどで作り直しさえすれば、
更なる高みに登ってくれる嬉しい存在なのです。

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Tamiya 35253の小改造過程

キットでは1938年型の折りたたみ式スコップのパーツが指定され、裾にもそれに合うように凹みが設けられていて、
フィッティングも良好なのです。

銃剣を携行していないスタイルがキットでは与えられています。
彼に銃剣をベルトから提げて携行してもらおうとすると、
1938年型の折りたたみ式スコップはスコップケースの裏側に銃剣を通すループが設けられており、
フィギュア模型でもそれを再現したくなるところ。
しかし、銃剣をベルトから提げようとすると外側にハネやすく、その上に重ねられるスコップが更に外側に逃げすぎる感が出る、
という、スコップ周辺のフィッティングの問題がドイツ兵の腰回りには常に付きまとっています。

グッと深く銃剣の沈むスペースを裾に丁寧に彫りこんで、その上から1938年型スコップを提げればいいのですけれども、
その面倒な作業ををあっさり回避しつつ、飽くまでも銃剣を携行させる最も容易な解決策は、
Tamiyaの装備品スプルーの、銃剣一体型1874年型スコップに差し替えて、裾に深く収まるようにする方法でございましょう。

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↑裾のスコップが収まる部分を切削。
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↑銃剣一体型1874年型スコップを接着。
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90年代以前のMM史において、キングタイガーのキューポラに収まった戦車長のみが着用していた革ジャケットは、
ゼロ年代のArdennization期にはキングタイガーのキューポラに収まった戦車長に再度与えられながら、
同時にオートバイ伝令兵と、この腰にマップケースを提げた立像にも与えられたのです。
革ジャケットがキングタイガーの戦車長のみに許可された特権的衣装の座を降りたのも、
ゼロ年代のMM服飾史において見逃してはならない事柄だと思います。

Tamiya 35253の革ジャケットの立像は、いかにも平野義高氏的な、片足に重心を偏らせた立ち方で、
Tamiya 35170-Cのパンサーの立像や、Tamiya 35176-Zの双眼鏡を覗く立像のような両足に重心を等分させた立ち方と対照的であり、
いかにもな「平野氏立ち」の真骨頂がようやくMMフィギュアにおいて発揮されたのがTamiya 35253のbであるということも見落としてはなりません。

過去、MMフィギュア史においては指差しポオズとその方向を見る「視線の同調・同期」がその身振りに幾度となく与えられて参りましたが、
それらの中で最も"バディ感"の強い、視線の同調に伴う結束感が最も強固なものとなっている二人が、
Tamiya 35253のbとcであって、
ミリタリーフィギュアモデラーがまさか手元にこのキットを置いていないはずがない、珠玉のキットに仕上がっております。


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オオゴシ・トモエ女史のAM誌上での連載でも指摘されていますが、
Tamiya 35253のウィークポイントは指差しポオズの擲弾兵の腕と首の角度の不自然さにあります。
それを指差しポオズを回避することで改善しておきましょう。

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↑擲弾兵の右腕を変更。

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↑そろそろこのふたりを仕上げたい。エポキシパテでの造形と調整を始める。
 革ジャケットの戦車部隊将校のヘッドギアを略棒からSS将校帽に変更。

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(註)
*ゼロ年代の「アルデンヌもの」が平野氏原型のフィギュアに特徴づけられる一方で、
 ゼロ年代の「北アフリカもの」は本馬幸雄氏原型のドイツ兵に特徴づけられる点に注意。
 平野義高氏原型だと推断される「北アフリカもの」がTamiya 35300-Eのイギリス軍戦車兵と、Tamiya 35294=35296=89783-Zのイタリア軍戦車兵であり、
 ドイツアフリカ軍団兵士で平野義高氏原型だと推察されるものはTamiya社には存在しない。
 であるが故に、Tristar社の平野氏原型のドイツアフリカ軍団ものは際立って有難いものとしてゼロ年代のミリタリーフィギュアのリリース史に屹立しているのである。
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Tamiya 35253, German Panzer Division "Frontline Reconnaissance Team"

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by tokyomonogatari | 2012-03-15 22:57 | Germany | Comments(0)
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