Dragon 6333 [東部戦線の武装親衛隊擲弾兵]

Dragon 6333を鑑賞するにあたって、『パンツァーグラフ!』2007年冬号(Vol.7)の平野義高氏と金子辰也氏との対談記事*は必読です。

Volstad氏の絵先行でフィギュアが作られるDragon社同時代のスタイルではなく、
平野氏がラフスケッチを起こしてDragon社が一発OK、原型が製作されたというDragon 6333なのですが、
「次に何をやろうかという事で描いたのが確か6枚(6案)くらいです。」
とあって、この記事を編集している時点で3キットのみがリリース**されている平野氏原型Dragon社フィギュアの他にラフスケッチが提出されているはずであり、
これが今後リリースされるのか否かが、物凄く気になるところなのです。

また、同対談記事で「ほとんどドラゴンで時間を費やしています。」とあって、
ラフスケッチのみでなく、未リリース分の原型もその時に作られているのではなかろうかと、
私は期待的想像をしてしまうのです。

------------------------------------------------------------------------
(註)
*「いよいよ本格始動開始! 平野義高の感性とドラゴンの先進性がコラボレートした"平野マスターコレクション・シリーズ"が遂にベールを脱いだ・・・」
『パンツァーグラフ!』2007年冬号(Vol.7) P.2-6
なお、同対談の収録日は2006年12月12日であり、小津安二郎(1903-1963)の誕生日にして命日にあたる。

**Dragon社は平野氏原型のシリーズを展開し、モデラーに「新たな局面」を見せてくれるはずだったのだが、今日までにリリースされたのは三作のみである。
「新たな局面」の表現は、Dragon 6333の広告文に由来し、
He will be producing a new line of figures for Dragon.(中略)Welcome to new dimension!
とあった。
広告テクスト全文は、例えば、Armour Modelling Vol.87 (2007.1)のハセガワ社広告を参照。
------------------------------------------------------------------------

Dragon 6333, Grenadiers, Eastern Front

このキットにおいて、"バディ感"の最も強いペアは、箱絵左から3番目のBと、4番目のDでございましょう。
そのペアでまず組みましょう。


Dragon 6333-DとBを組む過程
c0000507_1464968.jpg
↑Dの主要パーツをニッパーでゲートカット。
c0000507_1465891.jpg
↑上半身の前後を流し込み接着剤で貼り合わせる。
このフィギュアは、上記記事によりますと、平野義高氏が「実際のパーツ分割までこちらでやるので」(P.3)とあり、
Dragon社側で原型を割るのではなく、平野氏によって分割された状態で原型がDragon社に提出されたと推断されます。
Dragon 6333-Dにおいて感動的なのは、パーツとして独立したM44野戦服の襟の下に、ボタンが存在していることで、
これは襟が部品として独立して初めて再現可能な領域に存在するボタンであり、襟と上半身が一体だと金型ですとアンダーカットとなり無論不可能、
シリコンゴム型で無理抜きをするのにも難のある部分で、このボタンこそが、Gen.2の妙味である、
という感覚を共有しつつ、組んで参りましょう。
c0000507_147676.jpg
↑襟の部品を接着すると、その下のボタンは隠れるのですけれど、その領域にボタンが存在していること、
そのことこそを寿ぐべきだと思います。
c0000507_1471796.jpg
↑上半身の接着剤が乾くのを待つ間に、下半身を組みます。
Dragon 6333-Dの下半身において感動的なのは、防寒ズボンの股布部分が独立したパーツとして存在していることで、
この部品を正面から抜くことにより、ボタンのモールドがクッキリ出ている点にあります。
左脚または右脚と股布を一体化した場合、ここは金型において斜面または縦壁に彫られる傾向にあり、
結果として彫刻のシャープさが損なわれる部分なのです。
しかしながら、このフィギュアにおいて不思議なのは、左脚内側の防寒ズボンの縫製線が2本線で表現されているのに対し、
左脚の外側、右脚の外側と内側の縫製線は1本で表現されていることです。
c0000507_147278.jpg
↑M44野戦服の裾を組みます。
c0000507_1474277.jpg
↑ゲート処理をしてから上半身を接着。
c0000507_1473524.jpg
↑腕を少量の流し込み接着剤で仮固定します。
この段階では上半身、下半身共にパーティングラインの処理をしていません。接着剤の乾燥後にまとめて処理を行います。

-----------------

Dragon 6333-B
c0000507_1482011.jpg
↑Dの接着剤の乾燥を待つ間、Bを作っておきます。
Bの主要パーツをニッパーでゲートカット。
c0000507_1483875.jpg
↑ゲートの処理をしてから、下半身を接着。
c0000507_1484976.jpg
↑裾のパーツを準備。
少量の接着剤で裾同士のパーツの嵌合具合をチェックすると、いまひとつな印象。
私見では部品がやや長すぎて干渉している印象だったので、裾のパーツのうち二つを左右方向に若干短くして組むことにしました。
c0000507_1485950.jpg
↑流し込み接着剤で裾を組み、上半身も接着。
c0000507_1491089.jpg
↑少量の流し込み接着剤で腕を仮接着。
c0000507_1492211.jpg
↑全体を眺める。
c0000507_1493184.jpg
↑立たせて足の角度を決める。
c0000507_19275029.jpg
↑仮接着をしていた腕パーツを外して、全身のパーティングラインをデザインナイフで処理。

c0000507_2242489.jpg
↑人間の頭を1パーツとして正面から金型に彫るとすると、
耳の穴はアンダーカットとなり、抜ける範囲内で少し凹ませるにとどまる部分なのですが、
Gen.2で採られたように顔面と後頭部で二分勝すると、耳の穴を正面に持って来ることが出来、
より精緻に耳の穴を彫刻することが出来、また顎紐と金具もシャープに彫れるという利点があります。

「1パーツで頭部を正確に彫ろうとするとアンダーカットになり金型の制約に直面する問題」のもう一つの解法は、
Bronco社がBronco 35087で採ったように顔面をスライド金型を用いて成形し、後頭部を金型両面に彫ること、なのですけれど、
3つの金型を1/35の小さな頭部において綺麗に合わせる、というのは、想像するだけでも難しそうなことなのです。

c0000507_2243296.jpg
↑頭部を接着。


c0000507_2243915.jpg
↑Bの襟口をドリルで開口します。
襟パーツが独立しているため、ドリルで開口した際に一緒に回って周辺が崩壊することがないように、
接着には十分な時間を取り、なおかつ一発で穴を開けることなく、徐々に径を拡げていく方式を採ります。
まずは1.5mmで開口。

c0000507_2244665.jpg
↑2.0mmで開口。

c0000507_2245335.jpg
↑3.0mmで開口。
c0000507_225139.jpg
↑Dの襟口も開口します。最初は1.5mmで開口。
c0000507_225778.jpg
↑径を拡げ、3.0mmまで開口します。
c0000507_2251519.jpg
↑デザインナイフで襟口を整えます。
c0000507_225227.jpg
↑ヘッドを挿し込む。

c0000507_2253026.jpg
↑腕を仮接着。
c0000507_2253683.jpg
↑並べてみる。

------------------------------------------------------------------------

c0000507_254549.jpg
c0000507_253912.jpg
c0000507_253399.jpg
c0000507_25274.jpg
c0000507_252253.jpg
c0000507_251721.jpg
c0000507_25121.jpg
c0000507_25638.jpg
c0000507_25080.jpg
c0000507_24549.jpg
c0000507_244561.jpg
c0000507_243894.jpg
c0000507_243227.jpg
c0000507_242814.jpg
c0000507_242466.jpg
c0000507_242052.jpg
c0000507_241530.jpg
c0000507_241158.jpg
c0000507_2464.jpg
c0000507_24185.jpg
c0000507_235715.jpg
c0000507_235210.jpg

by tokyomonogatari | 2012-01-26 21:59 | Germany | Comments(0)
<< PJ Production 1... Tamiya 35175-Z ... >>