カテゴリ:人形小史( 8 )

1/35MMフィギュア・テーマ別小史索引

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by tokyomonogatari | 2012-03-29 10:40 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(1)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

(1)ドイツ軍フィギュア小史

パンツァーヤッケをまとったドイツ軍兵士小史

MM史はパンツァーヤッケをまとったドイツ国防軍と武装親衛隊の戦車兵=35001(1968.9)から始まります。
箱絵*に描かれた武装親衛隊戦車兵座像の袖章はダス・ライヒ師団のものですが、
それがデカールとして12641で与えられるまでには、40年の月日を必要としたのです。
35011(1971.9)では双眼鏡を両手でつかむ戦車兵が登場し、35014(1972.3)の箱絵ではメガネ男子化された彼が登場。
35019(1973.3)では35011初出の戦車兵がひとり追加される形で35001がリニューアルされました。
35036(1974.3)ではタイヤ付装甲車両のクルーが初めてパンツァーヤッケをまとって登場。
35051-(1975.4)ではモリナガ・ヨウ氏に「知的フィギュア」と評された座像が登場。
35054(1975.5)、35056(1975.3)、35057(1975.6)、35058(1975.8)、35065(1975.8),
35069(1975.9)の戦車兵にもパンツァーヤッケが与えられました。
イタリア戦線らしいシャツスタイルのブルムベア=35077-C(1976.1)の突撃砲兵、防寒アノラックを着たヴィルベルヴィント(1976.7)の戦車兵、
Ⅳ突とラングで微妙に腕の角度が異なる前屈み兄さん=35087-C(1976.6)、35088-C(1976.7)のM44迷彩服と、パンツァーヤッケ不在の2年間を経て、
35096-B(1977.7)、35096-D(1977.7)では全てのクルーがパンツァーベレーとパンツァーヤッケでお揃いです。
35115-C(1980.3)は、将校帽とM43野戦帽の選択が可能。
双眼鏡をのぞくパンツァーヤッケを着たドイツ国防軍兵士として貴重な存在。
35146-C(1989.12)もまた、将校帽とM43野戦帽の選択が可能なのですが、ヘッドギア選択式ではなく、
ヘッドそれ自体を選択してヘッドギアを選択するスタイル。彼は、35194-C(1995.8)=35202-C(1996.3)としても登場しています。
35169-D(1993.10)は片腕乗り出し戦車兵史上最高峰のひとつ。
35176-Z(1994.6)は汎用性の高い武装親衛隊戦車兵として、フィギュアモデラーならばひとつは常備しておかねばならない傑作。
彼らがまとっているのは武装親衛隊式パンツァーヤッケであって、国防軍式のそれよりも襟が小さく、袷が垂直に下っており、
ズボンのフラップも単純な長方形の武装親衛隊スタイルで仕立てられていますし、将校帽も略帽の徽章も武装親衛隊式で、
略帽は武装親衛隊式に直線的に下るデザインで造形されており、
89697(2006.12)的な解釈で国防軍戦車兵として用いるのには、本来は難があるということは、フィギュアモデラーには周知のことでございましょう。
35181-B(1994.11)の戦車兵は35209-B(1996.9)の戦車兵としても含まれています。
35197-D(1995.11)は、パンツァーヤッケをまとったMM戦車兵史上最もほのぼのとした物語が与えられているふたりで、フィギュアモデラー必携。
35200-D(1996.2)は、パンツァーヤッケを着た兵士史上最も着古している感のあるハードボイルドな造形ぶりで必携。
彼のヘッドは冬季の兵士への移植用としても重宝。
35201(1996.4)は現行品のドイツ軍戦車兵セットとして唯一の存在でストック必須。
徽章類をそれらしく塗るだけでは国防軍のパンツァーヤッケと武装親衛隊のパンツァーヤッケの形状的違いはクリアー出来ないことに注意。
A・B・C・Fが国防軍パンツァーヤッケをまとった兵士であり、D・Eは武装親衛隊パンツァーヤッケをまとった兵士なのです。
35203-D&E(1996.5)はシワの造形が好印象。
35215-D(1997.4)は、キューポラに収まりハッチに両手をつくポオズとして汎用性に富んでいます。
35216-E(1997.6)はヒゲダンス戦車兵として有名。
35237-E(1999.7)は対空警戒をする戦車兵として重宝する存在。ファレーズポケットの国防軍戦車兵として彼以上の役者は存在しません。
35246-J(2000.12)は模型店において滅多に箱を開ける機会のないアイテムで見落とされがちな印象ですが、
パンツァーヤッケを着た国防軍戦車兵座像として彼以上に汎用性の高い存在もないと思います。
フィギュアモデラーは確実に押さえておくべきMMフィギュアです。
35246-M(2000.12)も、それを用いた作品を中々見ない存在。
35248-C(2001.3)は、パンツァーヤッケを着たMM兵士のうち、最も戦闘的身振りが与えられているため、
車外戦闘のフィギュアとして小改造されているものを時々お見受けいたしますが、
そろそろMMキットとしてDragon 6129と双壁をなす車外戦闘中のMMフィギュアも見たいところ。
35252-X&Z(2002.2)の武装親衛隊戦車兵座像は、35176-Zの防寒ズボンの座像よりも小ぶりで汎用性の高いフィギュア。
国防軍戦車兵座像として用いるならば、キチンとパンツァーヤッケのデザインを改めたいところ。
35255-G(2002.9)は、素直に立つパンツァーヤッケをまとった兵士として久しぶりに出たフィギュア。
35281-D(2005.12)は、いかにも本馬幸雄氏らしい造形で真面目な線にまとめられているフィギュアです。
35285-C(2007.7)は、素直な立ちポーズで嬉しいのですが、私的なプリファレンスは35255-G>35285-Gです。
35287-E(2007.11)は、やはり本馬氏らしい真面目な造形なのです。
35292=35299-B&C(2008.7, 2009.4)は、前傾して両手でハッチをついた戦車兵として汎用性が高いボディなのですけれど、ヘッドが他のスプルーに存在している点に注意です。

89621(2003)は、1/16→1/35化シリーズの第一作ですが、ドイツ国防軍戦車兵として抜きん出て良く出来た立像です。
彼は、25112-Z(2010.12)でベレー帽ヘッド部分が彫り足されています。

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(註)
*大西将美画伯による箱絵の原画は『パンツァーグラフ』2008年春号(Vol.12)P.1を参照。
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革ジャケットをまとったドイツ軍兵士史

35164-Cでキングタイガー・ヘンシェル砲塔の戦車長がMM史上初めて革ジャケットを身にまといました。
彼のみに着用が許される、特権的衣装として革ジャケットは長らく存在して来ましたが、
35252-W&Zで再度キングタイガー・ヘンシェル砲塔の戦車長に革ジャケットが与えられ、
同時にオートバイ伝令に革ジャケットが与えられたことをもって、戦車長のみが着用することが許される特権的衣装の位置を、革ジャケットは降りたのでした。

そして、35253ではアルデンヌ戦線の武装親衛隊戦車長が革ジャケットをまといました。
35252-W&Zのオートバイ兵を、半分地上に降りた存在とするならば、
ようやく革ジャケットをまとった兵士が地上に降りたのが、35253だったのです。

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ドイツアフリカ軍団兵士小史

1971年5月の35008が、MMシリーズにおけるDAKフィギュアの祖です。
同年6月には、35009として、35008を同梱した上で、初のDAK戦車兵フィギュアとして登場した、35009-figure が登場。
アフリカコープスかアフリカコーアかの発音・表記問題という興味深い事例ををMM史に刻んだのは、
1974年5月の35037です。
MM史において、最も年間のリリース数が多かった年は、1975年であり、その数は28。
7月に発売された35062-Aは、2003年9月発売の35268-Aとして未だに現役。
造形的には70年代のフレイヴァ―が漂っているものの、そのポオズは今日でも珠玉。
同年10月の35074の"トッセトンテ"は半ズボンを履いて座るドイツ兵下半身として貴重でした。
1979年9月、MM黄金期と称される70年代のドイツ軍キットとして最後に発売された、35113-Zは、
同時に70年代最後のドイツ兵フィギュアの位置を占めます。
冬の80年代、ドイツアフリカ軍団のフィギュアは、35118(1980.9)のロンメル元帥のみですが、
このロンメル元帥は基本的に35113と同じもの。
結局、80年代にはドイツアフリカ軍団兵士フィギュアの完全新規のリリースは皆無でした。
35227-G(1998.5)は、35009以来27年ぶりのドイツアフリカ軍団戦車兵であるのみならず、久しぶりのドイツアフリカ軍団兵士でした。
35238-C(1999.9)は、半ズボンを履いた直立像として35009以来28年ぶりのリリース。
なお、35238-Cの胴体は35305-X&Y(2009.12)として後に流用されています。
ゼロ年代のMMシリーズには、ヴィネット向けリメイク(Vignettization)と同時にアフリカ化(Africanization)の傾向がありました。
アフリカ軍団フィギュアの黄金期、或いは"本馬氏の時代"であると捉えても良いと思います。
88mm砲のアフリカ戦線版リメイクのフィギュア、35283-Z(2006.7)、
Sd.Kfz.222のアフリカ戦線版リメイクの35286-X(2007.9)、Ⅲ号戦車N型の戦車長、35290-F(2008.3)、
8輪装甲車の35297-V&Wと、本馬幸雄氏原型と推断されるアフリカ軍団兵士が続いたのでした。
しかしながら、ゼロ年代末の、35304-Zは、明らかに東欧系の造形と成型ぶりで登場。
小火器・装備品スプルーYにアフリカ軍団帽、トロピカルヘルメット、ヘルマンマイヤー帽などの、
熱帯地向けヘッドギアを含んでいないことから、"Yによる身体規制"を受けにくい兵士達がドイツアフリカ軍団です。
その点において、35304-Zでは全ての兵士にYαヘルメットが与えられていたことは、東欧的造形の防暑ヘッドギアを得る機会を逸したという意味においては少々残念に捉える事もできましょう。
空軍防暑帽=ヘルマン・マイヤー帽が初めて与えられ、降下猟兵ヘルメットが35012以来38年ぶりに登場しました。
35305-X&Y(2009.12)は、本馬氏でも東欧系の造形でもなく、そのヘッドの造形からすれば、日本人I氏の造形であると推測されます。

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防寒アノラックを着たドイツ軍兵士小史

MM史上最多リリース、28アイテムを記録した年、1975年はコートスタイルのソヴィエト軍戦車兵35049-D(1975.1)が先陣を切り、
それに対抗するように35050-Z(1975.3)にも冬季被服が与えられ、防寒アノラックを着たドイツ兵の最初の事例となった。
35085-B(1976.7)では35050-Zのうち4人が再登場。ただし砲塔の中に居るためか、フードをかぶった兵士が不在である。35094(1977.2)として35050-Zは独立リリースされた。
MM冬の時代と称される80年代、防寒アノラックを着た兵士は供給されず、35176-Z(1994.6)の武装親衛隊戦車兵座像のズボンとして17年ぶりに防寒アノラックが登場。
35209-G&H(1996.9)では初めてキューポラに収まった戦車兵に防寒アノラックが与えられ、
35212(1996.12)では過半数の人物が防寒アノラックを着て、35233-Gでは35050-Z初出の防寒アノラックの男達が再登場した。
MMにおいて、服飾的な冬の時代は、やや遅れて90年代に到来したのである。
35256(2002.11)は、リバーシブルの防寒アノラックに似ているものの、リバーシブルでない白色スモックが与えられた唯一の事例。
リリース史としては最新の1/35防寒アノラックを着たドイツ兵フィギュアは、89---品番=限定商品の、
89629(2004)の彼であり、
彼は防寒服を着ながらにして防暑服スタイルのロンメル元帥と同居したのである。

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すたすた歩くドイツ軍兵士小史

(1)1969年7月 35002のM36/40野戦服を着てブーツを履いて歩いた彼がMM史上初の歩くドイツ兵として登場。
(2)1972年6月 35016でBMWサイドカーの傍を歩くオーバーコートのふたりが登場。オーバーコートを着て歩くドイツ兵は、今日でもMMシリーズ唯一の存在である。
1952年生まれの楽八氏は、35016を、
「厳しい冬将軍の凍えるような寒さや敗走する兵士の絶望感といったものを見事に演じ切り見る者に感動を与えたMMシリーズの中でもアカデミー賞クラスの名フィギュア」*と評している。
(3)1973年8月 35029でケッテンクラートの傍を歩くM36/40野戦服×レギンススタイルのふたりが登場。
(4)1974年5月 35037でドイツアフリカ軍団歩兵に初めて歩きポオズが与えられる。
(5)1994年12月 35184で20年ぶりに歩くドイツ兵が登場。箱の中の兵士像全てが歩いたのも初の事で、M43野戦服×レギンススタイルの兵士に歩きポオズが与えられたのも初めてであった。
後の35204がアクセサリーとして与えられ、新規独立小火器・装備品ランナーによる"95年体制"**に至る端緒でもある。
(6)2003年 1/16→1/35三部作***の一作目として、89621で歩く機関銃手が登場。ただし限定白箱である。
(7)2011年7月 35320で乗馬ズボンを履いた将校的身なりのドイツ兵がMMシリーズ43年目にして、初めて歩いた。

繰り返しになるが、将校的身なり=将校用バックルに乗馬ズボンが与えられて歩くドイツ兵が、
Tamiya社のMMシリーズに登場するというのは初めての事であり、彼の登場まではMMシリーズ43年間****の長きに渡って、
将校には指差しか静観か双眼鏡持ちかの静的なポーズが与えられ続けてきたのである。

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(註)
*『パンツァーグラフ!』 12号(2008.春号) p.3
**Yパーツとして独立して与えられる形式の、フィギュアキットでの小火器・装備品付与のシステム。
ドイツ軍のY二種、アメリカ軍のY一種が揃った年が95年であることから、私は「95年体制」と呼称。
***896218962989641のこと。
****M36スタイルのドイツ軍将校のMMシリーズでの初登場は、
35003(1970.5)であるから、同様の服装のフィギュアのみを議論の対象にするならば、41年間とすべきである。
ここでは、MM史上初であったことを重視して、43年間としている。
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ドイツ軍降下猟兵小史

MMで降下猟兵は2キットのみ。
35012(1971.9)で注目しておきたいのは、手と拳銃が一体成型されたMM初の事例であることと、
ひとり含まれているジャンプする前のパラシュートベルトを締めたスタイルの降下猟兵はインジェクションフィギュア唯一の存在であることです。
また、35012は35014(1972.3)のフィギュアとしても登場していますが、その箱絵の突撃砲兵=後に35019の一人となる彼には眼鏡が描かれており、
35014は初めてメガネ男子がパッケージに登場した事例でもあったことも押さえておきたいところです。

40年弱の降下猟兵不在の時代が長く続き、35304-Z(2009.12)で久しぶりに登場しましたが、
その降下猟兵はジャンプスーツではなく、防暑服スタイルなのでした。

タミヤのミリタリーミニチュア史を振り返れば、二例のみの降下猟兵なのですが、
Dragon社からは戦線を跨いで数多の降下猟兵が出ているのは周知のことでございましょう。

そろそろヨーロッパ戦線のジャンプスーツスタイルの降下猟兵がMMシリーズからリリースされて欲しいと思わずにはいられません。

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by tokyomonogatari | 2012-03-28 23:40 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(2)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

(2)日本人フィギュア小史

日本人フィギュア小史

35075-Cの九七式中戦車の戦車兵で初めて日本人フィギュアがMMシリーズに登場、
35090は未だにMM唯一の日本陸軍歩兵フィギュア。
35095-Cのふたりは、顔の造形の凛々しさを極めている35075-Cに比して若年でかつ柔和な印象です。
1975年から1977年にかけて、一年一作のペースで1/35日本軍フィギュアがリリースされたMM史は約40年の長きに渡り、
日本軍の援軍を待ち焦がれさせられる状況にあります。
なお、日本軍フィギュアの軍装で注意しなければならないのは、35075-Cでは作業衣袴スタイル、
35090では防暑略衣と防暑襦袢の南方スタイル、35095-Cでは作業衣袴スタイルであって、
この記事を書いている時点で未だにスタンダードな九八式軍衣を着た日本兵が不在であることです。
昭五式、九八式、三式の"通常の"軍衣をまとった日本兵フィギュアの不在は、
MMフィギュアにおいて補われるべき欠缺であると私は思います。

35114-Bで車外に立つポオズを与えられた74式戦車の陸上自衛隊戦車搭乗員全身像は、35168-Cで新規に敬礼する右腕が与えられ、
その立ち位置を車外から車内に変更されました。
史実とは逆に、撃破されたCLASSY PEG号の横を悠々と通る35137=九七式中戦車改においては、
そのパッケージアートの凛々しさと引き換えにフィギュア不在の哀しさを噛みしめさせられました。
35163-はMM日本人フィギュア史上最も余裕のある顔立ちで登場。
35168-Dでは日本人フィギュアとしては初めて冬装備が与えられ、35168-Cでは35114-Bへの差し替え用の腕が与えられました。
35208-Bでは汎用性の高い陸上自衛隊戦車搭乗員のペアが登場。他の自衛隊車輌のキューポラにも彼らを良く見かけるようになりました。
89---として90式戦車の上下で砲弾搭載を行う陸上自衛隊員が登場し、
35260-ではそれに加えてしゃがんだ自衛隊員も砲弾搭載の任に当たりました。
35245は現用モノとして初めてのバイク搭乗員のリリースでもありました。
35275-Bでは軽装甲機動車のドライバーが登場、Dでは透明成型のゴーグルが5つ与えられていることにも注目であり、
無論これは35276に用いるためのゴーグルの授与であることは自明です。

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(3)アメリカ軍フィギュア小史

第二次大戦期のアメリカ兵フィギュア小史

ドイツ軍MMフィギュア史が35001の戦車兵で始まるのと同様に、アメリカ軍MMフィギュア史も戦車兵=35004(1970.1)から始まります。
歩兵として初のリリースである35013には、手榴弾を投擲するアメリカ兵として今日でも稀有な身振りが与えられており、
35015(1972.5)は車両のみならずフィギュアにもデカールが与えられたアメリカ軍初の事例として記憶しておくべき存在です。
35039-Aは直立してキューポラに収まる戦車兵全身像が多数派を占める中にあっては珍しく、身体を曲げている点に注目。
35042-A(1974.7)ではMMシリーズ初の戦車兵半身像が登場、35043(1974.6)の立像は今日でも良い造形の立像として語られる事が多く、
35048(1974.12)のトンプソンを腰だめで撃つ彼はアメリカ軍フィギュア史上最もアグレッシヴで、タンカースジャケット着て歩く彼のクールさは卓抜。
35070-figure(1975-9)は後に35080(1976.4)として独立リリースされていますが、そのヘルメットの形状は、
ウラソフ氏によれば「最近の各社のどのキットよりも実物に近い再現度」とする方もいらっしゃるとのことです*。
35081の運転手は振りむくアメリカ軍ドライバーとして稀有な存在であることに注目で、
35083-Z(1976.8)の迫撃砲の三人は35086(1976.6)の三人を異動したもの。
35084(1976,6)はMP腕章のデカールを手に入れられる点でもありがたい存在。
なお、パッケージ及びインストラクションに記載されていた「軍用ハーレー」は、「軍用オートバイ」に途中から変更されています。
35097-C(1977.4)が稀有であるのは、キューポラに収まっていないアメリカ軍戦車兵であるということと、右目ではなく左目で照準を合わせているフィギュアであるという点。
35110-C(1979.5)は平田英明氏がタモリ氏に改造していたのが物凄く印象的なフィギュア。
35118(1980.8)ではパットン、アイゼンハワー、マッカーサーと過半数以上がアメリカ人を占め、マッカーサーにはMMのアメリカ軍人史上唯一喫煙が許されています**。
35121(1981.9)には未だにそれを携行する兵士がMMフィギュアに登場していないアイテム、無反動砲が含まれていることに注目。
35122-B(1981.11)==35139=35190=35250=35251-Bの戦車兵全身像と半身像は、半身像のヘッドの造形は中々秀逸で、同時代のフィギュアの中で抜きんでいる存在だと思います。
10年以上の空白期間を経て、久々に登場した第二次大戦アメリカ兵フィギュアは、モリナガ・ヨウ氏に「ニヤーリとした顔」と評された35190-D(1995.5)と35190-F(1995.5)の戦車兵全身像と半身像。
彼らは35122-Bの防寒靴スタイルのアルデンヌ感とは対照的に、ノルマンディー感に溢れた夏の装いであることに注目したい一方で、35190のリターンローラーは跳ね上がった後期型であることが玉に瑕。
35190-Dは、同じボディでありながら表情の異なる89537も存在している事は教養としてフィギュアモデラーは押さえておきましょう。
35192(1995.6)は久しぶりの米兵群像もの。90年代半ば以降の汎用小火器スプルー独立体制=「95年体制」にアメリカ軍も突入したという点からも記憶しておくべきキット。
35218-D(1997.8)はその口角の上がり方で、MM史上最もキュートな笑顔をたたえたアメリカ兵座像。
2ヵ月後に登場した35219-B(1997.10)は、35218-Dの「戦友」として、人形改造作品も強く印象付けられています****。
35228-B(1998.7)ではMM史上初めてアメリカ兵が双眼鏡を通じて向こうを眺めました。
35230-A&R(1998.12)ではMM史上初めて読書するポオズがフィギュアに与えられたことには大注目なのです。
与えられた雑誌YANK誌は、キットのものだとモノクロにとどまっているために、キチンとカラーの物を自作して読ませてあげたいところ。
35234-F(1999.3)では35228では不在であった運転手が登場。
35244-Aは35230-A&RからAが独立したもの。
35244-S(2000.7)では、タバコをつまむポオズが与えられながら、タバコそれ自体は描かれないというMMの伝統を踏襲。
35250-V&Wはアルデンヌ戦のアメリカ兵としてMMらしい汎用性の高さでまとまっており、
35250-X(2001.10)では汎用性の高いタンカースジャケットをまとい双眼鏡を除く半身像が登場。
しかし彼はマフラーを巻いており、冬季の戦場にその舞台を限定されます。
35251-W&Z(2001.11)は35250-V&Wのランナーチェンジ版。ふたりを共有し、コートスタイルの彼のポオズを左右で打ち分け。
35254-F&G(2002.6)では、35250-Xの相方が登場。
ここで一応教養として押さえておきたいのは、35190-E及び35190-F以降、アメリカ軍戦車兵は戦車帽をかぶっていないという点で、
MMの第二次大戦期アメリカ軍戦車兵にはゼロ年代以降、戦車帽は与えられず、1/16RC戦車のフィギュアにおいても与えられたのはM1スチールヘルメットだったのですけれども、
久しぶりにアメリカ軍戦車帽が登場したのは、35323-C(2011.12)=イスラエル軍戦車兵半身像のヘッドとしてだったのです。
35312-A(2010.12)はアメリカ兵史上、最も切ない様相を呈したスプルーとして記憶されるべき存在です。
35230-A&Rとして初出、35244-AではAが独立し、35312-Aでは不要部品の"摘み取り”が行われています。
苛烈を極めた摘み取りが行われていてもなお感動的なのは、説明図には描かれていないものの、
腕組みした腕パーツのオルタナティヴとして、読書ポオズの腕が残されていたことなのです。
それは、MM史上最も読書の自由を享受しているアメリカ兵に似つかわしい配慮と申せましょう。

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(註)
*『パンツァーグラフ!』12号(2008年春号) P.28
**35135-Eではタバコのデカールと、パーツが用意されているものの、喫煙するフィギュアは含まれておらず、
352-ではタバコをつまむ手付きがM1943を着た立像に与えられながら、タバコ一本それ自体はどこにも表れていない。
MM史におけるタバコ描写については、「喫煙小史」を参照。
*** 『Armour Modelling』 2010.2 (Vol.124)、『モリナガ・ヨウのプラモ迷宮日記』(大日本絵画、2011) P.39所収
****U氏の"Fellow Soldier" (人形改造コンテストジュニア賞受賞作品)によって、35218-と35219-は戦友の絆が鮮やかに印象付けられている。
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(4)イギリス軍フィギュア小史

第二次大戦期のイギリス軍戦車兵小史

思い返してみると、35300-Eの"マチルダ・トリオ"は、MM服飾史において画期的であった。
それ以前のアフリカ戦線の防暑服のイギリス軍戦車兵は全て半ズボンであるのに対し、
"マチルダ・トリオ"には長ズボンが与えられ、その愛らしい膝を露出し少年的魅力を発散することを禁じられていたのである。

半ズボンのイギリス軍戦車兵には全て、マイクを持つポオズが与えられている。
ここで少し、MMシリーズの第二次大戦期のイギリス軍戦車兵史を振り返っておくと、
35024-A、35041-Aで防暑服×半ズボンのアフリカ戦線的身なりを与えられ、
35100=35210-Dではマドロス・ポオズ、2011年的タームを用いれば「もう何も恐くない」のポオズが与えられた。
35221=35232-Bでは、再度イギリス軍戦車兵がマイクを握ることとなったが、そのマイクは手と一体成型となり、マイクと口の位置も近くなった。
35232-Eは初のバトルジャーキンの着用者として登場。
そして、現状最新作である35300-E、マチルダ・トリオがリリースされたのであった。
MMシリーズの第二次大戦期のイギリス軍戦車兵史は、新旧のマチルダフィギュアにその最古と最新の位置を占められており、
アフリカからヨーロッパを巡って再度アフリカに帰郷しているのである。

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1990年代MMにおける第二次大戦期イギリス兵が享受した「奇跡的平和」小史

タミヤ社のミリタリーミニチュアシリーズの第二次大戦期のイギリス兵フィギュアにとって、90年代は「笑顔の時代」であった。
まず、1994年5月に、35175-Z=ブレンガンキャリヤー(ヨーロッパ戦線)の新規フィギュア三人全てに笑顔が与えられた。
35210-Fでフランスの農夫からイギリス軍戦車兵にクリアー成型のワインボトルが与えられたのは、1996年10月のことであるが、
MM史上類を見ない幸せな物語を与えられた彼らは当然のごとく皆笑顔であった。
35221-B=クロムウェルの戦車兵(1997.12)も笑顔であり、35223=すたすたと巡回するイギリス兵(1998.2)にも笑顔ヘッドが存在し、
35232-E=セントーの装填手(1999.1)も笑顔であった。
行軍中にワインの授受すら行われるほどの平和な世界で、にこにこと笑っていた90年代リリースの第二次大戦期のイギリス兵たちであるが、
急転直下、2001年6月、35249-Yで強行偵察の苦境が唐突に与えられたのである。
それは、90年代に英兵が享受した、あまりにも恵まれ過ぎた奇跡的平和 "miracle peace" へのバックラッシュだったのかもしれない。

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(5)ソヴィエト軍フィギュア小史

第二次大戦期のソヴィエト軍戦車兵小史

35049-Dの戦車長には砲塔ハッチの陰から左に身を出しつつ、その右手でハッチのフチを掴むか信号旗を持つかの腕パーツの選択の余地が与えられ、
35059-Dのふたりにはまたハッチのフチを掴む手付きが与えられつつも、そのうちひとりには信号銃を放つ右腕と選択が可能であったりと、
初期には"右腕オルタナティヴ性"が明らかに存在していたのです。
その傾向をあっさりと打ち消すように35063-A、35066、通称"ギガントのおっさん"には左手にヨッシャヨッシャのガッツポオズの握りこぶしのみがが与えられ、
モノを掴むのではなく、意志の確かさを手の内に秘めるポオズに一時的に振れながらにして、
35072-Dでは再度右手はモノ=ソヴィエト軍戦車帽を握り、35093-Dではハッチに手を添えるやわらかな手つきが与えられてもなお、
35142では再度"ギガントのおっさん"が現れてその手は硬く握られ、35211-Cではハッチのフチを掴む手付きに回帰。
そして、現状でも唯一のソヴィエト軍戦車兵のフィギュアセットである35214では、ハッチ開口部に納めることが前提なのであろう箱絵上列左側のふたりに、
「開かれた右手」と「閉じられた左手」という、過去のソヴィエト軍戦車兵の手付きのふたつのあり方の再提示が含意されているように見え、
35289-Cではハッチにかけられた手と緩やかにキューポラのふちに乗せられた手と、どちらかと言えば柔らかな初期的手付きが与えられた上で、
35303-F&Sでは35049-D的な身振り=ハッチの横から身を乗り出して前を見る身振りが、しかも半身像というあり方で再帰的に立ち現われたのでした。
さて、"ギガントのおっさん"は必ずしもその身体をキューポラに収めなければならないというわけではなく、
車輌の外部、或いは地面の上も立ち位置として選び得る存在であり、舞台の選択可能性が残されていたのですけれど、
ここまで振り返ってきて、第二次大戦期のソヴィエト軍戦闘車輛クルーのMMシリーズ最新作にして異端なのが35309-Zである、ということは指摘するまでもないことです。
地図を広げた会議はBT-7の砲塔上や車輌上を舞台とすることを否定する身振りであることは明白で、
つまり再度ソヴィエト軍戦車兵フィギュア史を振り返りますと、半身像化=車輌内部に最低限身体の一部を収めねばならない"檻"から、"ギガントのおっさん"で半軟禁状態の解放を経て、再度"半身像のシステムの檻"に身体を車輌に拘束されたり解放されたり、
全身像ながら手付きが車輌、とりわけソヴィエト軍車輌クルーにおいてはハッチを渇望、つまりは自ら望む身振りで車輌の頸木に囚われたりしながら、
35309-Zは完全に車輌からの身体の解放に至ったのでした。
そして見落としてはならないのは、彼らが抑圧的な被服の象徴=詰襟をまとわず、開放的な折襟服を着ていたことでございましょう。

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by tokyomonogatari | 2012-03-04 23:00 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(3)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

(6)フランス軍フィギュア小史

第二次大戦期のフランス軍兵士小史

MMシリーズにフランス軍兵士が登場するのは、ゼロ年代からのことです。
第二次大戦期のフランス軍兵士に先行して、MM初のフランス軍兵士となったのはルクレールの現用戦車兵=35279-B(2005.7)ですが、彼の造形と成形は抜きん出ています。
第二次大戦期のフランス軍兵士は35282-C(2006.6)のB1 bisの戦車兵で初登場。
ヘッドの造形的に本馬氏の造形と推断されます。
35284-Y&Z(2007.6)ではフランス軍戦車兵半身像に歩兵立像が登場。
フランス軍ヘルメットやMAS36ライフルも初登場しましたが、小火器・装備品スプルーYの独立=95年体制への突入は、
35288(2007.12)で達成されました。
フランス軍の装備品でフィギュアモデラーが教養として押さえておきたいのは、35282-Cのフランス軍戦車兵ヘルメットではキチンとモールドされている徽章が、
35284-Y&Zでは存在していないということです。

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(7)イタリア軍フィギュア小史

イタリア軍フィギュア小史

35034-Cでカーロアルマートの戦車兵としてイタリア軍フィギュアが初登場。
35078-Cには全身像と半身像のイタリア軍戦車兵が付属。
35034-Cと35078-Cはそれぞれ35296-C、35294-Cとしても再登場していますが、
35294=35296-Zの平野義高氏原型イタリア軍戦車兵立像と座像というインジェクションイタリア軍フィギュア史上最高傑作を前にして、
彼らは過去の遺物としての霞みぶりたるや甚大。
35294=35296-Zは、89783-Zとしてリリースされる際に木箱が彫り足されており、
木箱が付属していない初期ロット品はややレアな存在です。

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(8)フィンランド軍フィギュア小史

フィンランド軍兵士小史

35310-E=フィンランド軍突撃砲兵半身像がMM史上初のフィンランド軍兵士として登場。
35318-F=フィンランド軍自走砲兵は初の全身像としてリリースされました。
そろそろフィンランド軍歩兵も欲しいところです。

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(9)MMにおけるマイノリティ・フィギュア小史

女性フィギュア小史

「ガッカリ姉ちゃん」として知られる35214のソヴィエト軍女性戦車兵が、MM史上唯一の女性フィギュアです。
モリナガ・ヨウ氏は模型雑誌の記事中、90年代にガッカリしたフィギュアとして二度例示*した上で、
2010年に「そして有名なガッカリ姉ちゃんです」と彼女を描いた絵の口から延びる吹き出しの中に書き込む**という、
周到な準備と大胆さでもって彼女に対して愛に溢れる酷評をしてみせました。
フィギュア批評史において最も簡潔にしてクールなその名文、フィギュアモデラーは全員暗誦必須なのです。

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(註)
*Armour Modelling Vol.9および、Modelgraphix 1999.4
**Armour Modelling Vol.120, P.8
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ぼっち小史

35107-Cは、オーストラリア軍兵士として唯一の存在。
35210-Fには、唯一の民間人*である「ワインおじいさん」が登場。
35214にはMM史上唯一の女性兵士がいます。
35324-FではMM史上初のアラブ系人物としてイラク軍戦車兵が登場しました。

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(註)
*ICMの靴磨き少年を含む89---の事例もあるが、通常商品として唯一の民間人は「ワインおじいさん」である。
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アフリカ系フィギュア小史

白人男性、とりわけゲルマン民族圧倒的優位のミリタリーフィギュアの世界にあって、
MMシリーズに初めてアフリカ系の人物が登場したのは35040-Zでした。
ヴェトナム戦争期のアフリカンアメリカン兵士に始まるMMアフリカ系フィギュア史は、
以降も全てアメリカ兵として登場しています。
彼と周りの白人たちは後に35117として独立リリースされています。
35133でもひとりアフリカ系の人物が含まれ、35153でも彼は再登場しています。
35141では箱天面には描かれていないものの、戦車兵としてアフリカ系の人物が含まれています。
35150-Zでは35040-Z以来久しぶりにヴェトナム戦争期のアフリカンアメリカンが登場。
35157-Hはサングラスとバンダナで登場。MMアフリカ系人物史において最もクールなのが彼なのです。
湾岸戦争期をイメージしたのであろうフィギュアまでは、アフリカ系の人物が登場しているのですが、
イラクの自由作戦アイテム以降は、欧米の車輌に搭乗する兵士は全て白人に占められています。
そのような状況にあって、フィギュアは新規に作られなかったにせよ、タスキーギ・エアメンのムスタングが2011年に傑作機シリーズの限定商品としてリリースされたことは、
半ば暴力的な程に白人が圧倒的多数を占めているミリタリー模型史においては、前進以外の何物でもなかったと私は思うのです。

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(10)動物フィギュア小史

MMの動物小史

35053(1975.4)で登場した馬が、MM史上初めて登場した動物フィギュアです。
35103(1978.3)では馬が2頭フィールドキッチンを牽きました。
35128(1984.8)の動物セットはMM史的にも模型店の棚的にも欠かすことのできぬアイテム。
バーコード位置が箱天面であることは模型店店員が押さえておきたいところです。
35188(1995.3)では猫が登場。同一ランナー2枚で2匹の双子の猫が1箱に入っています。
35197-D(1995.11)はドイツ軍突撃砲兵が愛らしい子犬を抱きましたが、箱天面の絵には、そのほのぼのとした物語は描かれていません。
35201(1996.4)にはカラスと小鳥が飛来。
35212(1996.12)ではシェパードが35128以来久しぶりに登場し、伏せのポオズをとりました。
35231(1998.12)ではちょこんと座った子犬が含まれましたが、箱天面には描かれていません。
35266(2003.9)には立ちポオズの子犬が登場し、それまでの子犬がどちらかというと欧州的であったのに対して、無国籍的な犬種に造形されている印象です。
35188と同様に、35266は同一ランナー2枚で2匹の双子で1箱に収められています。
35320ではMM史上3頭目のシェパードが登場。箱側面で描かれているシェパードは35128と同じ図版が使用されているものの、
シェパードのそれ自体は新規に造形されています。
なお、ICM商品を"Tamiya箱化"した89779にはロバとシェパードが含まれていますが、
そのシェパードの恵まれ過ぎるほどに良好な、あまりにも良好な体躯は1/35史上最高峰と申せましょう。

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クリアー成型ゴーグル供給史

車輛のライトレンズにおいてすら、クリアーパーツが与えられるとは限らないMM史において、
フィギュア用ゴーグルがクリアー成型されるのは感動的なのです。
クリアー成型のゴーグルが初めて与えられたのは、35210-Gとしてですが、
同Gパーツは35221-G、35232-Gとしても与えられています。
つまり、90年代にリリースされた第二次世界大戦のイギリス軍戦車兵には全てクリアー成型のゴーグルが供給されていました。
クリアー成型のワインボトル二種類、クリアー成型のゴーグル二種類にランタンが与えられていた90年代のイギリス兵ほどに、MM史上恵まれた存在はないのです。

ゼロ年代は、各国の現用戦車兵にクリアー成型のゴーグルが与えられる時代でした。
35271-Eでドイツ連邦軍戦車兵のゴーグルがクリアー化し、35274-Gでは現用イギリス軍戦車兵のゴーグルがクリアー化、35275-Dでは陸上自衛隊員のゴーグルがクリアー化し、
24279-Gでは現用フランス軍戦車兵のゴーグルがクリアー化しました。
第二次大戦アイテムのゴーグルのクリアー化が中々なされず、最もクリアー化が望まれているであろうドイツ軍ゴーグルは未だにクリアー化されていないという状況の中、
久しぶりに登場したのが、35309-G、ソヴィエト軍戦車兵のゴーグルだったのです。

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野戦憲兵=MP小史

旧版ウィリスジープのキットにアメリカ兵MPのデカールが付属。
MPセットはMPデカールが多く得られるキットとして今日でも貴重な存在。
35218の新版ウィリスジープのキットにもアメリカ兵MPのデカールが付属。
35240で方向を示す武装親衛隊野戦憲兵が登場。
89---ではICM社のドイツ軍野野戦憲兵が登場。
35320ではドイツ軍野戦憲兵のみで構成された初めてのキット。

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MM兵士と読書小史

雑誌"YANK"を座って読んでいる35230/35244-A*が、MM史上初めて読書のポオズが与えられた兵士であった。
読書に近縁の行為に目を転じて、板状のものに書類或いは地図を置いたものに目を落としているポオズのドイツ兵としては、
35073(1975.10)の将校と、35202(1996.3)のオットー・カリウスと戦友たちの先行二例があるが、
35320で初めて冊子体のテクストを読むドイツ兵が現れた点には注目である。
レクラム文庫に差し替える事も、アメリカ軍からの戦利品としての「軍隊版」**を読ませることも、
容易なポオズが与えられているフィギュアの登場により、情景模型中の1/35の兵隊における読書率が、
少しは向上するのではないかと、(そしてメガネのエッチングがTamiya社から出る事になったりはしないだろうかと)私は期待しているのである。

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(註)
*35230のパーツとしてはAとRが繋がった形で、35244のパーツとしてはA単体で注文出来る。
**「軍隊版」について知るに当たっては、渡辺洋一先生の論文は必読。
「アメリカ「軍隊版」ペーパーバックと1940年代のアメリカ国民の読書嗜好」『文化論集第19号』(早稲田商学同攻会、2001.11)
(http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/6056/1/19_P1-34.pdf)
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対空警戒を行うフィギュア小史

35050-Zの防寒アノラックのドイツ兵が双眼鏡で空を睨み、
35094で同フィギュアが独立。
35237-Eはパンツァーヤッケを着て空を睨む兵士として稀有な存在であり、造形も秀逸。
35302-Zでは胸ポケットなしの空軍野戦服スタイルの兵士が久しぶりに双眼鏡越しに空を睨みました。

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時計を見る/見せるフィギュア小史

35070-Z=35080でニット帽のアメリカ兵座像に、時計の文字盤を戦友に見せるポオズが与えられたのが、
MMフィギュアの物語に時計が絡んだ初めての事例です。
運転席で時計を見るドイツ兵の顔には倦怠感が浮かび、
防寒アノラック+オーバーコートスタイルのドイツ兵の顔にも焦燥感が感ぜられます。
ICM 35181の事例や、352--の事例を引き合いに出すまでもなく、
ミリタリーフィギュアにおいて時計を気にする人物は明らかに幸福感とは遠い位置にいます。

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1990年代MMにおける「運転席からの解放」小史

MMシリーズのソフトスキン車輌の運転手のゼロ年代以前のフィギュログラフィーを順に追って調べてゆくと、
それまで車輌が動いているにせよ静止しているにせよ、最低限運転席に収まってハンドルに手を掛けていた運転手が35213-B (1997.2)で、まずはその片足を外に出し、35225-B (1998.5)=35235-B (1999.4)ではハンドルから手を離して時計を見るポオズをとり、
35238-C (1999.9)ではいよいよドライバーが運転席に留まらずに外に立った、という大まかな流れを捉える事が出来る。
90年代は"運転席からの解放"に見受けられるような、小休止のムーヴメントと感覚がMM界に横溢していたと思う。
70年代、80年代のフィギュアに比して、90年代以降のフィギュアには笑顔のヘッドが多く見受けられることは、ここで指摘するまでもない程に明瞭なことである。
ゼロ年代のミリタリーモデル群雄割拠期を前にした、小休止/平和な時代*としての90年代のその時代感は、
フィギュアのポオズにも表れていたのではないか、と、今になって感ぜられるのである。

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切断=独立小史

1/35MMフィギュア史におけるランナーの切断小史について、ここで少し確認しておきますと、
車輌や砲のキットに納められているフィギュア枠が、後にフィギュアキット化されて独立する際には、
その小さな箱に納めるために、枠のつながりを切断する、ということが、70年代リリースのキットに対して多く行われて参りました。

ランナー切断によりフィギュアキットとしての独立が達成された事例の中で、
その枠のサイズが最大であったのが、35017-D(1972.10)をフィギュアキットとして独立させた35031(1973.12)です。
70年代キットの切断=独立の事例をいくつか確認しておきますと、
35040-Z(1974.6)の35117(1980.6)としての独立、35050-Z(1975.3)の35094(1977.2)としての独立、
35071-Z(1975.10)の35079(1976.2)としての独立、35082-Z(1976.6)の35106(1978.11)としての独立の際に、
本来は繋がっていた枠が切断された上で、箱に納められたのでした。
ここで挙げた事例のうち、35017-Dからの35031の、そして35050-Zの35094としての独立=切断の状況が他と異なっています。
35017-Dと35050-Zには、他のフィギュア枠においては独立を予定して設けられていたのでありましょう"ブリッジ"が不在、
つまりは"枠がそれぞれ閉じた上で一本橋を渡す方式"が採られておらず、そのまま切断されて、35031と35094は枠が閉じていない形でフィギュアキットとして独立しているのです。


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ヒゲ男子小史

35033-C(1974.8)でイギリスのSAS兵士がMM史上初めてヒゲを無精に生やしてから、しばらくのヒゲの不在が続き、
35247-Y(2001.3)では整えられた紳士のヒゲがドイツ軍コックにたくわえられ、
35276(2004.7)では陸上自衛隊のイラク派遣部隊の"隊長"にヒゲが生え、
89641(2004)ではアドルフ・ガーランドのヘッドにヒゲが生えた**。
MM史上初の中東系フィギュアであるイラク軍戦車兵=35324-F(2012.2)にもヒゲがたくわえられたが、
彼のヒゲの彫刻の稠密さには注目であり、ヒゲ史上最高傑作である。

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(註)
*箱絵でヒゲを生やしている兵士は、35033-C(1974.8)に先んじて35004(1970.7)と35015(1972.5)が存在するが、フィギュアのヘッドそれ自体にはヒゲの彫刻が見当たらない。
ここではフィギュアそれ自体に明瞭なヒゲがモールドされているものを対象にしている。
同様の理由で、35118(1980.9)のモントゴメリー将軍も、ヒゲの生えたフィギュアとして敢えてカウントしていない。

**年代別に見れば、ゼロ年代は1/35MMフィギュアにとって「ヒゲ男子の時代」であった、とみなすことも出来よう。
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喫煙小史

明らかにタバコを挟む事が前提とされているように読める手付きのフィギュア(ex.89562=89566=25109-Z)や、
タバコを胸ポケットから取り出そうとしているポオズが与えられたフィギュア=35177-Aや、
タバコを指先でパッケージから摘み取る動作が固定されたフィギュア=35244-Sが存在しながら、
タミヤ社は紙巻きタバコそれ自体の描写を飽くまでも回避し、1/35兵士の喫煙具として登場するのは決まってパイプなのである。
なお、1980年9月の35118=ゼネラルセットのダグラス・マッカーサーのコーンパイプがその初出事例であり、
89562=89566=25109-Zが、タミヤ社が一般兵士にパイプによる喫煙を許した唯一の事例である。
また、タミヤニュース編集室発行『タミヤジュニアニュース ちょっとだけョの改造 人形改造特集号』では、
まさにちょっとだけの工作=伸ばしランナーで紙巻きタバコによる喫煙描写が可能にも関わらず、ランナー工作によるパイプの作例が紹介されていることからも、
タバコ一本それ自体の描写が徹底して避けられていることが見て取れよう。
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物品授受小史

Tamiya社のMMフィギュアでは、物品の授与が行われるのは決まって「下方から」、或いは「下方で」、である。
MMフィギュア史において、初めて"授与"が描かれたのは、1984年4月にリリースされた、
35129「ドイツ歩兵休息セット」の座りながら=下方でタバコを勧めるドイツ兵である*。
次なる授与描写が現れたのはそれから11年後、1995年3月の35188「ドイツ戦車兵砲弾搭載セット」であり、
下方から上方への砲弾の受け渡しが描かれた。
砲弾搭載描写は、各国軍隊の戦車兵に与えられて然るべきポオズである。
Tamiya社の場合、ドイツ軍以外の車輌の金属製砲弾がリリースされているのは、M4シャーマン戦車用のみであって、
砲弾搭載ポオズがフィギュアに与えられるとしたら、ドイツ軍に次いでアメリカ軍であろうと推測するのが道理であるが、
MM史はその予想されたコースを取らず、陸上自衛隊の砲弾搭載がまず89564のアイテム番号が与えられた限定キットとして登場したのであった**。
このフィギュアにおいても、砲弾の受け渡しが下方から上方に行われた。
砲弾搭載は車輌を舞台に行われる物品の授与に他ならないが、
同じく車輌の上下で行われたもう一つの授与の事例が、1996年10月の35210-F=チャーチルのワインおじいさんとイギリス軍戦車兵="ワインおじいさん・カルテット"、であることはもはや指摘するまでもない事であろう。
言うまでもなく、唯一のクリアー成型品の授与の事例であり、唯一の民間人からの授与の事例でもある。

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(註)
*しかし35129では受け取るポオズは与えられておらず、喫煙への誘いは宙に浮いている。
インジェクションフィギュア史上、最も喫煙者人口が集中しているのは1944年アルデンヌであるが、Dragon 6091の記事で指摘したように、MMシリーズの喫煙表象において紙巻きタバコそれ自体の描写が回避される傾向が、35129にも見て取ることが出来るであろう。
喫煙表象に漸近しつつ寸前で回避している89562=89566=25109-Zの、
パンツァージャケットの前をはだけた武装親衛隊戦車兵の右手は、戦友のタバコに火を与えた手振りと見るべきだとも思われるのだが、
授与の真っ最中を固定しているのではなさそうなので、今回カウントしていない。
なお、下方から上方へではなく、上方から下方への物品授与のMMにおける事例が89771として存在することを指摘するのは容易である。
しかし、このキットのソヴィエト兵はフィギュアキット単体としてICM社から販売されているものであり、
これを純粋なMMシリーズのフィギュアの身振りの事例としてカウントするには抵抗がある。

**まず89564として2000年に限定キットとして登場したのち、2003年にYランナーのしゃがむフィギュアが追加された上で35260の品番が与えられレギュラーキット化している。
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by tokyomonogatari | 2012-02-03 16:49 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(4)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

双眼鏡小史

Tamiya 35001(1968.9)のリリース以来、MMフィギュアと双眼鏡は密接な繋がりを保ちつつ今日に至っています。
Tamiya 35002(1969.7)ではMG34を構えるか、双眼鏡を手にするかの選択が可能であり、そしてこれはポオズ選択・分岐のMM史上初の事例です。

Tamiya 35004(1970.7)ではアメリカ軍戦車兵が双眼鏡を手にして登場。
MMのフィギュアとしてリリースされたものの中では、初めて両手で双眼鏡を持ったのがTamiya 35004の彼である、ということも教養として押さえておきましょう。
Tamiya 35005(1970.7)ではイギリス軍砲兵が双眼鏡を手にして登場しました。
Tamiya 35008(1971.5)では初めて双眼鏡を首から提げたドイツ兵が登場しました。
戦車キット付属の戦車兵に双眼鏡が与えられたMM史上初の事例は、Tamiya 35009-figure(1971.6)のドイツアフリカ軍団戦車兵であり、
そして彼はMM史上初めて、両手で双眼鏡を持ったドイツ軍戦車兵なのです。
Tamiya 35010(1971.7)では双眼鏡がふたつ与えられましたが、首から提げたスタイルで、それを手にすることはありませんでした。
Tamiya 35011(1971.9)では、パンツァーヤッケを着たドイツ軍戦車兵がMM史上初めて両手で双眼鏡を持ち、
Tamiya 35014(1972.3)でも彼は双眼鏡を両手で握りましたが、箱絵で眼鏡男子化していることにも注目です。
Tamiya 35017-Z(1972.10)は双眼鏡を右手で持ち左手で方向を示しました。
Tamiya 35019(1973.3)は、Tamiya 35001にTamiya 35011=Tamiya 35014のひとりを加えた四人セット。双眼鏡を片手で持つ人と、両手で持つ人が同居しているMM唯一の事例でもあります。
Tamiya 35020-figure(1973.4)では、MP40を持った下士官兵が双眼鏡を首から提げ、35030(1974.2)でフィギュアスプルーが独立。
Tamiya 35031(1973.12)は35017-Z(1972.10)の独立リリース版。
Tamiya 35032(1973.11)はドイツ砲兵セットの「ハチハチ班長」のカウンター的なポオズとして、右手に双眼鏡、左手で指差しポオズが与えられている点に注目。
Tamiya 35034(1974.3)はイタリア軍兵士が初めて登場し、双眼鏡を覗いた事例。
Tamiya 35035-Z(1974.5)は、ドイツ軍砲兵が初めて、かつ唯一双眼鏡を覗いた事例として記憶しておくべき存在。
Tamiya 35037(1974.5)では防暑服スタイルのドイツアフリカ軍団兵士が、Tamiya 35038(1974.6)ではM36/40を着たドイツ軍兵士が双眼鏡を覗きましたが、
Tamiya 35038は素直な立ちポオズで双眼鏡を覗いたドイツ兵として未だに貴重な存在。
Tamiya 35046-Z(1974.11)ではイギリス軍将校がMMイギリス軍フィギュア史上初めて双眼鏡を覗きましたが、彼は今日まで双眼鏡を覗いた唯一のイギリス軍フィギュアでもあります。
Tamiya 35050-Z(1975.3)は防寒アノラックを着た初めてのドイツ軍兵士として登場し、対空警戒をして空を双眼鏡で睨む兵士としても初めての存在です。
Tamiya 35053(1975.4)ではふたりとも双眼鏡を持っていますが、馬上の将校は双眼鏡を覗くポオズも選択可能であり、
動物に乗り双眼鏡を覗いたフィギュアとして、現状唯一の存在でもあります。
Tamiya 35055-Z(1975.2)で現用アメリカ軍戦車兵が両手で双眼鏡を持った後、
Tamiya 35056(1975.3)、Tamiya 35057(1975.6)、Tamiya 35058(1975.8)、Tamiya 35060-C(1975.7)、Tamiya 35069(1975.9)と、
ドイツ軍戦車兵が片手で双眼鏡を持つミニブームが到来。
Tamiya 35073(1975.10)では直立、片脚を上げて前傾、しゃがみ、の三態で双眼鏡を覗く3人が登場。
8人のうち3人が双眼鏡を覗き、カニ眼鏡を覗く下士官、望遠鏡を覗く将官と、将校の「見る行為」*に特化したフィギュア、それが35073なのです。
Tamiya 35075(1975.12)では初の日本軍フィギュアとして作業衣袴スタイルの日本陸軍戦車兵の全身像と半身像が登場。戦車長が双眼鏡を片手に持ちました。
Tamiya 35085-B(1976.7)では、Tamiya 35050-Zが再度登場。
Tamiya 35090(1976.9)では日本軍の双眼鏡ケースが登場するも、双眼鏡自体は登場せず。
Tamiya 35094(1977.2)はTamiya 35050-Z(1975.3)のフィギュア独立リリース版。
Tamiya 35050-Z(1975.3)、Tamiya 35085-B(1976.7)、Tamiya 35094(1975.3)の防寒アノラックをまとい、双眼鏡で対空警戒する将校は、
それぞれ白色、ダークイエロー、白色の成形色で70年代に三度登場しましたが、
90年代末には35233-G(1999.2)としてダークイエローの成形色で再登場しました。
防寒アノラックを着て双眼鏡を持つ唯一の存在、なのですけれども、空を覗いてばかりでなく、
防寒アノラックを着たドイツ兵には、そろそろ前方を覗ってほしいところなのです。
Tamiya 35110-C(1979.5)では、アメリカ軍戦車兵立像が久しぶりに登場。彼は右手に双眼鏡を持って現れました。
Tamiya 35113-C(1979.9)では、ロンメル元帥が双眼鏡を首から提げて登場。

Tamiya 35115-C(1989.3)では、ドイツ国防軍スタイルのパンツァーヤッケを着た装甲車両クルーが、双眼鏡をのぞきながら現れたのですけれども、
ここで注意したいのは、ドイツ軍のAFVクルーが初めて双眼鏡を覗いたのが彼であるという点です。
Tamiya 35002=ドイツ歩兵セット(1969.7)がそのポオズのオルタナティブとして双眼鏡を覗くことが可能なようにキット化されて以来、
ドイツ軍兵士、下士官、将校、高級将校は双眼鏡または望遠鏡またはレンジファインダーを覗いてきたのですが、
パンツァーヤッケを着たAFVクルーには双眼鏡をのぞくことは彼の登場まで許されておらず、今日にあっても、
Tamiya 35115-Cの国防軍式パンツァーヤッケを着た装甲車両クルーと、
Tamiya 35176-Zの武装親衛隊式パンツァーヤッケを着た戦車兵のみに許された特権的ポオズなのです。
パンツァーヤッケを着た兵士がその双眼鏡を覗くこと、はMMフィギュアたちに
中々許可されていないポオズであって、MMフィギュアにおいて埋められるべき領域であると私は思います。

Tamiya 35118(1980.9)では35113-Cのロンメル元帥が再登場し、双眼鏡を首から提げました。
Tamiya 35141(1988.9)は現用アメリカ軍の双眼鏡を含んでいますが、注目すべきは、双眼鏡の左右をつなぐ部分が、
80年代以前の双眼鏡のパーツにしては珍しく、貫通していることです。

Tamiya 35160-C(1992.10)では双眼鏡とは異なりますが、暗視スコープを装着した兵士として貴重な存在です。
Tamiya 35176-Z(1994.6)には、いかにも平野義高氏的な造形的フレイヴァーを身にまとった、武装親衛隊戦車兵が双眼鏡を覗きました。
彼こそは、ミリタリーフィギュアモデラーが手元に複数枚常備していないはずのない、まごうことなき傑作であり、
このフィギュアについて今更多くを語る必要はないと思われます。

MM史的に今一度確認しておきたいのは、Tamiya 35176-Z以降のMMフィギュアのドイツ軍兵士に与えられ続けられている双眼鏡パーツ、
"Tamiya 35176-Z型ドイツ軍双眼鏡"の初出事例である、ということです。
また、双眼鏡の左右をつなぐ部分が抜けているところにも注目であり、この部分の「抜け」は、
Tamiya 35176-Z以降、各国の双眼鏡においてほぼ必須事項となっており、
95年体制の以前と以後を分かつ、ひとつの指標ともなっています。
Tamiya 35184(1994.12)では、下士官が"Tamiya 35176-Z型双眼鏡"を首から提げました。

MMフィギュア史的に最も重要な転換点のひとつとして、模型慕情でいうところの、
「95年体制」の導入、つまりは小火器スプルーの共通化・一般化があります。
その一般化された小火器スプルーの中に含まれている双眼鏡を初めて着用した人物、
それがTamiya 35184の下士官である、ということは、ミリタリーフィギュアモデラーは記憶しておくべき事柄であると思います。
Tamiya 35184-Yの双眼鏡の形状は先行する35176-Zと同じですが、ゲート位置が異なっているところも注目しておきましょう。
Tamiya 35184-YはのちにTamiya 35204(1996.6)として独立リリースされています。

Tamiya 35184に始まる「ドイツ軍小火器スプルーの一般化」以来、
双眼鏡を含むそれが恒常的に供給されてきたドイツ軍MMフィギュアは、双眼鏡とより密接な関係を結んで参りました。
Tamiya 35193(1995.8)には、Tamiya 35184-Y=Tamiya 35204の小火器スプルーのランナーチェンジ版が与えられ、
迫撃砲部分が彫り足された小火器スプルーが入りました。
やはり下士官の首からは、双眼鏡が掛けられていたのです。
Tamiya 35195-Y(1995.9)では、大戦中・後期のドイツ軍装備品のランナーチェンジ延長版が登場しましたが、
先に登場した大戦前・中期のドイツ軍装備品のTamiya 35184-Yと同様に"Tamiya 35176-Z型双眼鏡"が含まれています。
武装親衛隊下士官が双眼鏡を首から提げたTamiya 35196(1995.11)に含まれたドイツ軍装備品部品枠、Tamiya 35196-Y(1995.11)は、35195-Yのランナーチェンジ延長部分が存在しない短縮版となりました。
Tamiya 35196-Yは、Tamiya 35205(1996.6)として独立リリースされています。

Tamiya 35184-Yを初出とする大戦前・中期のドイツ軍装備品、
Tamiya 35195-Yを初出とする大戦中・後期のドイツ軍装備品の短縮版=Tamiya 35196-Y、
このいずれかがドイツ軍フィギュアキットの装備品部品枠として与えられる体制が完成したのが1995年であることから、
模型慕情では「一般化された装備品部品枠をフィギュアキットに適宜同梱する形式」を、「95年体制」と呼んでいます。

Tamiya 35201(1996.4)には、"35176-Z型双眼鏡"のほか、大型双眼鏡が与えられました。
この大型双眼鏡は、35201のみに含まれている貴重な存在なのです。
Tamiya 35204(1996.6)は35184-Yの独立リリース版、
Tamiya 35205(1996.6)は35196-Yの独立リリース版です。
Tamiya 35212(1996.12)には35196-Y=35205が与えられ、ドイツ国防軍将校が双眼鏡を首から提げました。
Tamiya 35228-B(1998.7)は箱の天面には描かれていませんが、双眼鏡を覗くアメリカ軍車輛クルーがひとり含まれており、
アメリカ兵が初めて双眼鏡を覗いた事例としても重要なのですが、それよりも注目しておきたいのは、
双眼鏡の左右をつなぐ部分が貫通していることなのです。
90年代のMMフィギュアの装備品は、95年体制で「標準化・一般化」が行われた一方で、
「双眼鏡のスルーホール」の時代でもあったことは見落としてはなりません。
ドイツ軍の双眼鏡が装備品部品枠で与えられた一方で、アメリカ軍の双眼鏡はTamiya 35192の装備品部品枠、
後にTamiya 35206(1996.6)としてリリースされた装備品部品枠の中に双眼鏡を含んでいないこともあって、
未だにアメリカ軍MMフィギュアで双眼鏡を携行したのが車輛クルーのみにとどまっており、歩兵に与えられていないのは、95年体制に起因するところが大きいと私は見ております。

Tamiya 35233-G(1999.2)ではTamiya 35050-Z=Tamiya 35085-B=Tamiya 35094の防寒アノラックを着て双眼鏡で対空警戒する将校が22年ぶりに再登場。
Tamiya 35234-B(1999.3)にはTamiya 35228-Bの双眼鏡を覗くアメリカ軍車輛クルーが再登場。
しかし、やはり箱天面に彼が描かれることはなかったのです。
Tamiya 35241(2000.3)では迷彩布カバー付きの双眼鏡が登場。
剥き出しの双眼鏡ばかりのMM双眼鏡の中で、非常に貴重な存在です。
Tamiya 35245(2000.9)では陸上自衛隊の双眼鏡が登場。
Tamiya 35228-B=35234-Bのアメリカ様式の双眼鏡となっています。
Tamiya 35250-X(2001.10)ではTamiya 35228=Tamiya 35234-Bよりも着ぶくれた半身像が登場し、アメリカ戦車兵が初めて双眼鏡を覗きました。
しかし双眼鏡を覗くアメリカ兵が箱絵に明瞭に描かれるのは、Tamiya 35251-X(2001.11)を待たなければなりませんでした。
Tamiya 35254-X(2002.6)としても、Tamiya 35319-X(2011.4)としても彼は登場し、過去の抑圧からの解放の享楽に身を委ねるが如く、
遠くを覗く快楽を何度も繰り返して満喫しています。
Tamiya 35253(2002.4)ではTamiya 35196-Y=Tamiya 35205のグレー成形版が与えられ、武装親衛隊野戦指揮官が双眼鏡を首から提げました。
Tamiya 35256(2002.11)に与えられた装備品部品枠はTamiya 35184-Y=Tamiya 35204であり、下士官が双眼鏡を首から提げました。
Tamiya 35259(2003.3)にはTamiya 35184-Y=Tamiya 35204が与えられ、やはり下士官が双眼鏡を首から提げました。
2003年に集中的にリリースされた現用アメリカ軍イラクの自由作戦モノに含まれたアクセサリー部品枠はTamiya 35266(2003.9)として独立リリースされ、
その中に現用アメリカ軍の双眼鏡を含んでいますが、その双眼鏡の中央部分は非貫通です。

現用アメリカ軍の双眼鏡は、既に35141(1988.9)の時点でスルーホール化しており、
95年体制以降、または35176-Z以降のMM双眼鏡の"貫通性"(Through-Holeness)を検討する上で注意が必要なパーツであり、
95年体制以降の双眼鏡が全て貫通しているわけではないことは双眼鏡史において見逃してはなりません。

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(註)
*ミリタリーフィギュアの将校の身振りは、「見ること」と「指差すこと」に大別される
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「覗く行為」小史

双眼鏡や望遠鏡を覗き、遠くを見る行為がMMシリーズに初めて登場したのは、Tamiya 35002(1969.7)のドイツ軍兵士でした。
35002(1969.7)では、MG34を構えるか、双眼鏡を覗くかの二通りのポオズ選択が可能であり、そのための腕もオルタナティヴパーツが用意されています。
35017-D(1972.10)ではレンジファインダーを覗くドイツ砲兵が登場。
彼らは35031(1973.12)としてフィギュアが独立リリースされています。
35034(1974.3)ではイタリア軍フィギュアが初登場にして双眼鏡を覗きました。

35035(1974.5)では37mm対戦車砲のドイツ軍砲兵がしゃがみポオズで双眼鏡を覗き、
35038(1974.6)では初めて立ちポオズのドイツ軍兵士が双眼鏡を覗きました。

初めてドイツ軍以外の兵士が双眼鏡を覗いたのは、35046-Z(1974.11)のイギリス軍将校でした。

35050(1975.3)では防寒アノラックの兵士が初登場にして立ちポオズで双眼鏡を覗きましたが、彼が初めて体躯警戒のために双眼鏡を用いた人物であることを見落としてはなりません。
35053(1975.4)では馬上の将校にオルタナティヴな腕パーツが与えられ、
双眼鏡を持たせるか、手綱を持たせるか、ワルサーP38を持たせるか、豊富な選択肢がモデラーの眼前に開かれました。
35062(1975.7)では遠くを見る手付きが与えられながら、双眼鏡は与えられませんでした。
35073(1975.10)では35038(1974.6)の彼が再度登場し、立ちポオズで双眼鏡を覗きました。
35073(1975.10)は、キットの8人のうち3人が双眼鏡を覗き、1人はカニ眼鏡を覗き、そして1人は望遠鏡を覗いているという、
ミリタリーフィギュアの将校の二大行為=「指差すこと」「見ること」のうち、後者が重ねて描かれた、MM史上最も将校の視覚的行為に傾斜したキットであると申せましょう。
35094(1977.2)では35050-Z(1975.3)の対空警戒の防寒アノラックの彼が再登場。

パンツァージャケットを着たドイツ軍兵士には双眼鏡が与えられやすい傾向にある中で、
それを覗く兵士は1968年以来MMに不在だったのですが、
35115-C(1980.3)でようやく双眼鏡を覗くパンツァージャケットを着たドイツ軍装甲車両クルーが登場。
1964年生まれの司龍氏は「戦車との相性も抜群なので、フィギュア欲しさにパーツ請求。本当に格好良いんだよ。」*と評されています。

35153(1991.10)でM47対戦車ミサイルの照準器を覗く現用アメリカ軍兵士が登場したりしていながら、
双眼鏡を覗く兵士の不在が14年続き、
35176-Z(1994.6)で久しぶりに双眼鏡を覗く兵士が登場。平野義高氏原型の武装親衛隊戦車兵のインジェクションフィギュアとして、
今日でも傑作のひとつとして挙げることが出来る35176-Z(1994.6)の彼は、同時に双眼鏡を覗いたMM史上唯一の武装親衛隊兵士でもあることも見落としてはなりません。

35228-B(1998.7)ではアメリカ軍車輛クルーが初めて双眼鏡を覗いたのですが、箱絵には描かれませんでした。
MM史草創期の段階の35004(1970.7)で既に双眼鏡を両手に持ちながら、28年の長きに渡って双眼鏡を覗くことがMMのアメリカ軍兵士には許されてこなかったのです。
それが許可された記念すべきアメリカ兵フィギュアこそが35228-Bなのですけれども、箱天面にはそれが描かれないという不遇。
彼は35234-B(1999.3)としても登場。また箱天面には描かれないという不遇をアメリカ兵は耐えなければなりませんでした。

35250-X(2001.10)では35228=35234-Bよりも着ぶくれた半身像が登場。
しかし双眼鏡を覗くアメリカ兵が箱絵に明瞭に描かれるのは、35251-X(2001.11)を待たなければなりませんでした。
35254-X(2002.6)としても、35319-X(2011.4)としても彼は登場し、遠くを覗く享楽を何度も満喫しています。

35283-Zではレンジファインダーを覗く兵士が35017-D=35031以来久しぶりに登場。

この記事を書いている時点で現状最新の双眼鏡を覗いた兵士は、35297-V&Wであり、
防暑服スタイルのドイツ兵で唯一双眼鏡を覗いている存在でもあり、
同時に、本馬幸雄氏原型と推断されるMMフィギュアにおいて唯一双眼鏡を覗いている存在でもあります。

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(註)
*『パンツァーグラフ!』 12号(2008年春号) P.38
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音楽的小道具小史

35001(1968.9)のドイツ軍戦車兵が三人全てヘッドフォンを装着して登場してからというもの、
MMフィギュアにおいて、とりわけドイツ軍戦車兵には音楽的小道具が一体、または別パーツとして与えられて参りました。
35009(1971.6)では箱絵のドイツアフリカ軍団戦車兵にはヘッドフォンが描かれているものの、
フィギュアそれ自体にはヘッドフォンが与えられず、35011の戦車長もヘッドフォンを装着して登場、
35014の箱絵ではメガネ男子化しているものの、メガネそれ自体は与えられていない彼も勿論ヘッドフォンを装着。
35019は35001と35011=35014のフィギュアを組み合わせ四人組ですから、全員がヘッドフォンを装着しています。
35054、35056、35057、35058、35060、35065、35069とドイツ軍装甲車両搭乗員=ヘッドフォンの強固な結合ぶりを見せつけた1970年代半ばにあって、
35077-C(1976.1)=ブルムベア兄さんはイタリア戦線の陽光降り注ぎぶりが感ぜられるシャツスタイルの身なりも異端ですけれども、ヘッドフォンの不在という点でも異端な存在なのです。
その後しばらくの間、ドイツ軍兵士にヘッドフォンを与えられない期間が続きました。
その一方で、35150-Z(1991.4)ではMM史上最高に音楽的なラジカセが登場しています。
ドイツ軍兵士にヘッドフォンが再度与えられたのは、35164(1993.7)です。
35169-D(1993.10)、35176(1994.6)と、ドイツ軍戦車兵とヘッドフォンの復縁は順調に進み、


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by tokyomonogatari | 2012-02-01 06:34 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(5)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

MM指差しポーズ小史

人差し指を突き出し、方向を示す「指差しポーズ」=「インデックスポーズ」が初めて与えられた1/35MMフィギュアは、
Tamiya 35004(1970.7)のアメリカ戦車兵であり、彼は右手で方向を示しました。
Tamiya 35010(1971.7)ではドイツ軍将校ふたりが右手で指差し、これは一つのフィギュアキットにおいて複数の人物に指差しポーズが与えられている唯一の事例です。
Tamiya 35011(1971.9)のフィギュアとしてもTamiya 35010(1971.7)は登場。
Tamiya 35015(1972.5)ではアメリカ兵が指差しましたが、左手で指差している事例であることに注意が必要です。
Tamiya 35017-D(1972.10)では箱絵ではやや指差し感が減じられていますが、中のフィギュアはビシッと左腕を伸ばして指差しています。
Tamiya 35021(1973.7)ではソヴィエト軍将校がGAZ-67Bに乗りつつ右手で方向を示しました。
Tamiya 35031(1973.12)ではTamiya 35017-D(1972.10)がフィギュアキットとして独立して再度左手で方向を示し、
Tamiya 35032(1973.3)ではアフリカ戦線のイギリス軍将校が左手で方向を示しました。

Tamiya 35015(1972.5)、Tamiya 35017-D(1972.12)、Tamiya 35032(1973.3)と、
1970年代には左手での指差しポーズが3作存在しており、右利き優位的状況、
右手人差し指での方向指示に傾斜しているMMフィギュア史において、
左手人差し指による方向指示が奇跡的に隆盛を極めていました。

Tamiya 35071-Z(1975.10)=Tamiya 35079(1976.2)ではヴェトナム戦争期のアメリカ軍AFVクルーが地図を右手で指しました。
Tamiya 35082-Z(1976.6)=Tamiya 35106(1978.11)では、戦後のイギリス軍兵士が野戦病院の方向を右手で示しています。
Tamiya 35084(1976.6)は両手指先で方向を示し、交通整理をしています。
Tamiya 35100-D(1977.8)ではヨーロッパ戦線スタイルのイギリス軍兵士が右手で方向を示しました。

1980年代にリリースされたフィギュアには、指差しの手つきが与えられることはなく、
指差しフィギュアにとっても冬の時代でした。

Tamiya 35153(1991.10)では湾岸戦争期のアメリカ軍兵士が無線通話しつつ右手で方向を示しました。

Tamiya 35193(1995.8)では迫撃砲チームのドイツ軍兵士が右手で方向を示し、
Tamiya 35195-Z(1995.9)では武装親衛隊兵士が右手で方向を示しました。

Tamiya 35202-Z(1996.3)では、オットー・カリウスが地図を右手で指差しています。
匿名でない人物として、初めて方向を指示したMM史における人物は、
オットー・カリウスである、ということも押さえておきたいところ。

Tamiya 35207(1996.8)ではソヴィエト軍戦車兵が右手で方向指示。
Tamiya 35210-D(1996.10)にはTamiya 35100-D(1977.8)の指差しイギリス軍歩兵が再登場。

Tamiya 35212(1996.12)では防寒アノラックスタイルのドイツ軍将校が地図を右手で指差しました。

Tamiya 35241(2000.3)が指差しポーズ史において重要なのは、人差し指を突き出した方向指示ではなく、
右手を開いて柔らかく方向を示した点にあります。
2004年に登場したAlpine Miniaturesがリリースした方向指示フィギュアが、
人差し指の突き出しを強固な意志を持って極力回避し、手のひら全体で方向を示し続けたのもまたゼロ年代であり、
Tamiya 35241(2000.3)はミリタリーフィギュアのゼロ年代的ポーズの幕開けに相応しい存在ともなっています。

Tamiya 35245(2000.9)では陸上自衛隊戦車搭乗員がバイク偵察隊員に対して方向指示をしましたが、
右手でなく左手であったことは見落としてはならないことであり、
右手での方向指示の優位=情景模型正面に対して左側へ向かう方向のヴェクタが作用している磁場としての、
タミヤ社1/35MMシリーズにあって、陸上自衛隊の情景は右側へ向かう傾向を作用せしめているのは、
このTamiya 35245(2000.9)の左手での指差しに他ならないことは、
情景模型のヴェクタと指差しポーズの関係史研究において注目に値することだと思います。
また、日本人が初めて方向を示した1/35MMフィギュアであることも押さえておきたいところです。

Tamiya 35248-C(2001.3)のパンツァーヤッケを着たドイツ軍自走砲兵は、
パンツァーヤッケを着た兵士として初めて指差しポーズが与えられた事例であることにも注目なのですが、
情景模型正面手前側を指している傾向にある稀有な存在でもあります。
彼は左手で、T-34の方向を示しました。

Tamiya 35253(2002.4)では武装親衛隊擲弾兵がいかにもアルデンヌな装束をまとって右手で方向指示が行われ、
アルデンヌの情景が情景正面に対して左側に向かうという、一般的傾向を補強しました。

Tamiya 35276(2004.7)ではイラク派遣の陸上自衛隊員が右手で方向指示を行いましたが、
それはTamiya 35245(2000.9)の左手での方向指示に伴う情景右側へ進む陸上自衛隊情景のヴェクタを、
右手指示で左側のヴェクタを作って打ち消しています。

Tamiya 35283-Z(2006.7)では北アフリカ戦線のドイツ空軍砲兵が右手で方向指示を行いましたが、
本馬幸雄氏原型と推断される1/35MMシリーズのフィギュアのうち、初めて指を指した事例でもあります。

Tamiya 35284-Y&Z(2007.6)では、フランス軍歩兵が初登場し、右手で方向指示を行い、
フランス軍の情景が情景正面に対して左側へと進むヴェクタを作りました。

Tamiya 35286-X(2007.9)には北アフリカ戦線のドイツ国防軍オートバイ伝令が右手で方向を指示しつつ登場。
右腕で指差すか、双眼鏡を持つかの、指示するか眺めるかの選択が可能です。

Tamiya 35298ではTamiya 35010(1971.7)=Tamiya 35011(1971.9)の右手で方向を示すコートスタイルの将校が、
ICM的な造形でリメイクされました。

Tamiya 35304-Zではラムケ旅団のドイツ空軍士官が右手で方向を示しましたが、
伸ばされた指は人差し指のみでなく、中指も伸びており、タバコを挟みながらの方向指示としての活用可能性が寛容に開かれています。

Tamiya 35306では、ソヴィエト軍対戦車チームの士官が左手で方向を示しました。
彼は人差し指を伸ばしての方向指示でなく、手を開いて、手のひらを下に向けての方向指示、という、
Tamiya 35241(2000.3)的、またはゼロ年代Alpine Miniatures的な手振り=手のひらを横に向けての方向指示とも異なる、
稀有な方向指示の手振りが与えられていることにも注目です。

Tamiya 35307-Zでは、Tamiya 35253(2002.4)以来久しぶりに平野義高氏原型と推断されるフィギュアが方向を示しましたが、
その身体がやや弓なりに曲げられつつの全身での指差しポーズは、MM史における静的な素立ちからの指差し傾向を打破しようとする意志が感ぜられます。

Tamiya 35309-Zでは、ソヴィエト軍戦車部隊将校が地図を指差しました。

Tamiya 35316(2011)では、イギリス軍MPが左手で方向を指示しましたが、
左右の腕が2本ずつ入っており、2×2=4通りの組み合わせからのポーズ選択が可能です。

Tamiya 35323-Cでは、アメリカ軍式装備のイスラエル軍戦車兵が右手で方向指示を行いました。

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Tamiya 35004(1970.7)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35010(1971.7)=Tamiya 35011(1971.9)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35015(1972.5)左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35017-D(1972.10)=Tamiya 35031(1973.12)左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35021-Z(1973.7)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35032(1973.3)左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35071-Z(1975.10)=Tamiya 35079(1976.2)右手人差し指突き出し、地図指示
Tamiya 35082-Z(1976.6)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35084(1976.6)両手で交通整理、身体の左側方向に指示、方向指示
Tamiya 35100-D(1977.8)=Tamiya 35210-D(1996.10)右手人差し指突き出し、方向指示

Tamiya 35153(1991.10)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35193(1995.8)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35195-Z(1995.9)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35202-Z(1996.3)右手人差し指突き出し、地図指示
Tamiya 35207(1996.8)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35212(1996.12)右手人差し指突き出し、地図指示

Tamiya 35241(2000.3)右手開き、方向指示
Tamiya 35245(2000.9)左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35248-C(2001.3)左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35253(2002.4)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35276(2004.7)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35283-Z(2006.7)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35284-Y&Z(2007.6)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35286-X(2007.9)右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35298 右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35304-Z、右手人差し指と中指突き出し、方向指示
Tamiya 35306左手開き、方向指示
Tamiya 35307-Z、右手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35309-Z、右手人差し指突き出し、地図指示
Tamiya 35316(2011)、左手人差し指突き出し、方向指示
Tamiya 35323-C、右手人差し指突き出し、方向指示
by tokyomonogatari | 2012-01-31 02:31 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア・テーマ別小史(6)(書き途中)

模型店店員が最低限記憶しておくべき教養としての、MMフィギュア小史

95年体制小史

(1)「95年体制」概説

95年体制とは、「小火器・装備品スプルーが独立して与えられる体制」*を指す、私的な造語です。

まず、35184-Yでドイツ軍小火器・装備品Yαが登場し、35192-Yでアメリカ軍小火器・装備品Yが登場、
そして35195-Yでドイツ軍小火器・装備品スプルーYβ(extended)が登場しました。
第二次大戦前期-後期に至るドイツ軍小火器・装備品スプルーが揃い、
35192-Yでアメリカ軍の小火器・装備品スプルーが登場した年にちなんで、95年体制と呼んでいます。

ソヴィエト軍は35207-Yで、イギリス軍は35223-Yで、陸上自衛隊は35276-Yで95年体制に参加しました。
95年体制への移行の最新にして最後の事例は、フランス軍の35288-Yであり、
ソヴィエト軍は35306-Xのリリースで、95年体制を更に盤石なものとしました。

第二次大戦期の日本軍、フィンランド軍、ヴェトナム戦争期以降の現用アメリカ軍、現用イラク軍は、
フィギュアが存在しているものの、「95年体制」に今のところ参加してはいません。


(2)95年体制下の付属小火器・装備品部品枠一覧

Tamiya 35184ではドイツ軍小火器Yα(グリーン)が登場、
Tamiya 35192ではアメリカ軍小火器Yが登場、
Tamiya 35193にはドイツ軍小火器Yαの迫撃砲部分延長版(グリーン)が付属、
Tamiya 35195-Zでは、ドイツ軍小火器Yβの完全版=延長版(ダークイエロー)が登場、
Tamiya 35196にはドイツ軍小火器Yβ(ダークイエロー)が付属、
Tamiya 35204ではドイツ軍小火器Yα(グリーン)が単独リリース、
Tamiya 35205ではドイツ軍小火器Yβ(ダークイエロー)が単独リリース、
Tamiya 35206ではアメリカ軍小火器Yが単独リリース。

Tamiya 35207ではソヴィエト軍小火器Yが登場、
Tamiya 35212にはドイツ軍小火器Yβ(グレー)が付属、
Tamiya 35233ではイギリス軍小火器Yが登場、
Tamiya 35250-V&Zにはアメリカ軍小火器Yが付属、
Tamiya 35251-W&Zにはアメリカ軍小火器Yが付属、
Tamiya 35253にはドイツ軍小火器Yβ(グレー)が付属、
Tamiya 35256にはドイツ軍小火器Yα(グリーン)が付属、
Tamiya 35259-Zにはドイツ軍小火器Yα(グリーン)が付属、
Tamiya 35276では陸上自衛隊小火器Yが登場、
Tamiya 35288ではフランス軍小火器Yが登場、
Tamiya 35293にはドイツ軍小火器Yα(グリーン)が付属、
Tamiya 35298にはドイツ軍小火器Yα(グレー)が付属、
Tamiya 35299にはドイツ軍小火器Yβ(グリーン)が付属、
Tamiya 35302-Zにはドイツ軍小火器Yα(グリーン)が付属、
Tamiya 35304-Zにはドイツ軍小火器Yα(ダークイエロー)が付属、
Tamiya 35305-X&Yにはドイツ軍小火器Yα(ダークイエロー)が付属
Tamiya 35306にはソヴィエト軍小火器Yが付属、ソヴィエト軍小火器Xが登場、
Tamiya 35311にはソヴィエト軍小火器Yが付属、
Tamiya 35312にはアメリカ軍小火器Yが付属、
Tamiya 35314にはドイツ軍小火器Yα(ダークイエロー)が付属、
Tamiya 35320にはドイツ軍小火器Yα(グレー)が付属。

Tamiya 89621にはドイツ軍小火器Yβ(グレー)が付属、
Tamiya 89629にはドイツ軍小火器Yβ(グレー)が付属、
Tamiya 89641にはドイツ軍小火器Yα(グレー)が付属。

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(註)
*Tamiya 35090の事例などを挙げて語るまでもなく、1994年のTamiya 35184-Yの登場以前から、
 小火器・装備品部品枠が独立しているケースは存在する。
 なお、それらの先行事例ではおそらくはフィギュア枠の外側に小火器部品枠が彫られており、射出成型の後、切り離していると推測される。
 「切り離し」によって独立した小火器・装備品部品枠は、フィギュア部品枠と金型への樹脂注入口を共有し、
 Tamiya 35184-Y以降の「95年体制もの」では金型それ自体がフィギュア部品枠と独立している。

 つまるところ、95年体制が95年体制として他と分かつべき存在であるのは、
 「小火器・装備品部品枠の見かけ上の独立性」にあるではなく、
 「部品枠的にも金型的にも独立して一般化されたものがその軍隊のフィギュアアイテムにおいて将来的に恒常的に供給される」その「体制」にある。

 Dragon社においては「小火器が別枠で与えられる形式」という意味合いでの「95年体制的なあり方」は1995年以前から採られている。
 ランナー枠のつながり具合から推測すると、おそらく金型に彫り足す形で小火器部品枠のバリエーションが適宜増やされ、
 キットに見合った小火器スプルーが与えられるという形式が続いたが、Gen.2以降はより整理された形での「95年体制」が採られている。
 具体的にはGen.2フィギュアにはスライド金型を多用したGen.2の小火器・装備品スプルーが与えられ、
 Gen.2フィギュア登場以降のGen.1スタイルのフィギュアには、Gen.2の小火器・装備品スプルーが与えられるか、
 "Gen.2 Gear"と称されるスライド金型使用を抑え、部品分割も適度に減らしたまとまりの良い小火器・装備品スプルーが与えられている。

 Dragon社Gen.1時代のドイツ軍小火器部品枠の多様性については、
 Dragon社 1/35 Gen.1 ドイツ軍小火器スプルー集成を参照。
 小火器が別枠で与えられてはいるが、一般化されていないという意味において、
 Tamiya社の95年体制や、Dragon社のGen.2及びGen.2 Gearの部品枠とは、Gen.1時代のあり方は異なる。

 Tristar社においても、「小火器・装備品が別枠で与えられる形式」としての意味合いでの「95年体制」は、
 Tristar 35003を初出事例として採用されており、Dragon社Gen.2小火器・装備品スプルーと同様に、
 スライド金型が多用された。
 しかし、Tristar社においては、ポスト平野義高氏時代の原型師が担当したフィギュアには、
 その小火器・装備品スプルーが別枠で供給された事例は現在存在せず、
 人形のスプルー内に小火器・装備品が同居して彫られている。

 ゼロ年代のDragon-Tristar間のドイツ軍小火器・装備品スプルーの絢爛豪華さに惑わされて、
 見落とされがちなのがTrumpeter社のドイツ軍小火器・装備品スプルーである。
 Trumpeter社のMG42や34年式弾薬箱や将校用図嚢にもスライド金型が用いられており、
 MG42は上部のみでなく下部の放熱口もスライド感型で窪みが設けられているのも中々心ひかれるものがあるが、
 Trumpeter社のドイツ軍小火器・装備品スプルーで何にも増して感動的なのは、
 インナーが再現されたヘルメットであって、それこそがゼロ年代のTrumpeter社のフィギュアにおける最大の業績であると私は思う。

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拳銃単体小史

ホルスターに収納されていない状態の拳銃単体が1/35MMシリーズに最初に登場したのは、
Tamiya 35007(1970.11)であり、ブリティッシュエンフィールドNo.2Mk.Ⅰがそれに付属しました。
Tamiya 35012(1981.9)は拳銃と手が一体で成形されたMM史上初の事例であり、右手に握られたのはワルサーP-38でした。
Tamiya 35014(1972.3)にもTamiya 35012(1971.9)は含まれています。
Tamiya 35053(1975.4)では馬上のドイツ軍将校が手綱を握るか、双眼鏡で前方を眺めるか、ワルサーP-38を握るかのポーズ選択式であり、
そのワルサーP-38は手と一体成型でなく独立してパーツ化されました。
Tamiya 35111(1979.6)ではルガーP-08とワルサーP-38と信号銃が2つずつ含まれました。
Tamiya 35121(1981.9)ではガバメントM1911A1と、スミス&ウェッソンM1917リボルバーが2つずつ含まれました。

「95年体制」以降の武器ランナーYでは各国のホルスターに収められた拳銃は含まれているものの、
拳銃単体はそこに含まれることはなく、
久しぶりに登場した拳銃単体は右手に握られたTamiya 35256(2002.11)のワルサーP-38でした。
Tamiya 35311ではトカレフが、Tamiya 35314(2011.4)ではルガーP-08も右手に握られた状態で登場しており、
「95年体制」以降、拳銃は完全に独立してパーツ化はされておらず、
現状最新の拳銃単体は、Tamiya 35111(1979.6)とTamiya 35121(1981.9)にまで遡らなければならない状況にあります。
by tokyomonogatari | 2011-01-05 05:31 | 人形小史 | Comments(0)

1/35MMフィギュア概史(書き途中)

35001 ドイツ戦車兵セット (1968.9)
→ドイツ国防軍及び武装親衛隊の戦車兵3体セット。
箱絵の座像に描かれたDas Reich師団のアームバンドは12641でようやく与えられた。


35002 ドイツ歩兵セット (1969.7)
→うつ伏せの兵士は機関銃か双眼鏡を持つかの選択式。
ヘルメットが頭部と一体で成形されているドイツ兵としてはMM唯一の存在。
ヘルメットワッペンのデカールが付属。

35003 ドイツ シュヴィムワーゲン (1970.5)
→含まれているフィギュアは35006と同じ。
M43野戦帽のバイザーが分割されている。

35004 アメリカ戦車兵セット (1970.7)
→ヘルメットが頭部と一体で成形されているアメリカ兵としてはMM唯一の存在。

35005 イギリス陸軍 6ポンド対戦車砲 (1970.7)
→ヘルメットが頭部から独立したMM史上初のフィギュア。

35006 ドイツ キューベルワーゲン (1970.10)
→含まれているフィギュアは35003と同じ。

35007 イギリス歩兵セット (1970.11)
→アクセサリーパーツとしてMM史上初めて拳銃(ブリティッシュエンフィールドNo.2 Mk.Ⅰ)が含まれた。

35008 ドイツ アフリカ軍団歩兵セット (1971.5)
→戦車兵を除く4体のフィギュアは35007と同じ。

35009 ドイツⅡ号戦車F/G型 (1971.6)
→戦車兵を除く4体のフィギュアは35008と同じ

35010 ドイツ将校セット (1971.7)
→35011にも含まれている。

35011 ドイツⅢ号戦車M/N型 (1971.9)
→戦車兵を除く4体のフィギュアは35010と同じ。

35012 ドイツ パラシューターセット (1971.9)
→35014にも含まれている。

35013 アメリカ 歩兵セット (1972.2)
→4体のうち2体は35055-Zとしても登場。

35014 ドイツⅢ号突撃砲G型戦車 (1972.3)
→戦車兵は35011と同じ。降下猟兵は35012と同じ。

35015 アメリカ ジープ ウィリスMB (1972.5)
→ヘルメット用デカールが存在。アメリカ軍兵士にデカールが与えられた初めての事例。

35016 ドイツBMW R75サイドカー (1972.6)

35017 ドイツ88ミリ砲FLAK36/37 (1972.10)
→オートバイ兵はBに含まれており、ドイツ砲兵はZに含まれている。
オートバイ兵を除く砲兵フィギュアは35031として独立リリースされている。

35018 イギリス スカウトカー ダイムラーマークⅡ (1972.10)

35019 ドイツ戦車兵セット (1973.3)
→35001に35011=35014の戦車兵を加えて4体セットとしたもの。

35020 ドイツ ハノマーク兵員輸送車 (1973.4)
→35030としても登場。

35021 ロシア フィールドカー GAZ67B (1973.7)
→フィギュア部品枠はZ。

35022 ロシア 歩兵セット (1973.5)

35023 ツェンダップ KS750 & BMW R75 (1973.6)
→デカールに旧版と新版が存在。新版のヘルメットワッペンのSS章には白下地が印刷されていない。
フィギュアがツェンダップ用とBMW用で微妙に異なっている点に注意。

35024 イギリス戦車 マチルダ Mk.Ⅱ (1973.6)
→フィギュアはAに含まれている。
イギリス軍戦車兵がマイクを握った最初の事例。

35025 土のうセット (1973.9)
→フィギュアは含まれず。

35026 ジェリカンセット (1973.9)
→フィギュアは含まれず。

35027 バリケードセット (1973.9)
→フィギュアは含まれず。

35028 レンガセット (1973.10)
→フィギュアは含まれず。

35029 ドイツ ケッテンクラート (1973.8)
→ファーストロットはダイキャスト製エンジン付き。
フィギュアは3体。パンツァーファウストを担って歩くポオズも選択可能。

35030 ドイツ歩兵 突撃セット (1974.2)
→「突撃」「機関銃」「進撃」のドイツ兵三部作の先鋒。
35020のフィギュアに追加、独立リリースされたもの。

35031 ドイツ歩砲兵セット (1973.12)
→35017-Zの独立リリース版。

35032 イギリス第8軍歩兵セット (1973.11)
→防暑服スタイルで歩くイギリス兵は貴重な存在。

35033 イギリス S.A.S.ジープ (1974.8)
→ヒゲ男子が初登場。

35034 イタリア戦車 M13/40カーロアルマート (1974.3)
→イタリア軍フィギュアが初登場。

35035 ドイツ 37mm対戦車砲 (1974.5)
→しゃがんで双眼鏡を覗くドイツ兵が初登場。

35036 ドイツ8輪重装甲車 Sd.Kfz.232 (1974.3)
→パンツァーベレーを被るドイツ軍装甲車両クルーが初登場。

35037 ドイツ アフリカコーアセット (1974.5)
→防暑服スタイルで歩くドイツ兵は貴重な存在。

35038 ドイツ歩兵 機関銃チームセット (1974.6)
→緊急射撃ポオズはMM史上唯一。

35039 アメリカ戦車 M3リーMk.Ⅰ戦車 (1974.5)
→フィギュアはAに含まれている。

35040 アメリカ M113装甲兵員輸送車 (1974.6)
→フィギュアはEに含まれており、35117として後に独立リリースされている。

35041 イギリス陸軍 M3グラントMk.Ⅰ中戦車 (1974.6)
→フィギュアはAに含まれている。

35042 アメリカ軽戦車 M3スチュアート (1974.7)
→フィギュアはAに含まれている。半身像。

35043 アメリカ水陸両用車 フォードG.P.A. シープ (1974.8)
→フィギュアの分類アルファベットなし。

35044 イギリス25ポンド砲とクォード・ガントラクター (1974.10)
→ガントラクターの運転手フィギュアがAに含まれている。

35045 イギリス クォード・ガントラクター (1974.9)
→フィギュアはAに含まれている。

35046 イギリス25ポンド砲 (1974.11)
→砲兵フィギュアはZ。
イベント限定品「イギリス25ポンド砲兵セット(6体)」としても販売されていた。

35047 ドイツ75ミリ対戦車砲 (1975.2)
→フィギュアはCに含まれている。

35048 アメリカ歩兵G.I.セット (1974.12)


35049 ソビエト戦車T34/76 1942年型 (1975.1)
→フィギュアはDに含まれている。
キットの成形色は、黒味の強いダークグリーン→2003年スポット再販時のグレー→明るくなったダークグリーン
と変化している。

35050 ドイツ8トンハーフトラック4連高射砲 (1975.3)
→フィギュアはZに含まれている。
後に35094としてフィギュア単独でリリースされている。
なお、ナイロンメッシュが初めて用いられたMMキットが35050である。

35051 ドイツ4輪装甲偵察車Sd.Kfz.222 (1975.4)
→モリナガ・ヨウ氏が「知的」と評したフィギュアはAに含まれている。
35051、35270、35286として三度登場しており、
成形色は35051と35270はダークグレー、35286はダークイエローである。

35052 ドイツ大型軍用乗用車 ホルヒ タイプ1a (1975.5)
→MM史上初めて迷彩スモックを着たフィギュアはAに含まれている。

35053 ドイツ将校 乗馬セット (1975.4)
→MP40を持つ将校立像は、35073にも登場している。
馬上の将校座像は、手綱を持つか双眼鏡を持つかワルサーP38を持つかの選択が可能。

35054 ドイツⅣ号戦車 H型 (1975.5)


35055 アメリカ軽戦車 M41ウォーカーブルドッグ (1975.2)
→フィギュアはZに含まれている。
35004のアメリカ軍戦車兵をひとり、35013のアメリカ軍歩兵からふたり選抜し、
それを一つに収めたのが35055-Zである。

35056 ドイツ重戦車 タイガーⅠ型 (1975.3)


35057 ドイツ重戦車 キングタイガー (1975.6)


35058 ドイツ重駆逐戦車 ハンティングタイガー (1975.8)


35059 ソビエト T34/76戦車 1943年型 (1975.5)
→フィギュアはDに含まれている。
ポーズに選択肢が存在。

35060 ドイツ対戦車自走砲マーダーⅡ (1975.7)
→フィギュアはCに含まれている。
MMフィギュアの自走砲兵としては唯一のM43野戦服の着用事例であり、
M43とブーツのコーデも稀有である。

35061 ドイツ歩兵進撃セット (1975.6)


35062 ドイツ 無線指揮車フンクワーゲン (1975.7)
→フィギュアはAに含まれている。全身像と半身像の計2体。
35268としても再度登場。洗面器もAに含まれている。

35063 ソビエト 重戦車 KV-Ⅱギガント (1975.7)
→ガッツポーズが印象的な通称「ギガントのおっさん」はAに含まれている。
Cの砲塔側面に「田中角」と読めるような切削痕があることにも注意。

35064 西ドイツレオパルド中戦車 (1975.7)


35065 ドイツ パンサー中戦車 (1975.8)
→車輛の形式的にはパンサーA型である。

35066

35067

35068

35069

35070

35071

35072

35073

35074

35075
by tokyomonogatari | 2010-03-24 22:03 | 人形小史 | Comments(0)