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1/35 手紙を読むドイツ兵ヴィネットの製作(製作途中)

(1)ハンドルの選択

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↑上から、
1.Tamiya 35255-H
2.Tamiya 35051=35270=35286-A
3.Tamiya 35115-C
4.Tamiya 35060-A
のハンドル

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↑フィギュアはTamiya 35286-Xの座像をベースに作成。Sd.Kfz.222の20mm砲周辺部のカットヴィネットとしてまとめる。
写真はTamiya 35255-Hのハンドル。

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↑35051=35270=35286-Aのハンドル。
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↑35115-Cのハンドル。
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↑35060-Aのハンドル。



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↑純正のTamiya35051=35270=35286-Aの直径に近く、それよりも少し細めでシャープな印象のTamiya 35255-Hを選択。


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↑椅子の支持部分を折ったのを良い機会に、1.2mm真鍮線で作り直す。
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(2)フィギュアの小改造・基本塗装過程

口の表情をタミヤパテベーシックタイプで小改造。
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↑口元ををやや大きめに切開。
メガネは私見1/35メガネエッチング史上最高傑作のTristar 35006。
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↑ラッカーパテを盛り、ラッカーシンナーを付けた筆でならしながら表情をつける。

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ドイツアフリカ軍団の防暑服は、本来オリーブ色であるものが日差しでダークイエロー/バフ系に退色するものだと知ったのは、
「平野義高のフィギュア講座7 北アフリカ1942年」(『アーマーモデリング』 1998年2月号(Vol.7), p.113-115)ででありました。

その退色具合に微妙な差異があり、結果として防暑服のカラーヴァリエは豊富であるにも関わらず、
『平野"フィギュア・マイスター"義高の仕事』(大日本絵画、2004年)のテクストに書かれているように、
「軍服はダークイエローで塗装するものとされて」(p.22)来たり、或いは、デザートイエローが指定され、
つまるところ、オリーブ味が抜けた砂漠色が指示されて参りました。
その"伝統"は最近でも踏襲され、例えば2009年発売のTamiya 35305の説明書でも、
XF-59=デザートイエローがシャツとズボンの色として指示されているのです。

その一方で、Tamiya 35305の箱絵ではズボンがややオリーブ色がかっており、シャツの色との差異が明確に見て取れるように描かれていたりするのですけれど、
その絵で描かれているように、防暑シャツと半ズボンの上下コーデの場合、
やはり、シャツの色はズボンの色に比して、よりバフ寄りの方が、何となくしっくり来る感があります。

故郷からの手紙を読むハンスさんの、シャツはバフ系に、ズボンはオリーブ系に塗ることにいたしました。
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↑塗る前に綿棒で軽く研磨。
工作の粗さから左脚にへこみが見受けられますが、それをスルーする人間的粗さも持ち合わせているので、私は大丈夫です。
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↑フラットブラウンを希釈して暗部に流す。
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↑フラットフレッシュ+フラットホワイトを塗る。



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(3)ベースの選択

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↑40×40×50

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↑40×40×40

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↑45×45×45

チーク材45×45×45を選択。

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(4)ベースにニスを塗る

常木教材社のチーク材45×45×45にワシンの油性ニス・チークを塗る。

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↑240番の耐水ペーパーで塗装前の研磨。

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↑ニス塗り一層目。

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↑240番の耐水ペーパーで塗装面を研磨して二層目の塗装に備える。

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↑ニス塗り二層目。

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↑600番の耐水ペーパーで塗装面を研磨して三層目の塗装に備える。

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↑ニス塗り三層目。

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↑600番の耐水ペーパーで四層目の塗装に備える。

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↑ニス塗り四層目。

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↑240番で研磨。ほとんど塗膜をリセットする。

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↑ニス塗り・リスタート一層目。

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↑ニス塗り・リスタート二層目。

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↑ニス塗り・リスタート三層目。

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ドイツ兵と手紙 史料メモ

(1)Horst Hinrichsen, "Die deutsch Feldpost, Organisation und Ausrustung 1939-1945", (Dorfler Zeitgeschichte) (ISBN 978-3-89555-378-3)
→第二次大戦期のドイツ軍野戦郵便の解説本。
集荷・配送等のロジスティクス面の写真が多く、手紙を読んでいるドイツ兵の写真は少ない。

(2)『武装SS戦場写真集』 (大日本絵画、1999) (ISBN 4-499-22704-6)
P.197に「野戦郵便が故郷との橋渡しをする」として、手紙を広げて読む兵士の写真、
P.315に「師団野戦郵便局での仕分け作業」の写真、
P.386に「郵便の配達」の写真が収録されている。

(3)第二次大戦期のドイツ兵の心性について、ベルリン・コミュニケーション博物館所蔵の野戦郵便を史料として研究した博士論文の書籍化として、
小野寺拓也 『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』 (山川出版社、2012)

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Tamiya35051=35270=35286-Aの20mm機関砲と、
Tamiya 35115-Cの20mm機関砲は、パーツが異なっています。

(1)Tamiya 35051=35270=35286-Aの20mm機関砲パーツ部分

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↑Tamiya 35051=35270=35286-Aと本ブログでは表記していますが、
Tamiya 35051-Aでは20mm機関砲の砲身がプラスチックのパーツとして一体だったものが、
Tamiya 35270-Aではメタル砲身に差し込む凸形状がつけられたものにプラスチックのパーツ改修=金型改修が行われ、
Tamiya 35286-Aでもメタル砲身利用のそのパーツを踏襲しているという形ですので、
成型品は20mm砲身部分のありなしで、Tamiya 35051と、Tamiya 35270と35286は完全な等号を結びえないことも留意です。

Tamiya 35286-A部品として注文すると、一枚340円(税別)です。

後述するように、20mm機関砲の椅子が左右ともにこのタイプの椅子="尻椅子"であるという確証を持てず、
Tamiya社のSd.Kfz222とデマーグの20mm機関砲をそのまま左右ともに尻椅子として組むことに、
考証上若干の抵抗がありますし、
Littlfield氏コレクションのレストア車輛のSd.kfz222を見る限り、くるくる回すハンドルは一つのみとも思われて、
20mm機関砲周辺は個人的に最大の考証モヤモヤポイントなのです。
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(2)Tamiya 35115-Cの20mm機関砲パーツ部分

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TamiyaのKwK38 20mm機関砲には考証上確定出来ないもやもやとした部分があって、
TamiyaのSd.Kfz 222と、Sd.Kfz 250/9では、
20mm機関砲のふたつの椅子が両方とも尻の形状にフィットする椅子=「尻椅子」なのに対して、
Littlefield氏コレクションのSd.Kfz 222のレストア車輛*、
そしてTristarのSd.Kfz 222とTrumpeterのSd.Kfz 222のキットでは、
片方が尻椅子で、もう片方は丸椅子となっています。
Tamiyaのキットで再現されているように、両方とも尻椅子の写真に出会うことができず、
このような事例があると確信することが出来ずにおります。

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(註)
*例えば、"Panzerspahwagen" (Ryton Publication, 2004)を参照
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丸椅子は、Tamiya 35228-Cのグレイハウンド砲塔内側の椅子がシワの入り具合も絶妙で、
アメリカ軍車輛内に見受けられる丸椅子としてはまごうことなき傑作で、M5スチュアートやM8自走榴弾砲の内部パーツとして流用したくなるのですけれども、
Sd.Kfz 222の丸椅子として流用するにはやや径が小さい印象です。

Tamiya 35228-C グレイハウンドの丸椅子
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Tamiya 35228-B グレイハウンドの丸くない椅子
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Tamiya 35146-A タイガーⅠ後期型の丸椅子
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Tamiya 35146-A タイガーⅠ後期型の丸くない椅子
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Tamiya 35309 BT-7の丸い人形台座
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by tokyomonogatari | 2011-07-08 01:15 | ☆フィギュア模型の基本
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