極小リングの作成技法

(1)金属巻き線カット法によるリングの製作

(1-1)金属巻き線カット法の概要

0.28mm銅線を丸めて切り出して、リングを作成する。
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↑金属線にクルクル巻く。
ドリルの軸に巻けば、モノによっては0.05mm単位でサイズ調整出来る。
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↑ナイフの新刃で切る。
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↑平らなペンチで潰す。
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↑メガネには0.28mmではダメ。

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(註)
*メガネの自作については、「メガネ概論」を参照。
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(1-2)0.12mm銅線を用いた内径0.45mmのリングの製作とその活用例

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↑0.45mm真鍮線に0.12mm銅線を巻いて、巻き線コイル状にする。
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↑巻き線コイルを真鍮線から抜いて、リングの内側にデザインナイフの刃先を入れて切る。
これをピンセット先で整えれば、リングを大量に得ることが出来る。

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↑0.45mmリングの使用例、イギリス軍拳銃ホルスターのロッド部分。
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Tamiya 35305-X&Yの上半身裸で水を飲むドイツ兵を小改造してイギリス兵にする。
ズボンのポケットの線を埋め、右尻にポケットが付き、右ひざのプリーツ付きポケットが無い初期生産のカーキショーツ*に、ベルトをベルトループを用いずに上から巻くスタイルでまとめる。

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(註)
**第二次大戦期のイギリス軍の防暑服を知る書籍としては、
Martin J. Brayley & Richard Ingram(著)
"Khaki Drill & Jungle Green, British tropical uniforms 1939-45 in color Photographs"
(The Crowood Press, 2009)
が決定的名著。『宮沢賢治必携』と同じくらいの必携度。
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(2)プラ棒スライス・ビーディングツール打ち抜き法によるリングの製作

(2-1)プラ棒スライス・ビーディングツール打ち抜き法の概要

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↑プラ丸棒を薄切りにする。写真のは0.6mmプラストラクト丸棒。
これを、彫金工具のナナコで打ち抜く。

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↑ビーディングツール=球ぐり工具・ナナコ 先が細い物から0~22番と称される。

(模型店では「ビーディングツール」の、0号~22号23本入りが9000円ほどしますが、彫金工具店では1本あたり126円でばら売りされています。
ミリタリーモデルに必要なのは0号~10号までで、それ以上のサイズは市販のリベットで求められますし、かつそちらの方が精度の高いものが得られそうなので、ばら売りで購入した方が良さそうです。)
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↑ビーディングツールで打ち抜いた0.6mmプラ丸棒薄切り。
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↑左から、外径0.4mm・0.5mm・0.6mm・そしてアベールエッチング35A21番に含まれているリング状パーツ。
精度がバラバラ、沢山作って良いモノをチョイスする必要がありそうです。
ビーディングツールによる穴あけの限界が0.4mmで、0.3mmではダメでした。

0.4mmに対して、ビーディングツール 0号
0.5mmに対して、              2号
0.6mmに対して、             3号 を使用しました。




(2-2)プラ棒スライス・ビーディングツール打ち抜き法で得た小リングの活用事例

(2-2-A)1/35 モーゼルミリタリーのリング金具

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↑ビーディングツールでのプラ丸棒打ち抜き作業を繰り返すと、刃先が極々若干広がり、抜けるサイズが微細に変化する感があるのが残念。
ビーディングツールは彫金工具店で一本126円。
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↑0.4mmプラ棒スライスをビーディングツール0号で打ち抜いたリングを、モーゼルミリタリーの柄に付く金具として活用。


(2-2-B)1/35 タマゴ型手榴弾をリングで引っ掛ける表現

ドイツ軍卵型手榴弾は、弾薬ポーチなどにリングで吊り下げられるものなのですが、
写真を見るとこのリングは結構大きく、見て見ぬフリして省略してイモ付けするわけにはいかない感があるので、1/35ミニチュアでもそれなりにキッチリ表現したいところです。
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↑0.5㎜プラ棒スライスをビーディングツール/ナナコの2番で抜いてリングを得る。

今回選択した卵型手榴弾のパーツはGen.2/Premium-Editioned Gen.1のもの。
※ドイツ軍卵型手榴弾ミニチュアの比較→こちら
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↑弾薬ポーチの下部をマスキングテープで作り直してリングを引っ掛ける。
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by tokyomonogatari | 2008-03-20 21:19 | ◎その他小道具 | Comments(2)
Commented by 部員T at 2008-03-20 21:51 x
銅線は加工しやすそうでいいですね。
ドイツ兵のサスペンダーの、背中のリングには使えそうですか?
Commented by tokyomonogatari at 2008-03-21 01:29
カルヴィン・タン氏が、著作(Osprey,2005)で、
Yサスペンダーのリングを、同様の製作法で作っています。

トニー・グリーンランド氏の「パンツァーモデリング・マスタークラス」では、
四角いバックルを、この方法で形出すというのが示されています。

キュッと巻くためと、サクッと切り出すためには、
銅線じゃないと難しいのではないかと思います。
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