ドイツ兵装備品のディテール表現
(1)ドイツ軍ヘルメットの顎紐 (1-a)エッチング金具を用いた表現 瞬間接着剤で留める点はヘルメットの内側側面。ヘルメットの顎紐は、耳の中頃からこめかみにかけてのラインで顔の輪郭線との間に浮きが生じますが、それを表現しつつ接着します。 今回選択したヘルメットは、Dragon-Gen.1"post-late period of Helmets" 「晩期」において私見ベスト形状のヘルメット、6201。 このエッチング、グロースドイッチェランド師団の刺繍モールドが入っている肩章パーツがあり、 リリース当時は感動したものですが、後にTamiya 12625が登場し、デカールで表現出来るようになりました。 --------------------------------- (1-b)水筒の金具部分の移植による表現 エッチングの表現の他、四角い金属棒に銅線を巻き付けて内側をカットする、"巻き線内側カット法"でも四角いバックルは得られますが、 成形品で金具部分の表現を行いたいならば、Tamiyaのドイツ兵の水筒がオススメです。 この金具部分を削ぎ取って利用します。 モールドされている「金具のハトメ穴に入れる部分」は、下にします。 ------------------------------------------------------------------- (2)M43規格帽の徽章類 彼は「帽子顔」でありましょう。斜めにかぶらせる事を意識しつつ"喫帽子線"でカット。 規格帽はキットによりまちまちでありますが、今回はモールドの線が綺麗に出ているDragon6131を選択。 併せて口の中を整理。下唇を若干上の位置に造形し直して、より若くします。 前面の布の合わせ部分をエポキシパテで作り直し、重なりを強調、0.4㎜プラ棒スライスによるボタンを二つ付ける。 コカルデは0.6㎜プラ棒スライス。 国家鷲章は0.4㎜プラ棒スライス+0.13㎜プラバンで表現。 ------------------------------------------------- (3)ヘッドフォン (3-a)Tamiya耳あて+Dragonバンドによるヘッドフォン 左はTristarの38(t)、右上Dragon 6014、右下Dragon 6214 左からDragon A、Dragon B、Tristar Dragon Aが6014エッチング同梱時に付属するタイプで、Dragon Bが6214エッチング同梱時に付属するタイプです。 中央部のくぼみが1/16と6131では存在。 今回見た中で、フォンの円柱の円周に走るデッパリが最もキッチリ出ている点でベスト。 これとDragonのエッチング・ツル部を繋げたい。 まずカルコでセンターにポンチング。 ツル部は上がDragon 6014、下がDragon 6214 サイズ差が大。 チョット短めに見えるものの、 こちらの大きすぎな感よりはベターなので、6014を今回選択。 ※ささやかな事ですが、Dragon社のこの色のエッチングパーツは、磁石にくっつきますので、 ちょっとした作業の際にとっつけておけば、うっかり紛失してしまうことを減らせると思います。 結局のところ、作ってみて感じた私見ベストチョイスは、 ツル本体は金属板でヘッドに対してのベストな長さを出しつつ自作、 中が抜けた長さ調整部分は自作に難アリなので入手可能性が高いDragonエッチングから移植して、 フォン部はTamiyaインジェクションパーツからの小改造だと思います。 (3-b)Tamiya耳あて+Tristarバンドによるヘッドフォン ツルはTristarを基にして、両端、二つに分岐している部分も表現したいので、 Dragonエッチング6014の端を、マスキングテープ二枚重ね細切りを挟んで隙間を設けて接着。 塗装のことも考えて、差し込み式にしたい。 0.64mm丸棒の中心に0.40mmの穴を開口するのがちょっと難しい。 中央に走る線をどう出そうかと悩み、没にする。 ------------------------------------------------ --------------------------------------------------------------- (4)帽子に付く楕円形の徽章 ----------------------------------------------------------------- (5)リッツェン・襟章 ドイツ軍の襟元の階級章を塗装で表現するならば、 マスキングして細い線を引くよりも寧ろ、マスキングテープの細切りを塗った方が楽です。 マスキングテープ細切りを「Ⅱ」を横に倒したような形で貼り、 低粘度の瞬間接着剤を針先で流して固定する。 右胸ポケット上の国家鷲章は、マスキングテープを台形に切ったものと、 プラ棒の薄切りを合わせてモールドを作り、その上を塗った。 しかしどちらも、キット自体に明確なモールドがあれば、回り道をしないですむはず。 今日的には、Tamiya社かPassion Models社のデカールを活用すれば階級章は楽に乗り越えられますので、 この方法はもはや不要という感があります。 ---------------------------------------------------------------------------------- (6)肩章 1/35ドイツ兵の肩章は、キットのモールドを一度削り落して作り直したい部分です。 腕を上げると、肩章は浮きます。 ボタンを紛失、或いはボタンを留めないでいると垂れます。 このあと、折り返し部につく押さえの布を造形、縦方向に付くボタン穴を彫ってやるとベター。 --------------------------------------------------------------------------- (7)細い紐の蝶結び表現 (7-a)エポキシパテによる蝶結び表現 小さい蝶結びディテールをそれらしく形作っておく。 --------------------------------------------- (7-b)マスキングテープによる蝶結び表現 ---------------------------------------------------------------------------- (8)服の裂け目 (8-a)防寒ズボンの裂け目 防寒ズボンに裂け目を作る。 防寒ズボンの二つの筋は、膝に当たる布を更に一枚重ねる為の縫製線であるとの事を知り、 そこに裂け目を設けるにあたって、前方に垂れる布を2枚重ねる事に致しました。 低粘度瞬間接着剤を薄く塗布して若干硬くした上で、溶きパテ塗布。 (8-b)コートの裂け目 --------------------------------------------------------------- ドイツ軍衛生兵の小道具、 「弾薬箱をペンキで白く塗り、赤十字を描いた救急箱」の表現。 ------------------------------------------------------------------------ ドイツ軍柄付手榴弾をベルトにはさむ キットのボディがある程度彫り窪まれていても、中々合わないもので、 6115のC、彼もまた若干彫り窪まれているものの、 柄付手榴弾がそのままではフィットしてくれない。 ------------------------------------------------------------- タマゴ型手榴弾をリングで引っ掛ける表現 ドイツ軍卵型手榴弾は、弾薬ポーチなどにリングで吊り下げられるものなのですが、 写真を見るとこのリングは結構大きく、見て見ぬフリして省略してイモ付けするわけにはいかない感があるので、1/35ミニチュアでもそれなりにキッチリ表現したいところです。 今回選択した卵型手榴弾のパーツはGen.2/Premium-Editioned Gen.1のもの。 ※ドイツ軍卵型手榴弾ミニチュアの比較→こちら ------------------------------------------------------------ タバコの持ち方 A 「つまみ」グリップ=ペンホルダーグリップ 1/35手パーツの指一本一本をセパレートにして、流し込み接着剤で柔らかくしてつまませる。 手パーツは、Dragon社のものがプラスティックの質も柔らかくてグッド。 B 「はさみ」グリップ 1/35兵隊ミニチュアで一般的なグリップ。 表現が「つまみ」グリップに比して楽であり、この形に持っていくのに適した手パーツも多い。
by tokyomonogatari
| 2011-10-14 00:55
| ☆フィギュア模型の基本
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