Tamiya 35210-G 「ワインボトルとランタン」概論

Italeri社のダッジが再販されるという報に思い出されるのは日本図書館史におけるブックモービル=移動図書館の黎明期の事例、千葉県立図書館の「ひかり号」のこと。
「ひかり号」はダッジウェポンキャリヤーの荷台を書架に改造したものなのであるが、
当時の記事には「ダッジウエンボンカリヤ」と書かれていたりもして、興味深いのである。
そのあたりの資料を確認しておかねばと、『図書館雑誌』のバックナンバーを読みに早稲田大学図書館へ行った帰りに、
東西線九段下で下車し、神保町のO書店に並ぶ洋雑誌を眺め、ううむ、ノーマン・ロックウェルが表紙を描いた"Saturday Evening Post"は、
一冊一万円超えているけれどもやはり欲しいななどと思いつつ、ヴェトナム戦争期の"LIFE"が特価500円で出ているのを購入したり、B堂の軍事洋書を眺めたり、
著作『宮沢賢治 存在の祭りの中へ』(岩波現代文庫、2001)を今丁度読んでおります見田宗介先生の著作集の広告が気になったりし、
C模型店にかつて並んでいたACADEMY社製のゼネラルセット*をそろそろ模型史史料の為に購入しようと思って行ってみるとその姿既になく、
RPM社のロレーヌ38Lを購入したりして再び九段下の駅に戻り、ふと見るとホームの壁に、
山田洋次脚本、演出版の「東京物語」の広告があり、そういえば今日、12月12日は、小津安二郎の誕生日にして命日であるということに気づいたのであった。

小津映画では小道具として酒瓶が多用されていることは周知の事であろう。
本記事ではTamiya 35210-Gについて、過去記事の写真を編集し、まとめて語る事にする。

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(註)
*ACADEMY社製のゼネラルセットは、Tamiya社のものに"良く似ている"のであるが、成型色が金ラメである。
そのうちに購入し、本ブログで示そうと思っていたのであるが、既に売れた模様。
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(1)35210-Gとは何か

Tamiya社MM史上最高傑作の小道具は何かと問われれば、無論35210-Gである、と即答したい。

Tamiya 35210-G、「模型慕情模型目録規則」にならった記述法をすれば、
Tamiya 35210=35221=35232-Gとなり、
模型店における注文書の記述法では、パーツコード10003524(8桁表記法)、0003524(7桁表記法)となる、
このパーツの価格は一枚、税込み336円である。

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このパーツの素晴らしさは、無論クリアー成型のワインボトルが大量に手に入ることに尽きるのであるが、
インジェクションプラスチック史上初であったであろうクリアー成型のランタンの存在もまた大きい。

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↑しかしながら、稀にワインボトル或いはランタンに気泡が入っているものがかつて見受けられたのも事実である。
しかし、ここ数年間は気泡が入ったものを見かけなくなった感がある。
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↑気泡の入っていないランタン。

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↑酒瓶がクリアー成型された事例は、35210-G(1996.10)に先行して、35150-C(1991.4)が存在する。
写真右の二瓶が35150-Cである。これはビール瓶であり、この瓶に与えられたデカールを見ればファジィながら"Lite"の銘柄が確認出来る。

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(2)瓶の中身の表現
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↑「瓶底を水平に置いた状態での中身」の表現は容易である。
底からドリルで開口し、流し込み接着剤少量で開口時の荒れを抑えれば良い。

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↑しかし、倒れた瓶の中身表現としては不十分である。これは今後の課題としたい。

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↑底から開口して中身を表現し、瓶の色を塗ったもの。

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↑中に入った液体が透明でないものを表現したい場合、塗料を流し込めば良いのであるが、これは表面張力で上手く入らずに、失敗しやすいので要注意である。

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(3)基本的な製作法詳述

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↑パーティングラインをデザインナイフで削る。
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↑コルク栓を抜いた状態を表現したい場合、コルク部分を切って、マチ針の先端で開口する。
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↑パーティングラインを削る際に生じる荒れは、少量の流し込み接着剤を塗ってならす。
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↑瓶の色を塗る。
タミヤエナメルのクリアー系各色で淡く着色した。
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↑ランタンを塗る。
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↑コルク栓部分を塗る。ここで悩ましいのは、クリアー成型されているためにコルク栓が"キチンとはまっていない"ものになってしまうことである。
これはドリルで開口して実際に"栓"をそこに挿し込む形にすれば解決可能であろうけれども、未だに試みてはいない。今後の課題である。

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↑ランタンを少しだけディテールアップする。細い銅線でリングを作る。

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↑銅線をスプリング状に巻いたものを、内側からデザインナイフで切ればリングは容易に得られる。それをランタンの頭に接着して塗装。

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↑Tamiya 35210-decal、パーツコード11403161(8桁表記法)、1403161(7桁表記法)、一枚210円に含まれる、
ワインボトルのラベルを貼る。
小さいRに貼るには、綿棒で押しつけるようにすれば良い。

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↑作業おわり。


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Tamiya 35210-Gのワインボトルを、Tamiya 35210-Fのかごに入れる

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↑木箱に時折見受けられるような、こちらには木目あるけれど接するそちらの面にはないよ、というカタチでなく、
全面、内側にも底にも編み込みモールドが入っているものだから、愛らしく嬉しいパーツです。
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↑今回はサーフェイサーを吹いたりせず、そのまま茶色下塗り。
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↑上塗りしてボトルを入れる。
ボトルはクリアーオレンジ、クリアーイエロー、クリアーブルーを筆塗り。
by tokyomonogatari | 2011-12-12 22:43 | ◎小道具 | Comments(0)
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