Master Box 3567 [第二次大戦期西欧の市民]

Master Box 3567, Civilians, Western region WWⅡera

このキットのボックスアートに対して、
四谷仙波堂の仙波氏はHPにて、
「軍帽を被って乱暴な言葉を吐いている子供を見て紳士と農夫が眉をひそめている、と言う小芝居風」
と解釈なさり、
赤いお母さん=木蘭=redsoldiers氏は
「厳しい顔の農夫の視線は明らかに、この紳士の方に向いていているし、紳士の驚いたというか怯えた目線も農夫の方を向いている。子供達の雰囲気と合わせて、非常に差別的な空気を漂わせている様に思える」
と、ブログの2011年4月28日記事で解釈されていますが、

私には、少なくとも箱絵の農夫の視線の解釈については、後者がより的確である、と思われます。

少女の顔は箱絵では右を向き、2対2で視線に対称性が確保されていますが、箱裏では左を向いており、
箱裏の少女像を箱絵の位置に置いた時に、3対1で黒衣にヒゲの男性に視線が注がれることとなり、
「差別的な空気」と解釈するのが妥当だとも思われる、その一方で、

箱裏の作例を見ると、農夫の視線には厳しさが見受けられず、欧州の好々爺らしい表情が与えられていたりして、
このキットに対する、決定的な読解のあり方、というものを敢えて作者は用意せず、宙に吊って見せている、
という感がございました。

ともあれ、
ハシディズム派ユダヤ人の服飾的記号が盛られた市民の1/35フィギュアが、
インジェクション=マルチプルな身体性をまとって、
世界中の模型店に並ぶという、おそらく世界初の事例が、このMaster Box 3567でございましょう。



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↑箱絵のおじいさんの視線は、少年に注がれておらず、紳士の視線と交差しているように見え、
おじいさんの顔には厳しさが湛えられ、紳士には怯えの表情が見受けられる。

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↑箱裏の作例では、おじいさんの表情は柔和である。

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↑おじいさんの靴紐は作例では作り直されている模様。

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by tokyomonogatari | 2011-05-03 01:41 | others | Comments(4)
Commented by 木蘭 at 2011-05-03 12:51 x
記事を読んで頂きありがとう御座います。
私も、早速キットを買ってしまいました。

キットを買った人間の中で、「何処が西部地域なんだ?」という叫びがありました。
(ハシディズム派と限定出来るかは私には良く分かりませんが、だとすると尚更、欧州西部とは言い難いアイコン)
「マスターボックスの社屋からみて西なんじゃないんですか?」と言う事で、落ち着きましたが。

裏側の完成見本ですが、これってCGで色つけしてるんでしょうね。農夫の髪の毛の感じとかみると。
ガガーリン氏は模型を作らず、CGでカラーリングするのが趣味という記事が「AM」誌に掲載されていた事を考えると、腑に落ちます。
Commented by tokyomonogatari at 2011-05-03 21:05
黒い背広と帽子、ヒゲの身なりをしていれば、ハシディズム派の記号だと、
学部の地域研究論で習った程度のあやふやな知識で断定してしまいましたが、
ハシディズム派に限定出来る記号、とまではいかないものなのでしょうか。

アーマーモデリング誌のガガーリン氏の記事を、たぶん私は見落としています。
今、バックナンバーで記事を探しているところです。
Commented by 木蘭 at 2011-05-04 21:33 x
私自身、ユダヤ教の服飾に造形が有るわけではないのですが、黒いスーツと帽子、長く伸ばしたヒゲという装束は、特定の派に限った事では無い様に思えます。
ネットなどで検索していた結果程度の話ですが。

「AM」誌ですが、土居SVがマスターボックスを訪ねた際の、社長(?)へのインタビュー記事内で、ガガーリン氏について触れていました。
Commented by tokyomonogatari at 2011-05-05 05:31
「ユダヤ人の服飾的記号が盛られた市民の1/35フィギュアが、
インジェクション=マルチプルな身体性をまとって、
世界中の模型店に並ぶという、おそらく世界初の事例が、このMaster Box 3567でございましょう。」

とすれば、あやふやさを少し減らせるかとも思いましたが、
木蘭さんのコメント付きで、この記事は、ひとまず、そのままにしておこうかと思っております。

マスターボックスの記事、2008年5月号(Vol.103)ですね。
やっと見つけて読むことができました。

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