カテゴリ:デカール節( 27 )

タミヤ1/48雷電デカールの差異

Tamiya 1/48 Raiden decals

Tamiya社の1/48雷電のデカールには二種類がある。

文字通りスタティックなディスプレイモデルである通常版(61018)のデカールと、
プロペラが130クラスモーター(タッチダッシュモーター)で回転するプロペラアクションシリーズ版(61503)のマークがある。

本記事ではその二枚の差異を示す。

(1)概要

c0000507_2585931.jpg
↑Tamiya 61018 decal(ⓒ2003 TAMIYA)
一枚178円。

ゼロ年代に水色台紙に変更されている。それ以前は白下地である。
なお、この白台紙から水色台紙に変更される、というのはジャンルを超えてゼロ年代のタミヤ社キットに広く見受けられた現象である。
私はこれを、「ゼロ年代の洗礼」と読んでいて、デカール史をおおまかに「受洗以前」「受洗後」と区分している。
受洗後、水色台紙の色味は緑味のある水色→青味のある水色と変化している。
デカールの台紙の色は、模型考古/考現学において製造年代推定のある程度の示準となるのである。

Tamiya 61018のデカールには、
元山航空隊の「ケ-1105」機
第302航空隊の赤松貞明中尉搭乗の「ヨD-1195」機
第352航空隊・鹿屋基地の青木義博予備中尉搭乗の「352-37」機の三種のマーキングが付属。

c0000507_259981.jpg
↑Tamiya 61503 decal(ⓒ2001 TAMIYA)
一枚273円。

既述のデカールを示準とする製造年代測定法のタームで語れば、
「受洗後」の「緑味水色時代」のデカールである。

Tamiya 61503のデカールには、
元山航空隊の「ケ-1105」機
第352航空隊・大村基地の青木義博予備中尉搭乗の「352-20」の二種のマーキングが付属。

「ケ-1105」機の尾翼の機体番号のサイズは、後述のように61018と61503で異なる。

「352-37」号機は、雷光マークが描かれていなかったとする文献*もあるが、
70年代にリリースされたタミヤ社の61018とオータキ社の1/48雷電では、「352-37」に
雷光のデカールを貼るように指示されている。

61503の「352-20」は、当時の写真で雷光マークとの併存が確認出来る**。

----------------------------------------------------
(註)*例えば、『世界の傑作機No.61 海軍局地戦闘機「雷電」』(文林堂、1996)P.70に、
「目立ち過ぎを考えたのか、青木中尉の鹿屋での乗機は雷光マークなしの37号機であった」 とある。

**前掲書 P.1写真。
----------------------------------------------------



(2)差異

c0000507_2593367.jpg
↑「ケ-1105」のサイズ差に注目である。
そのサイズは、Tamiya 61018 > Tamiya 61503である。
c0000507_2593964.jpg
↑雷光マークの形状は同じであるが、色味が異なる。
c0000507_2594455.jpg
↑61018の計器盤。
c0000507_2594862.jpg
↑61503の計器盤。
計器の針の位置が異なるなど、描かれ方が微妙に違っていることに注意。
c0000507_2595457.jpg
↑61018の表。
c0000507_2595943.jpg
↑61503の表。
文字サイズが異なる。

c0000507_30414.jpg
↑61018の銘。
c0000507_30974.jpg
↑61503の銘。
書かれている事は同じであるが、幾つかの文字の線の長さと位置が微妙に異なる。
by tokyomonogatari | 2011-05-23 03:01 | デカール節 | Comments(0)

Tamiya 12641 [43年後の記章授与、或いは革命]

Tamiya 12641は、2011年に発売された兵隊ミニチュア関係のものの中で、暫定最高のものだとお見受けいたします。

1968年9月に「ドイツ戦車兵セット」(35001)をリリースしたのが、
Tamiya社におけるMMシリーズの始まりであった、というのは、このブログで今更語るまでもない事でありましょうけれど
大西将美画伯によって描かれた、その35001の箱絵からパンツァージャケットに記章類を付けた武装親衛隊戦車兵がセンターに登場していながら、
武装親衛隊の髑髏章、襟章、袖章などの記章類はデカールとして、この43年の長きに渡って、
Tamiya社から与えられることが無かったのです。*

武装親衛隊記章類は、Verlinden Productions社のものだと襟章も袖章も大きめで、
Lion Roar社の袖章は、一枚に印刷された種類が多くて良いのだけれども、やや字体が堅い印象。
他にも武装親衛隊階級章類を出しているメーカーが幾つかございますが、
とりわけArcher Fine Transfers社のものが私見では最良のサイズと質であり、なおかつ、
Calvin Tan氏がその著作"Modelling Waffen-SS Figures"(Osprey, 2005)で使用しているのも同社のドライデカールでした。
その超絶技巧の塗装とマッチする水準の解像度で印刷された階級章や袖章であるならば、ぜひ欲しいと、
私はそれを求め、某模型店で売られている事を知り、そのドライデカール一枚二千円越えという価格に、震えつつ購入したものです。
後にHobby Link Japan社が価格をその約半分程度にして販売するようになり、だいぶSS記章類の状況は改善されたようにも思われたのですけれど、

いよいよTamiya社から武装親衛隊階級章が出ると知り、
東京の某模型店でニュルンベルクで発表された新商品の展示会があった時には、
そのガラス越しにそのデカールばかりを眺め、袖章はどこの師団が入っているのか、解読しようと努めたのですが、
デカールと私の眼球との距離が50センチ以上あり、結局読みとること能わず、
新製品情報の図版で示されていたDas Reich師団以外は、どこの師団の袖章が入るのかが、この数ヶ月間、私の関心事でございました。

Das Reich師団の袖章は、35001の大西画伯の絵の戦車兵が1968年に巻いており、
ようやく、43年越しに彼に与えられるべき袖章が与えられる形になり、おめでとう35001と、私は心の中で密かに彼に祝福を送っていたのです。
しかし、他にどの師団が入るのかは、少なくともこの若輩者には、その展示の時点では判らなかったのです。

今、実物を手にしてみて、ダス・ライヒ師団を始め、トーテンコプフ師団、ランゲマルク師団、ノルトランド師団、ドイッチェランド連隊のSS袖章が含まれている事が判明した次第ですが、
"LAH"と"HJ"は、やはり、回避なさったとお見受けし、その辺りは、Archer Fine Transfers社のドライデカールに頼ることになりそうです。

ともあれ、これでようやく、武装親衛隊とアフリカ軍団袖章のデカールが、町の普通の模型屋さんにて、
この価格で購入できる形となったのは、43年のMMフィギュア史において、これ以上に無いほどに、
革命的な、あまりに革命的な事象、に他ならない、と、私は思うのです。

ここまで書いて読み返してみて、袖章の事ばかり語っているのに気付いたのですが、
筆で書くのに激しく難のある袖章の文字を、綺麗に印刷されたデカールで解決していること以上に、
フィギュア的に嬉しい事はないと、やはり私は思いますし、
12625の2008年革命に次ぐ、12641の2011年革命が来たというこの状況を、
リアルタイムで経験できたこと、そのことこそが、私は嬉しくて仕方がないのです。

-----------------------------------------------------------------
(註)
*武装親衛隊のヘルメットワッペンは70年代に発売されたドイツ軍キットの幾つかに付属。
ヘルメットワッペンのサイズについては、拙稿(2011.1.26)を参照。
武装親衛隊のヘルメットワッペンのサイズに範囲をしぼって大小関係を示せば、
12641<35023<35016=35050である。
--------------------------------------------------------------------

c0000507_1271158.jpg
↑赤と青の12625的なタミヤ・カラーでもなく、限定品的な褐色でもなく、
赤、というのは、MM史上稀有な事例でございましょう。

c0000507_1271753.jpg
↑SS襟章は、大小2種類が付属。
フィギュアはサイズ差が激しいために、大小あるのは有難いのです。
それこそ貪欲に理想を申し上げれば、全ての記章類に大小が欲しいところです。

c0000507_127226.jpg
↑ヘルメット右側の白地にルーン文字のSSマークは入っているものの、
ヘルメット左側の鍵十字は入っていない。しかし、アンドリュー・スティーヴン&ピーター・アモーディオ(1993)**P.39に、
「鍵十字の盾章は1940年3月より外すように命じられ、ほぼ完全に姿を消した」
とあって、大戦初期以外であれば、ルーン文字SS盾章のみでも良いらしい。
なお、Tamiya 35196の箱絵では、ルーン文字SS盾章のワッペンが剥がれたような描写がなされている。

-----------------------------------------------
**アンドリュー・スティーヴン&ピーター・アモーディオ(著)、上田信(監訳)、北島護(訳)
『ミリタリー・ユニフォーム2 ドイツ武装親衛隊軍装ガイド』(並木書房、1993)

なお、130,131,132は、幾つかの国ではカットされる模様で、その為の規制カット線があるのにも注目である。
ニュルンベルクトイショーの際には、この部分がカットされたものが展示されていた。
参照→tamiyablog 2011.2.3記事。
------------------------------------------------
c0000507_1272732.jpg
↑トーテンコプフ師団、ランゲマルク師団、ドイッチェランド連隊の袖章***。

-------------------------------------------------
***袖章は、袖口章、カフタイトル、アームバンドとも言い、軍装で最も呼称が分かれるモノかもしれない。
Tamiya 12641の説明書では、アームバンドの呼称が採られている。
-------------------------------------------------

c0000507_1273264.jpg
↑ダス・ライヒ師団とノルトランド師団の袖章。

c0000507_1273859.jpg
↑ドイツアフリカ軍団袖章その1。
c0000507_128952.jpg
↑ドイツアフリカ軍団袖章その2。
c0000507_1281453.jpg
↑ドイツ空軍アフリカ袖章。
c0000507_1281976.jpg
↑野戦憲兵袖章。
12625で野戦憲兵徽章が与えられながら、袖章が存在しなかったそのやきもき感はかなり解消されました。
されど、単純な赤丸のもの****ではない、野戦憲兵マーク入りのトラフィックバトンを表現する場合、
Feldgendarmerie袖章のデカールと同程度の解像度に、どうやって持っていくか、という課題は未だに積み残しの感もあります。

-------------------------------------------------------------
****Tamiya 35241のトラフィックバトンの赤丸部に対する一つの解法として、
78019デカールを用いるという方法がある→拙稿(2010.8.6)参照。
-------------------------------------------------------------

c0000507_1282569.jpg
↑略帽や規格帽の髑髏章は4つのみで稀少性が高い。

c0000507_1283098.jpg
↑野戦憲兵胸章=ゴルゲット/ゴーゲットは、実際には色々な種類があるのだけれど、
Osprey本をモケログT君に貸したままなので詳述出来ず。


--------------------------------------------------------------------------------------

設問
2011年4月に発売された、Tamiya 12641デカールには、第二次大戦初期、武装親衛隊のヘルメット右側のSSのルーン文字が描かれた盾章は含まれているものの、
左側につけられた鍵十字の盾章が含まれていなかった。この鍵十字盾章は大戦初期に見受けられるもので、後にほとんど見受けられなくなったとする文献もあるが、
大戦初期或いはそれ以前の武装親衛隊兵士を模型において表象する場合、右側のSS盾章のみでは不十分である。
この問題に対する処方箋を示せ。

回答 (tokyomonogatari, 2011)
70年代までにリリースされたTamiya社MMシリーズのドイツ軍フィギュア、或いは車輌関係のキットにおいては、
その多くにドイツ軍ヘルメットワッペンのデカールを含んでいた。また、現行のキットにおいてもその時代から販売されているキットにはそれが含まれているのは周知の事であろう。
しかしながら、そのデカールにおける描写の差異、サイズ差については、「模型慕情」の拙稿以外でそれに触れている先行研究は私の知る限りでは存在しない。
本答案ではまず、一章として、ヘルメットワッペンを含むデカールのうち、現在でも購入可能性が高いものを全て示し、
二章では、陸軍の左用、及び空軍の左用のワッペンを示す。設問ではそれが問われていないが、
陸軍、空軍の左用は、最もその描写に変化が見受けられるために、この際にそれらも合わせて示しておきたい。
三章では、ヘルメットワッペンのサイズ差を示す。
そして四章では、鍵十字盾章の描写の差異を示し、次に改めてサイズ差を示すことで、設問に対する回答としたい。

以下書き途中。
余裕のある時に書きます。




一章: Tamiya社1/35MMシリーズにおける、ドイツ軍ヘルメットワッペンデカール

(a)フィギュアキットのヘルメットワッペンデカール

c0000507_5493359.jpg
↑35002 decal
c0000507_5494049.jpg
↑35030=35038=35061=1403016 decal
35030のデカールは、突撃・機関銃・進撃の70年代ドイツ兵群像シリーズに共通して付属。
そのパーツコードから、以下では1403016 decalとする。

1403016 decal は、一枚126円。
なお、以下に示したデカールそれぞれの価格は、私が購入した時点でのものである。

c0000507_5494621.jpg
↑ヘルメットワッペンのサイズは、35002 decal>1403016 decal


(b)車輌キットのヘルメットワッペンデカール

c0000507_5495189.jpg
↑35016 decal
一枚126円。
c0000507_5495631.jpg
↑35017 decal
一枚178円。
c0000507_550225.jpg
↑35020 decal
一枚126円。
c0000507_550769.jpg
↑35023 (old) decal
一枚126円。
c0000507_5501229.jpg
↑35023 (new) decal
一枚126円。
c0000507_5501722.jpg
↑35029 decal
一枚126円。
c0000507_5502278.jpg
↑35050 decal
一枚126円。
c0000507_5502745.jpg
↑35113 decal
一枚178円。



二章: 陸軍と空軍の左側用ワッペンの描写の差異

陸軍の左側用ワッペンとは、かぶる人本人の左側頭部に位置する鷲の盾章である。
空軍の左側用ワッペンとは、かぶる人本人の左側頭部に位置する鷲章のことである。
この二つのワッペンには、それぞれのデカールごとに描写の差異或いは解像度の差異が大きい。

なお、陸軍空軍ともに、右側用ワッペンは、ドイツ三色章の盾章である。
盾章の輪郭線の形状の差異とサイズの差異はあるが、描写には大差がない。

(2-1)陸軍左側用ワッペン

c0000507_2121144.jpg
↑35002 decal left
c0000507_2121967.jpg
↑1403016 decal left
c0000507_2122826.jpg
↑35016 decal left
c0000507_2123680.jpg
↑35017 decal left
c0000507_2124569.jpg
↑35020 decal left
c0000507_2125433.jpg
↑35023 (old) decal left
c0000507_213232.jpg
↑35023 (new) decal left
c0000507_2131148.jpg
↑35029 decal left
c0000507_2132075.jpg
↑35050 decal left
c0000507_213299.jpg
↑35113 decal left




(2-2)空軍左側用ワッペン

c0000507_2142213.jpg
↑1403016 decal left
c0000507_2143259.jpg
↑35016 decal left
c0000507_2144125.jpg
↑35017 decal left
c0000507_2145024.jpg
↑35023 (old) decal left
c0000507_2145984.jpg
↑35023 (new) decal left
c0000507_215958.jpg
↑35029 decal left
c0000507_2151856.jpg
↑35050 decal left






三章: ヘルメットワッペンのサイズ差
c0000507_352420.jpg
↑35002 decal=35016 decal

c0000507_3531516.jpg
↑1403016 decal<35017 decal

1403016 decal<35017 decal<35002 decal=35016 decal

c0000507_3561553.jpg
↑35020 decal<1403016 decal

35020 decal<1403016 decal<35017 decal<35002 decal=35016 decal

c0000507_3573581.jpg
↑35023 (old) decal<35023 (new) decal

c0000507_3585920.jpg
↑35020 decal<1403016 decal<35023 (new) decal

35020 decal<1403016 decal<35023 (old) decal<35023 (new) decal<35017 decal<35002 decal=35016 decal
c0000507_42227.jpg
↑35020 decal<35029 decal<1403016 decal

35020 decal<35029 decal<1403016 decal<35023 (old) decal<35023 (new) decal<35017 decal<35002 decal=35016 decal

自分への課題→35023 oldと1403016の大小関係が怪しい。





四章: 武装親衛隊鍵十字盾章ヘルメットワッペン
by tokyomonogatari | 2011-04-23 01:31 | デカール節 | Comments(0)

小さい数字を得る場としての1/350艦船デカール

Tamiya社が、1/350日本海軍軍艦の艦載機に、その機体番号のデカールを与えたのは、
2007年の78019=伊400号潜水艦に搭載された晴嵐が初めての事例である。
それ以降に発売された、最上、三隈、利根の艦載機にも機体番号のデカールが与えられているのだが、
これらの数字は、デカールとして得られる数字の最小級のものである。

艦船デカールの1/35兵隊ミニチュアへの使用可能性について、
78019の晴嵐の白フチ無しの日の丸が、35241の野戦憲兵の交通整理バトンの赤丸部に、
サイズ的にマッチする事は既に示した*。
それ以外の使用可能性としては、戦後のソヴィエト軍戦車兵の戦車帽の額クッション部に書かれた数字、
或いは、大戦初期のドイツ軍兵士の肩章の師団を表す数字として、艦載機の機体番号が用い得る事は、敢えて指摘するまでもあるまい。

本記事ではゼロ年代以降のTamiya社艦船デカールを概観し、それに含まれる機体番号を示したい。


------------------------------------------------------------
*2010.8.6記事参照
------------------------------------------------------------


(1)78019=伊400号潜水艦のデカール、一枚262円。
c0000507_5315439.jpg
c0000507_532776.jpg



(2)78021=航空巡洋艦最上のデカール、一枚315円。
c0000507_5321391.jpg
c0000507_5321911.jpg


(3)78022=重巡洋艦三隈のデカール、一枚315円。
c0000507_5322614.jpg
c0000507_5323561.jpg

c0000507_5324161.jpg


(4)78023=重巡洋艦最上のデカール、一枚315円。
c0000507_5324821.jpg
c0000507_5325477.jpg
c0000507_533054.jpg



(5)78024=重巡洋艦利根のデカール、一枚336円。
c0000507_533637.jpg
c0000507_5331251.jpg

by tokyomonogatari | 2011-04-01 05:30 | デカール節 | Comments(0)

Tamiya社 1/48 デ・ハビランドモスキート デカール総覧

Tamiya 1/48 De Havilland Mosquito Decals

c0000507_6102246.jpg
↑Tamiya 61062-Decal

c0000507_6101735.jpg
↑Tamiya 61066-Decal

c0000507_6101085.jpg
↑Tamiya 61075-Decal

c0000507_610592.jpg
↑Tamiya 89786-Decal
by tokyomonogatari | 2011-03-10 03:10 | デカール節 | Comments(0)

茶色い狼の茶色さについて

The Brownness of The Wolf

言うまでもなく、「白い鯨の白さについて」 The Whiteness of The Whale の、
『白鯨』 第42章のタイトルを下敷きにしているとか敢えて説明するのも恥ずかしいのですが、
M4A3 CLASSY PEG号の狼は、旧版と新版のデカールで、その色が異なる、ということにはお気づきでしょうか。

c0000507_226176.jpg
↑Tamiya 35122-decal
c0000507_226758.jpg
↑Tamiya 35250-decal
c0000507_2261286.jpg

by tokyomonogatari | 2011-02-06 22:15 | デカール節 | Comments(0)

1/35MMドイツ軍オートバイデカールの差異について

Tamiya社のドイツ軍用オートバイのライセンスプレート部デカールは、
「数字のみのモノ」と、「白下地の上に数字が印刷されたモノ」に大別される。

前者は切り貼りして任意の数字にするのが容易であるが、数字のサイズの差異が見受けられ、
後者には白下地の白さに差異がある点には注意が必要であろう。

本稿ではドイツ軍用オートバイデカールを全て眺めた上で、その差を示したい。

===========================================

(1)35016-decal
c0000507_8584459.jpg
c0000507_8584861.jpg
c0000507_8585341.jpg



----------------------------------

(2)35017-decal
c0000507_8585974.jpg
c0000507_859389.jpg



------------------------------------


(3)35023-decal (old)
c0000507_859889.jpg


--------------------------------------


(4)35023-decal (new)
c0000507_8591394.jpg



----------------------------------------

(5)89548-decal

c0000507_8592176.jpg



------------------------------------------

(6)35241-decal

c0000507_8592619.jpg





----------------------------------------------

(7)35252-decal
c0000507_8593113.jpg
c0000507_8593624.jpg


------------------------------------------------

(8)35283-decal
c0000507_8594117.jpg
c0000507_8594644.jpg


-------------------------------------------------

(9)35286-decal

c0000507_8595246.jpg
c0000507_8595830.jpg


---------------------------------------------------

・88mm砲付属のツェンダップ用デカールの新旧
c0000507_90559.jpg
↑35017の88mm砲デカールは、ヘルメットワッペンに国防軍、空軍、SSを印刷する一方で、
ツェンダップオートバイのライセンスプレートは国防軍一択であった。
35283ではフィギュアが空軍式軍装であり、デカールに空軍襟章が印刷されていて、空軍傾斜である。
ツェンダップオートバイのライセンスプレートは空軍一択であるが、
白下地が印刷されているものと、されていないものが同時に印刷されている点に注目である。
上述のように、白下地が印刷されていないものには、切り貼りして好みの数字にしやすく、
白の色調をコントロール出来るという利点がある。
なお、35283-decalのライセンスプレートの文字は、ドイツ軍オートバイ用デカールにおいて最大である。



・BMWおよびツェンダップ用ライセンスプレートの文字のサイズ差
c0000507_901051.jpg
↑35016=35023l(old & new)<35017 であるが、
35016と35023(old)に比して、35023(new)の文字の印刷はシャープでやや細めである。

∴BMWおよびツェンダップ用のデカールにおいては、
35016=35023<35017<35283
文字の大きさのみならず、文字自体の太さも含めて、より厳密に言えば、
35023(new)<35023(old)=35016<35017<35283
である。




・白下地の白さについて
c0000507_901719.jpg
↑89548と35241はグレーがかっているが、35252、35283、35286は白い。
by tokyomonogatari | 2011-02-02 09:00 | デカール節 | Comments(0)

汎用性が高い白フチ付き赤い数字デカール不在問題への処方箋

「Ⅳ突兄さん」と「ラング兄さん」が微妙に違うという事実に気付いた時には驚嘆した。
過去記事でそれについて書いたところ、モリナガ先生に「歴史的発見」と過大に評価されたのである。

私がⅣ突兄さんとラング兄さんが完全に同じものであると思いこんでいたのは、
モリナガ先生の、「巻頭マンガ 思い出の人形たちあれこれ」
(初出 『アーマーモデリング』1998年6月号(Vol.9)p.3)の、
「同じくヒキが強すぎるⅣ突&ラングの兄さん。何に乗せても・・・・・・」の記述による部分が大きく、
&は等号とこの場合同義であると思い込み、模型店で中身を見ても気づかずにいたのである。
加えて、Ⅳ突とラングのデカールは共通であることが、
フィギュアも完全に共通であろうという思い込みを確信に近いものにさせていたのであった。

ところで、Tamiya社の「ドイツ車輌デカールセット」の現行商品はBとEのみであり、
白フチ付きの赤い数字が並んだものが現在、別売りデカールにおいて存在しないのである。
ドイツ軍車輌に広く見受けられる同様の数字を如何にして極力安価に得るか、という問題に対して、
デカール価格最安値である126円に限定して私的処方箋を先日の記事にて提示した。

今回は、Ⅳ突/ラング(35087/35088)のデカール、一枚178円を示したい。
数字が0~4に限定されているとは言うものの、35054のデカールに比してやや印刷が精細な印象である。

c0000507_17543382.jpg
c0000507_17543914.jpg
↑サイズ的にもフォント的にも、ほぼ35020=35087/35088である。
c0000507_17544571.jpg

by tokyomonogatari | 2011-02-01 18:30 | デカール節 | Comments(0)

Tamiya 35029デカールの新旧

Tamiya社ミリタリーミニチュアシリーズのデカール台紙は、
白台紙時代→緑系水色台紙時代→青系水色台紙時代という流れである。

白台紙時代は車輌番号の白い数字や、赤い数字のフチの白さなどが見えづらく、
白い漢字や数字の並ぶ九七式中戦車のデカールのニス部分を切り出すのは修行に等しい行為であった。
"水色時代"に移行してからは、白印刷部とニス部の境界が明瞭になったのであるが、
この新時代への移行が広く行われたのは、ゼロ年代初頭のことである。

ヘルメットワッペンデカール史が最近の関心領域であり、過去に拙稿を幾つか書いてきたが、
今回示すのはTamiya 35029の新旧のデカール。
先日示した35023では、旧版と新版でヘルメットワッペンの描写自体が異なっていたのに対し、
35029では、印刷の線がシャープになりつつも、描写自体は同じものである点に注目である。
c0000507_1522826.jpg
↑旧版。
c0000507_15221332.jpg
↑新版。
c0000507_15221767.jpg
c0000507_15222236.jpg
c0000507_15222780.jpg
c0000507_15223242.jpg
c0000507_1522375.jpg
c0000507_15224183.jpg
c0000507_15224633.jpg
c0000507_15225185.jpg

by tokyomonogatari | 2011-02-01 18:26 | デカール節 | Comments(0)

Tamiya 35023デカールの新旧と表象忌避のポリティクス

第二次大戦初期のドイツ兵を作るにあたって、そこに越えねばならぬ障壁が存在する。
それは、ヘルメットワッペンをどう描くか、ということなのである。

かつてタミヤ社のフィギュアキットには、ドイツ兵ヘルメットワッペンデカールが同梱され、
車輌やバイクのキットにも乗員フィギュア用のヘルメットワッペンデカールが含まれており、
Esci社も同様にヘルメットワッペンデカールを同梱していたのは、70年代のこと。
今日も、タミヤ社の70年代のキットにはヘルメットワッペンデカールが含まれているのは、周知の事であろう。

模型史家がAFV冬の時代と呼ぶ80年代に、ヘルメットワッペンデカールを同梱するという"文化"が、一度断絶したのではあるまいか。
90年代初頭以降に登場したDragon社のドイツ兵にヘルメットワッペンが同梱された初の事例は、ゼロ年代のGen.2に入ってから*であるし、
タミヤ社の1/35ヘルメットワッペンが久しぶりにモデラーの眼前に現れるまでには、
1/16フィギュアに国防軍ヘルメットワッペンを入れるという助走**を要したように見受けられる。
そして、Tamiya 12625による2008年革命、に至るのである。

私は、ヘルメットワッペンデカール史を、Tamiya 12625以前/以降と分類しても良いと思える程に、
12625は町の普通の模型屋さんでもヘルメットワッペンデカールが購入可能な状況にしたという意味において、
時代を画す革命的なものであった、と思うのだが、
1/35ドイツ軍ヘルメットは、体躯差と同様に、サイズの差がメーカーの間、そしてメーカーの内部にも存在しており、
サイズ的に適合するもの、適合しないもの、が出てきてしまうのである。
Tamiya 12625は、デカール史において画期的ではあったが、1/35ヘルメットへの実用面においては、
サイズが一択故に、全てのヘルメットに対して決定的・支配的たり得ないのだ。

しかし、タミヤ社のヘルメットワッペン"を含む"デカールにはサイズの大小があり、
それをつかめばヘルメットのサイズの揺らぎにある程度対応可能である。


---------------------------------------------------------------
<注>
*Dragon社ドイツ兵フィギュアへのヘルメットワッペンの初出事例は、6276であると推断して、
このように書いていますが、反例があればご教示をお願いします。

**国家鷲章ワッペンが"自主規制線"の外側にある点にも留意。"自主規制線"については後述。


c0000507_1591442.jpg
↑左の最小のものが、Tamiya 12625、そこから時計回りに、35016、35017、35020。
ヘルメットワッペンのサイズは、
12625<35020<35017<35016
c0000507_1593540.jpg
↑左の最大のものが、Tamiya 35050、そこから時計回りに、、35017、35023、35020。
35020<35023<35017<35050

12625<35020であり、35050=35016である。
∴Tamiya 12625<35020<35023<35017<35016=35050

------------------------------------------------------------------------------

タミヤ社のヘルメットワッペンデカールの中で、最も緻密な描写がなされているのは、
Tamiya 35023の2010年新版デカールである。

Tamiya 35023のデカールには、旧版と新版が存在し、2010年のスポット再販時の新版デカールは、
旧版とは比較にならないほどに描写が冴えている。

c0000507_192496.jpg
↑35023旧版。
c0000507_192972.jpg
↑35023新版。
c0000507_193545.jpg
↑文字もマークも新版(左)の方がシャープである。
c0000507_194277.jpg
↑旧版。
c0000507_194892.jpg
↑新版。
c0000507_195413.jpg
↑旧版。
c0000507_110030.jpg
↑新版。
c0000507_110587.jpg
↑旧版。
c0000507_1102250.jpg
↑新版。
c0000507_1102715.jpg
↑旧版。
c0000507_1103338.jpg
↑新版。
c0000507_1103868.jpg
↑旧版。
c0000507_1104320.jpg
↑新版。ただし白地が抜けている点に注意。

---------------------------------------------------------------------------------
SS/スワスティカ描写の自主規制
「自主規制配置」と「自主規制線」について

c0000507_1105125.jpg
↑Tamiya 35195。
SSナンバーを外側に配置して、規制カットに対応しているものだと思われる。
これを私は「自主規制配置」と呼称している。

c0000507_1105827.jpg
↑Tamiya 35297。
アフリカ軍団のヤシとスワスティカを外側に配置、線が印刷されている。
これを私は「自主規制線」と呼称している。

c0000507_111362.jpg
↑Tamiya 35252。
SSナンバーと師団章を外側に配置、「自主規制線」が印刷されている。
DKW NZ350オートバイのナンバープレート用デカールのうち、唯一SSナンバーが含まれているデカールである。

c0000507_111922.jpg
↑切除による規制に難がある配置の例。
Tamiya 35016。
by tokyomonogatari | 2011-01-26 01:11 | デカール節 | Comments(0)

白フチありの赤い数字でかつ126円であること

白フチありの赤い数字は、ドイツ軍の車輌番号として広く見受けられるものであるが、
そのデカールを安価に、しかも数字を大量に含むものを得ようとした時に、
私見の最有力候補が"ハノマーク・マーク"つまりはハノマークのデカール*であった。
ハノマーク・マークは一枚126円。タミヤ社のカスタマーサーヴィスで購入したときに、
1/35ミリタリーミニチュアシリーズのデカールの経験の範囲内での最安値がこの126円であり、
70年代MM黄金期のキットのデカールは、現在もこの価格であることが割と多く感ぜられ、
ミリタリーミニチュアのみならず、昔のキットのデカールは、クルマやバイクでカルトグラフ化されているものを除き、
今日的キットのデカールに比して、安価に設定されているというある種の歴史的経路依存性をそこに垣間見ることが出来るのである。

先日のことである、もはや手に入らないであろうと思っていた旧車体のⅣ号H型のデカールが注文可能であると聞き及び、
早速注文、購入してみたところ、白台紙のモノ**が確かに届き、価格は126円。
白フチありの赤い数字を大量に含み、しかもハノマーク・マークよりもやや小さめなのである。
1/35ドイツ軍車輌の白フチありの赤い文字マークは、大小緩急つけられたこの二枚である程度はクリアー出来るのではないだろうか。

*なお、ハノマーク・マークにも含まれるドイツ軍ヘルメットワッペンのサイズは、
Tamiya 12625<35020<35023<35017<35016=35050である。
過去記事の(2)章を参照。

**ミリタリーミニチュアシリーズのデカール台紙の大まかな歴史的変遷は、
白色台紙→緑系水色台紙→青系水色台紙である。


c0000507_1304371.jpg
c0000507_261098.jpg

c0000507_1304842.jpg
↑ハノマーク・マークのものとは字体が若干異なりつつ、旧Ⅳ号H型マークの数字は小さめである。

=================================

私の最近の関心領域は、Darius Miniaturesの車輌カット系ヴィネットベースにデカールが付属していない問題を、
どうエレガントに解決するか、という事なのである。
該当する戦車キットのデカールを得る、というのが最も単純な解決策であることに違いないのであるが、
そのデカールに含まれている車輌の範囲に限定されることなく、想像的飛躍を時に敢えて行いたいものである。
さしあたって、なるべく安価に車輌番号ぐらいは得ておきたいのである。

c0000507_0464078.jpg
↑Tamiya 35020-decal
ヘルメットワッペンが含まれている点にも注目。Tamiya社のヘルメットワッペンのサイズは、12625<35020<35023<35017<35016=35050である。
2010.7.24記事を参照。
c0000507_0464594.jpg
↑Tamiya 35054-decal
白地台紙時代のものなので、白い師団マークが見えづらいのであるが、この旧Ⅳ号H型のデカールには、
第2戦車師団、第3戦車師団、第11戦車師団、第116戦車師団、グロスドイッチュランド師団、
第1SS戦車師団、第2SS戦車師団、第3SS戦車師団、第9SS戦車師団の師団マークが含まれており、
結構お得なのである。
c0000507_0465062.jpg
↑Tamiya 35059-decal
c0000507_0465598.jpg
↑Tamiya 35072-decal
c0000507_047110.jpg
Tamiya 35093-decal
c0000507_0532691.jpg

by tokyomonogatari | 2011-01-18 01:41 | デカール節 | Comments(0)