1/35 ミリタリーフィギュアの基礎 部品のミキシングとエポキシパテによる造形

(1)切断・接合・ミキシングによる小改造

(1-a)上半身と下半身の接合

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Tamiya 35156-Dは前方寄りかかりポオズの傑作である。
それを全身像にした上で、第二次大戦期のアメリカ兵に小改造したい。
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35156-Bの下半身を移植。
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↑薄刃のノコギリで切断。
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↑半身像の下半身も切断。
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↑上半身と下半身を接合。襟口をドリルとデザインナイフで開口。
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↑ヘッド挿し込み。
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↑M2重機に寄りかからせる。

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Tamiya 35269-Dの半身像の上半身を、全身像の下半身につなげる。
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↑Hornetizeしてまとめる。

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↑まっすぐに立ち、サイズも適度な35228=35234-Bの下半身は移植用としての汎用性が高い。

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Tamiya 35250=35251-Xの半身像を全身像化するのに、35228=35234-Bはサイズ的に丁度良い。

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↑左が上下半身接合、右が35228=35234-Bのストレート。
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Tamiya 35230=35244=35312-Aの腕組み上半身を、35228=35234-Bの下半身につなげたもの。




(1-b)関節角度の変更

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Tamiya 35269-Dにペットボトルのミネラルウォーターを飲んでもらう。
 関節でセパレートにする。
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↑口元をマチ針とデザインナイフでキス顔に変形、関節部にエポキシパテをはさんでつなげる。

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↑2mm透明ソフトプラ棒で代用して位置を決める。
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↑靴の上端で切り離してエポキシパテで再度接合。後ろに寄りかからせる。

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↑Tamiya 35269-Dの全身像のボディが左、Tamiya 35263-Fのボディが右。

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↑Tamiya 35269-D全身像の上半身をTamiya 35263-Fの下半身に接合、Tamiya 35269-D半身像の上半身をTamiya 35269-D全身像の下半身に接合する。

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↑接合。襟の内側を開口。

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↑Hornetizeして「読む人」と「飲む人」にまとめる。
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(2)エポキシパテを用いた小改造の基礎

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↑パーツをエポキシパテでつなげて大まかにカタチ出し。
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↑M8グレイハウンドのここに納まるように脚の長さを調整。
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↑溶きパテを塗布。
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↑防寒帽はモコモコと愛らしいのですが、やや重い印象でもあるので、M43野戦帽を若干斜めにかぶらせることに。
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↑エポキシパテを盛って戦車搭乗ズボンを防寒ズボンに太く柔らかく造形し直す。
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パーツの寄せ集めで武装親衛隊兵士の全体形を出す
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↑上半身6110B+下半身6142D
ヘッドはHornet HGH14の③

HGH14ヘッド→こちら
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↑裾のベースをエポキシパテで造形、硬化しないうちに腰周りの装備品付け。
右腰の双眼鏡ケースは6036、左腰のMP40マガジンポーチは6110を選択。

Dragon社双眼鏡ケース・パーツたち→こちら
MP40マガジンポーチの幾つか→こちら
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↑柄付手榴弾をベルトに差し込んだ状態を表現。
柄付手榴弾は今回、Tamiya Yβを選択。
併せて双眼鏡ケースを一回り小さく切削。

柄付手榴弾パーツの幾つか→こちら
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↑雑嚢を薄く削ってエポキシパテを盛って右尻に付ける。
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↑腕を付けて仮の演技出し。

大まかな形出しはこれで終了。

戦利品としてイギリス軍水筒を肩から掛ける。
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↑水筒の位置決め。エポキシパテで隙間を埋めつつ固定。

関連 イギリス軍水筒パーツ→こちら
今回はDragon6212を、表面のシワを削って使用。
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↑マスキングテープ二枚重ね細切りによる紐表現。
テープ本来の粘着力で位置決めの後、瞬間接着剤を少々流し込んで固定。
まずは背側を表現。襟部で一度途切れる。
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↑身体前面の紐は、迷彩スモック袷部の造形し直しと併せて行い、パテが柔らかいうちに若干食い込ませた。
スモック袷部の紐の結び方は大きく分けて二種類あるらしいが、今回は上から「XX-」状の結び方を伸ばしランナーで表現。
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↑スタンダードな形状の小型双眼鏡パーツたち
左から、
・Tamiya一般型
・Dragon一般型
・Dragon布付きタイプ
・Dragon Gen.2
・Dragon6214 Gen.1最小
・Tristar 武器ランナー
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↑形状が安定しているとしてよく使われるTamiya一般型では、今回の場合少々大きく感じたので、
Dragon6214双眼鏡を選択、紐をマスキングテープ二枚重ね細切りで表現。

双眼鏡の位置は服にポケットがあるとしたら上はその中央部辺り~下はベルトバックル上端に掛かるか掛からないかまで、写真を拝見すると個々人で差が大きい。
模型的身体のバランスと、アクチュアルな身体ヴォリュームとの差異からか、フィギュアでポケット中央部辺りに双眼鏡を持って来ると、往々にして紐を首に掛けたまま双眼鏡を覗く事ができるかどうか不安になるほど、特に横から見たときに窮屈に感ぜられる。
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↑6110Bの迷彩スモック上半身の襟元は、開いているのか閉じているのかファジーなので、開襟を強調する為にエポキシパテで襟元を造形し直した。

併せてパテの余りで横を歩く機銃射手を大まかに形出し。
上半身6161/6308 B+下半身6142 A
ヘッドはHornet HQH03 の2番を、ベレー帽切削の上使用。

関連 HQH03ヘッド→こちら

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パーツの寄せ集めでルーマニア軍戦車兵の形出し。

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↑Hornetの、ベレー帽を右に流しているヘッドと、Dragon6201上半身+6142D下半身を組み合わせて、モールドを削り落とす。
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↑タミヤ・エポキシパテ速硬化タイプで造形。
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↑じわじわ形を出してゆく。
今回造形の対象としている軍服は、上着胸ポケット二つ、ポケットフラップ下部直線的、ポケットプリーツあり、裾にポケットなしのもの。

ルーマニア軍戦車兵のズボンの裾はドイツ軍戦車兵と同様に靴のところでキュッと窄まる。
ベルトの留め具は、四角の枠を構成する金具タイプと、長方形のプレスタイプの二種が見受けられますが、写真を見るとプレスタイプは何らかのモールドありのものと、無しのものがあって、
モールドありのものには王冠をデザインしたタイプの他、決定的に鮮明な写真が見つからないものの、同心円的モールドが付いているらしい、ドイツ国防軍のベルトバックルそのものなのでは無いかとも思われるタイプが見受けられる。

腕の造形。
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↑インジェクション・腕パーツの袖を削り、生肌を露出させ、0.8㎜真鍮線で繋げる。
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↑エポキシパテで腕の芯適量盛り。
ここまでやって、パテ硬化待ち。今回は数日放置、忘れていた。
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↑右腕を負傷、吊る演技に持って行くに当たって、マスキングテープ細切りによる包帯巻き。
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↑エポキシパテで袖を適量盛る。
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↑90分程度放置、少々硬さが出てきたあたりで爪楊枝と刺繍針でシワ付け。
※パテは全てタミヤ・エポキシパテ速硬化のそれ。
硬化したら腕を一度外して、ポケットを造形する。

腕の吊りと、それに伴う襟の表現。
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↑「包帯或いは細切りの布により腕を吊る」事を表現。
マスキングテープ二枚重ねの細切りを実際に首に掛ける。

※腕を吊る用具は、右腕を吊る場合は右肩に掛かる方が前に出て、
左腕を吊る際には左肩に掛かる方が前に来るのが妥当。
ロバート・キャパが撮影した中国軍負傷兵、ドイツ将校捕虜は共に右腕を布で吊っているが、やはり右肩に掛かる方が前に出ており、
「大いなる幻影」La Grande Illusion(1937) のジャン・ギャバンも同様に吊り、
「男はつらいよ 寅次郎春の夢」(1979)のプレタイトル・シークエンスにおいても渥美清は同様に吊っている。

フィギュアではしばしば、逆に掛けられているので、気になる所。

ポケットはエポキシパテが若干硬くなったあたりで、四角に切り出し、適当な位置に付け、モールドを付ける。
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↑「吊り包帯」に押さえられる襟をエポキシパテ造形、併せて内側のタートルネックセーターを造形。
浮いた襟など、宙に浮いてデザインナイフで「押し切り難い」部分は、「エチケットハサミ」*で整えればOK。
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↑後ろ側で結ばれ、垂れる包帯。
これもエポキシパテで表現。

*エチケットハサミは、本来の用途、まゆ毛、まつ毛の手入れ或いは鼻毛を切る行為は勿論の事、
スタティックグラスを「植えた」後の剪定、フィギュア造形の際に余分に盛ったエポキシパテの除去などなど、中々模型に使えるアイテム。

ある程度ルーマニア軍戦車兵の形が出てきたところで、ドイツ兵と絡める。
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↑ドイツ兵の左腕を、インジェクション腕パーツの使える部分を適宜切削してつなげ、ルーマニア軍戦車兵の腰の辺りに添えられる部分にエポキシパテを盛る。
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↑くっつける。
広告業界で言うところの、「曖昧な同性愛的描写」Gay Vague記号を、模型においてルーマニア・ドイツ軍間の兵士に導入する試みだと深読みするのは流石にアホだが、
元来別の二体を密着させる行為は、フィギュアの製作において割とエキサイティングな事象である。
フィギュアにおける「身体」の描写を、「負傷」で表象させ、かつ「触れること」で二次的に表象、プラスチック的身体を否定しつつ、皮膚感覚の模型を描きたいと、常々思うのですが、足らぬ足らぬは技術が足らぬ。
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↑エポキシパテで密着させているだけなので、足元がずれないように両面テープで適当な角材に固定。
硬化を待つ。

22号館前の通り、木々に吊り下げ張られ巻かれ発光するクリスマスイルミネーションを見て、ふと、
やはり腕を吊るのは包帯ではなく三角巾だと妙なところで昂ぶり、思い定まり、
エポキシパテによる負傷兵の三角巾表現をする。
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↑吊る右腕の、三角巾に干渉する下部を適度に切削。
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↑主剤硬化剤を練って60分程度、
「柔軟性を兼ね備えつつも"青い硬さ"を持ち始めたアンニュイな思春期の如きエポキシパテ」
を薄く延ばし、三角巾の下地を造形。
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↑場所によってはパテを適量盛って、シワの整理。


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Tamiya 35075-Cを用いて、日中戦争期の日本兵を製作する過程。
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↑Tamiya 35075-Cのゲートルを巻いた脚と、35086の開脚座りの下半身のパーツを関節をの角度を変えつつ繋げる。
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↑Tamiya 35075-Cの上半身のモールドを削り取ったものに各種フィギュアパーツを繋げて、仮に大まかに形出す。
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↑昭五式軍衣の詰襟をエポキシパテで造形。雑嚢も作る。
水筒パーツは35075-Cのものを用いる。私見では35090の水筒よりも形が冴えている。
雑嚢と水筒の紐は板鉛で作る。
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↑水筒のふたに繋がっている紐をマスキングテープ細切りで作る。
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↑水筒を肩から提げている紐のベルトの下からの部分をマスキングテープ細切りで作る。
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↑ベルトの下からのマスキングテープの紐のラインを、ベルト上からの板鉛の紐のラインに繋げる。
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↑帽垂れはエポキシパテを薄く延ばしたもので作ることが出来る。
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↑エポキシパテが硬化する前に形を決める。
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↑靴の紐は伸ばしランナーで作り直す。
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↑伸ばしランナーでバックルを作る。
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↑細いプラ棒をスライスしたもので靴の裏に鋲を打つ。


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↑鉄帽は裏をリューターでくり抜いてからヘッドにかぶせる。
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↑エポキシパテとプラスチックのパーツ片から雑嚢と衛生用具嚢を作る。
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↑リューターとやすりで紐の通る路を彫り窪ませて、エポキシパテを適量埋める。
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↑板鉛で紐を作る。
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↑35075-Cの水筒を雑嚢にフィットさせる。
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↑座る兵士の水筒とは、ふたの紐の位置を変えて作ってみる。
こちらは中央から延びる紐がふたに繋がったタイプにする。マスキングテープ細切りで作る。
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↑肩からかける紐のベルトから下の部分をマスキングテープ細切りで作る。
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↑紐のラインを繋げる。
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↑銃剣のディテールを作り直す。
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↑伸ばしランナーで靴紐を作り直す。
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↑胸ポケットをエポキシパテで造形。伸ばしランナーでバックルを作る。
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↑エポキシパテで衛生兵袖章を作る。マスキングテープ二枚重ね細切りで鉄帽から下る顎紐を作る。
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↑エポキシパテで顎紐の蝶結びの輪を造形。
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↑エポキシパテで顎紐の蝶結びの線を造形。
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↑紐を整える。
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↑エポキシパテで鉄帽の下にかぶった戦闘帽のひさしを作る。
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↑サーフェイサーを吹く。

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by tokyomonogatari | 2011-10-20 12:28 | ☆フィギュア模型の基本 | Comments(0)
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