Tamiya 35090 [日本陸軍歩兵セット]

MMの日本兵史を教養までに振り返っておきますと、
28リリースという史上最多記録でモデラーに記憶されている1975年の、その大トリとして12月にリリースされた、
Tamiya 35075-C(1975.12)の作業衣袴スタイルの日本陸軍戦車兵がMM史上初の日本軍フィギュアでした。
翌年にリリースされたTamiya 35090(1976.9)では兵には防暑襦袢にゲートルに帯革スタイル、将校には防暑略衣にブーツに略刀帯スタイル、
という南方コーデでまとめられたのです。
Tamiya 35095-C(1977)では日本陸軍砲兵が作業衣袴スタイルで登場。
Tamiya 35075-Cでは作業衣の襟をキチンと締めていたのに対して、35095-Cでは襟が開かれており、
袖もロールアップされているなど、ややラフな着こなし。

Tamiya 35075-Cでも、Tamiya 35095-Cでも、作業衣袴スタイルの兵士に支給されている拳銃は、
南部十四年式なのですが、その拳銃用弾薬ポーチ及びピストルベルトを与えずに、
帯革一本でシンプルにまとめるのが、Tamiya社の作業衣袴コーデの傾向であって、
戦車兵/将校には必ず帯革/胴締めとピストルベルトの二本を与えるFine Molds社と対照的です。

1975年から1977年にかけて、一年一作で日本軍フィギュアが出ていた1/35MMシリーズなのですが、
この記事を書いている今日に至るまで、1/35日本軍フィギュアのリリースは長らく休眠中なのです。

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1976年9月にリリースされてから、未だに第一線現役の日本陸軍インジェクションフィギュアがTamiya 35090である。
彼らを第一線に立たせているのは、言うまでもなく、日本軍フィギュアの数量的不足によるところが大きいのであるが、
35090において注目しておきたいのは寧ろ、同様の身なりと身振りの組み合わせが与えられた1/35兵士*が、他に全く存在しないことである。
「抜刀してしゃがむ防暑略衣を着た将校」はインジェクションフィギュア的には類例がなく、
「しゃがんで射撃する防暑襦袢を着た兵士」も、「前かがみに走る八九式擲弾筒を持つ兵士」も、
「前にじわじわと進む、何ともいえぬ身振りの兵士」も、同様のインジェクションフィギュアが存在しないのである。

その身体の造形ぶりは70年代的=彫刻家的なものであって、線をより整理した形での今日的=フィギュア原型師的な造形からすれば、
ややクラシックな香を漂わせているとはいうものの、ヘッドの造形の、その味わいたるや無類である。
リニューアルを望みつつも、同時に彼らをMM文化史における文化財保護的観点から、
どこかリニューアルされて欲しくないと思う自分をその造形ぶりに見出して迷うフィギュア、
それがTamiya 35090である。しかしそろそろ、新しい南方の日本陸軍歩兵を見てみたいものである。やはりそうである。

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(註)
*ここで1/35に限定しているのは、無論エアフィックスの1/32マルチポーズ日本兵の事例を意識してのことである。
後にインジェクションに更に限定を強めているのは、平野義高氏原型によるオイツー/ファインモールド社の日本海軍陸戦隊メタルフィギュアの「しゃがんだ将校」の存在を意識してのことである。
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久しぶりに「しゃがんで射撃する兵士」を組んでみたものの、三八式歩兵銃と手が中々素直にフィットせず、身振りを変更し、Hornetizedして組むことに。

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「前にじわじわ進む兵士」は、無遠慮にも刺突爆雷を持たせるという誘惑に打ち勝ち難く、
その身振りは悪魔的な魅力に満ちている。

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この記事を書いている時点で、日本陸軍兵士の1/35インジェクションフィギュアにおいて、
革覆いの付いていない軍刀**が与えられている事例は、Tamiya 35090とDragon 6044のみである。

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Dragon 6044は、日本刀としての反りが無く、外装全長が1/35としてはオーバースケール過ぎる。
 Tamiya 35090は外装全長が28.0mmであり、980mm程度の軍刀であるとすれば納得できる範囲であるが、
 こちらもやや日本刀としての反りが不足している印象。

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(註)**鞘に革覆いの付いている軍刀としては、
 Fine Molds AF-8=FM-9=FM-22と、Fine Molds AF-14=FM-23の二例が存在。
つまり、Fine Molds社がリリースしている日本陸軍戦車将校が佩用する軍刀は全て革覆い付き軍刀である。
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Tamiya 35090, Japanese Army Infantry

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by tokyomonogatari | 2011-12-03 05:08 | Japan | Comments(0)
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