Tristar 35009 [ドイツトロピカルパンツァークルー]

遅ればせながら、SMC2010*の珠玉の作品たちを拝見いたしました。
とりわけ気になるのは、欧米人のグッドセンスな場面の切り取りが行われた、カットヴィネットなのですが、
インデックスでいうところのp.14の、"For The Scrapbook"の車輌の切り方のシンプル・スタイリッシュさにクラクラきております。

*http://hosted.wargamer.com/Panzer/smc2010/index.html
--------------------------------------------------------------------

ドイツアフリカ軍団兵士の1/35インジェクションキット史を、本ブログに記録したものを中心に乱雑に概観してみよう。

まず、Tamiya社のフィギュアについて述べれば、
1971年のTamiya 35008 & 35009-figure は35009として、現在でも町の普通の模型屋さんで最も見かけるものであろう。
アフリカコープスかアフリカコーアかの発音・表記問題という興味深い事例ををMM史に刻んだのは35037。
35062-Aは35268-Aとして未だに現役。造形的には70年代のフレイヴァ―が漂っているものの、ポオズは珠玉。
35074の"トッセトンテ"は半ズボンを履いて座るドイツ兵下半身として貴重であった。
35113のグライフ号の皆さんは、2011年4月に数年ぶりにスポット再販でカムバックする。

冬の80年代、ドイツアフリカ軍団のフィギュアは、1980年の35118のロンメル元帥のみであるが、
このロンメル元帥は35113と同じものである。
結局、80年代にはドイツアフリカ軍団兵士フィギュアの新規リリースは皆無であった。

1998年の35227-Gは、35009以来27年ぶりのドイツアフリカ軍団戦車兵であるのみならず、久しぶりのドイツアフリカ軍団兵士であった。
35238-Cは、半ズボンを履いた直立像として35009以来28年ぶりであった。
なお、35238-Cの胴体は35305-X&Yとして後に流用されている。

ゼロ年代のMMシリーズには、ヴィネット向けリメイク(Vignettization)と同時にアフリカ化(Africanization)の傾向があり、
同時にアフリカ軍団フィギュアの黄金期、或いは"本馬氏の時代"であると捉える事も出来よう。
88mm砲のアフリカ戦線版リメイクのフィギュア、35283-Z
Sd.Kfz.222のアフリカ戦線版リメイクの35286-X、Ⅲ号戦車N型の戦車長、35290-F
8輪装甲車の35297-V&Wと、本馬幸雄氏原型と推断されるアフリカ軍団兵士が続いたのである。
しかしながら、ゼロ年代末の、35304-Zは、明らかに東欧系の造形と成型ぶりであった。
35305-X&Yは、本馬氏でも東欧系の造形でもなく、そのヘッドの造形からすれば、日本人I氏の造形であると推測される。
35304-Zの先行例と、ニュルンベルクで展示された35314を見れば、本馬氏とI氏の日本人原型師によるものから、
東欧系原型師へとアフリカ軍団兵士造形が移行しそうな流れの中にある事は、同社の最近のフィギュアを見れば容易に推測可能である。
私個人は真面目な線の本馬氏の造形の方が好みである。

Tamiya社MMシリーズにおけるドイツアフリカ軍団フィギュア史を概観した時に、1974年の35037のアフリカコーアから、この37年間、
戦闘中のドイツアフリカ軍団兵士が不在であり、現役のキットからすると、35009のフィギュア部分=35008以来、
40年間の長きに渡って、新規に造形された同様のフィギュアが不在であるという状況が、
35314でようやく解決される、という事それ自体は、もっと評価されても良いと思うのである。
しかし、本稿を書いている時点で、AFV NEWSの"評点"が、-21(投票数39)**であり、外国での評価は辛いものになっている点も留意せねばならない。

-------------------------------------------------------------------------
**AFV NEWS 2011.2.18記事
http://www.afv-news.com/2011/02/tamiya-german-africa-corps-infantry/
---------------------------------------------------------------------------

Tristar 35009は、戦車に搭乗したアフリカ軍団戦車兵のインジェクションフィギュアをひとつの箱にパッケージした史上初の事例であろう。
Tristar 35009が登場する以前は、Dragon 6063を用いたアフリカの情景が多かったように思われる。
Tristar 35009以降、Dragon 6063の陰はやや薄くなった感アリ。

今日でもDragon 6063を用いた情景を見かけるのであるが、彼らはやや大きめで、
戦車のハッチ付近に並べると、乗れるのかどうか不安にもなる。
少し小さめな体躯で、Dragon 6063的な身振りのアフリカ軍団兵士を、平野氏か本馬氏の造形で、
今のDragon社或いはTristar社の成型で欲しい、と思う。

Tristar 35011は、現状最高のドイツアフリカ軍団兵士たちのインジェクションフィギュアであり、必携。

余談であるが、Tristar 35009と35011では、前者はグレー成型→ダークイエロー成型という移行があったのに対し、
後者は始めからダークイエロー成型のみであるという、Tristar社の成型色変遷史上の違いがある。

Dragon社のドイツ・アフリカ軍団系のフィギュアは以下を参照。

6063 [ドイツアフリカ軍団飲食中]
http://tokyostory.exblog.jp/14924373/

6138 [ドイツアフリカ軍団兵士]
http://tokyostory.exblog.jp/14602632/

6142 [ラムケ旅団]
http://tokyostory.exblog.jp/14214861/

6195 [シシリーの第3降下猟兵師団兵士]
http://tokyostory.exblog.jp/14298144/

6389[戦闘中のドイツアフリカ軍団兵士]
http://tokyostory.exblog.jp/14303691/




--------------------------------------------------------------------------

Tristar 35009, German Tropical Panzer Crew


図書館学においては、図書の情報源の優先順位を「標題紙・奥付・背・表紙・その他」とする。

それにヒントを得て、「索引を作成するにあたって ―ブログ「模型慕情」における模型目録規則―」(2010.12)の(3)にて、
模型キットを記録する際の情報源の優先順位を「箱天面、側面、底、輸入代理店の商品名、その他」とした。
明らかなメーカーの記載ミス***があれば、その次の優先順位のものから情報を取る、或いは敢えてそのままとして(ママ)を記せば良いのであるが、
例えばこのTristar 35009のように、箱天面と箱側面で、日本語タイトルの表記が、「ドイツトロピカルパンツァークルー」と「ドイツトロピカルパンツァクルー」と異なっていて、
明確に後者を誤記だと言い切れないような場合、事前に優先順位を定めておけば、迷わず前者で記録することが可能である。

ともあれ、本ブログでは、メーカーの日本語タイトルそのままを記事タイトルとして使用する事は稀であり、
[]を付して独自の崩したタイトルを付けることが多いのであって、さしたる問題ではないのだが。

***例えば、Legend LF-0117では、箱天面(正面)ではスペルミスがあり、箱側面では正しい。


c0000507_1423764.jpg
↑箱天面(正面)での表記は「パンツァー」である。
c0000507_1424444.jpg
↑側面では「パンツァ」と表記されている。
c0000507_1425060.jpg
c0000507_1425516.jpg
c0000507_143075.jpg
c0000507_143663.jpg
c0000507_1431281.jpg
c0000507_1431785.jpg
c0000507_1432238.jpg
c0000507_143317.jpg
c0000507_143372.jpg
c0000507_143427.jpg
c0000507_1434763.jpg
c0000507_1435373.jpg
c0000507_1435998.jpg
c0000507_144762.jpg
c0000507_1441220.jpg
c0000507_1441820.jpg
c0000507_1442682.jpg
c0000507_1443254.jpg
c0000507_1443895.jpg
c0000507_1444427.jpg
c0000507_1445074.jpg
c0000507_1445895.jpg
c0000507_145646.jpg
c0000507_1451482.jpg
c0000507_1452161.jpg
c0000507_1452799.jpg
c0000507_14533100.jpg
c0000507_1454081.jpg
c0000507_145463.jpg
c0000507_1455332.jpg

by tokyomonogatari | 2011-03-02 01:46 | Germany | Comments(0)
<< Tamiya 35164-D ... 昭和17年、インドネシアジャワ... >>