カテゴリ:推薦図書及び記事( 4 )

ミリタリーフィギュア本の読書感想文(1)(書き途中)

(1)洋書

Calvin Tan,
Modelling Waffen-SS Figures (Osprey Publishing Ltd. 2005)
(ISBN 978-1-84176-837-3)


ミリタリーフィギュアモデラー必携本。
Alpine Miniatures社の超絶塗装見本でおなじみ、シンガポールのCalvin Tan氏による決定的名著。
使用塗料はファレホアクリル。
ヴィネット4作品の工作及び塗装をステップバイステップで解説。
フィギュアのディテール追加、ポーズ改造、上半身・下半身のヴォリューム変更、エポキシパテでのセミスクラッチ技法が丁寧に記され、
ファレホアクリルによる顔の塗り方から、プレーンツリーパターン、ピーパターン、オークリーフ春季パターン、オークリーフ秋冬パターン、
イタリア迷彩の武装親衛隊被服迷彩5種の塗り方及び調色レシピも示されており、
ラッカー黒立ち上げファレホアクリル派でなくとも参考になるこの本、ミリタリーフィギュアモデラーならば、
持っていなければ大損、と明言出来るほどのレヴェルの名著。必携です。

正直なところ、模型慕情を読む暇があるならば、Calvin Tan (2005)を読んでいただきたいのです。

この著作に対する日本人の日本語によるブログでの書評で、ハンブロールエナメルを用いて塗られている、
と紹介されているものがありましたが、正しくは金属部やハイライトの一部にハンブロールを用いているのみであって、
Calvin Tan氏はファレホアクリル主体派の頂上の一人である、ということは周知の事でございましょう。

Hornet GH-02に、TamiyaとDragonの装備品を与えて組まれる迷彩スモックの武装親衛隊兵士の作成記事では、
フィギュア工作において不可避な装備品のフィッティング問題への一つの解法が与えられており、
各装備品へのディテール追加法も併せて示されています。
Hornet GH-13を用いたパンツァーヤッケの武装親衛隊戦車兵の作例においては、
つなぎ作業服から武装親衛隊のパンツァーヤッケにエポキシパテで造形し直す手順が示されており、
より一歩踏み込んだ造形・改造法が教示されています。
Hornet社のメタルフィギュア二作に次いで登場するのが、インジェクションフィギュア、Dragon 6110であり、
Dragon的体躯=上半身ボリューム過多気味の身体を、下半身を延長することによって華麗に改善しながら、
薄く薄くエポキシパテを盛りつつシワを付け造形されてゆく様子はあまりにも感動的であって、
この作品こそが、それこそ、インジェクションミリタリーフィギュアを製作する全てのモデラーの皆様方に見ていただきたい必見の記事に仕上がっております。
その作品の後に登場し、トリを務めますのがセミスクラッチ作品、Salvationなのです。
Hornetのスペアヘッドに撚り線の針金細工の身体を与え、エポキシパテを盛り造形されたトーテンコプフ師団の兵士は、
祈りを捧げ組まれた手の造形と爪の塗装にクラクラさせられるのですけれども、
この作品で注目すべきはそこではなく、かつて著者がT-34の砲塔上に立たせた、Hornetのメタルフィギュアを用いたあの作品*とのセリ―が意識されていることは明白で、
M43野戦服に防寒アノラックズボンを着たトーテンコプフ師団兵士という同じコーデと設定を与えつつ、
防寒帽と無帽、立ちポーズと座りポーズ、勝ち誇った顔と祈りを捧げる表情とで、対位的作品に仕上がっていることは見落としてはならないのではないか、と思うのです。

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(註)
*http://www.missing-lynx.com/gallery/figures/cthd.htm 及び、
Tamiya Model Magazine International Issue 111 (2005.1), P.50-51
日本語のテクストとしては、Armour Modelling extra No.4 (大日本絵画、2002.7) P.94-95、及びP.78-79を参照。
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Mark J. Bannerman,
Modelling Panzer Crewmen of the Heer (Osprey Publishing Ltd. 2006)
(ISBN 978-1-84603-132-8)


Mark J. Bannerman氏が油彩とハンブロールエナメルで、Brian Wildfong氏が油彩で、
Garfield Ingram氏がハンブロールエナメルで、パンツァージャケットやアフリカ軍団防暑服やデニム作業着や、防寒アノラックのドイツ国防軍戦車兵を塗る手順を示した本。
Bannerman氏の油彩による顔塗り詳説と、先端を割いた爪楊枝で瞳を塗る技法に新鮮な感動を覚えるとはいえ、
作品の衝撃度と超絶ぶりは先行するCalvin Tan(2005)がやはり抜きん出ている印象なのです。
この本において最も感動的なのは、塗装ではなく、Alpine Miniatures社のオーナー、Taesung Harmms氏によるA&Bパテを用いたフィギュアスクラッチ技法の解説でございましょう。
Calvin Tan(2005)を購入した上で、懐に余裕があれば、Mark J. Bannerman(2006)を購入する、
というのがベストだと思います。

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Jaume Ortiz Forns & Daniel Alfonsa Romero,
Modelling Fallschirmjager Figures (Osprey Publishing Ltd. 2006)
(ISBN 978-1-84176-896-0)


Jaume Ortiz Forns氏とDaniel Alfonsa Romero氏による降下猟兵の合作4作品の工作・塗装過程が掲載されている本。
使用塗料はファレホアクリル。

初期の単色ジャンプスーツを着た120mmフィギュア、スプリンターパターンとマーシュパターンのジャンプスーツを着た1/35 Alpine Miniatures社のフィギュア、
スプリンターパターンのジャンプスーツに防暑服のコーデの1/35フィギュア、
空軍キルティング防寒服、防寒アノラック、オーバーコートスタイルの兵士と馬が雪と泥濘の道をゆくヴィネットの製作過程が解説されてはいるものの、
やはりCalvin Tan(2005)の超絶技巧にまでは至っておらず、過程の詳説度合いもやはりCalvin Tan(2005)に分がある印象。
スプリンターパターンとマーシュパターンの迷彩の塗装過程詳説は素晴らしく、
Calvin Tan(2005)の武装親衛隊迷彩パターン詳説で学んだ上で、この本で空軍、陸軍のスプリンターパターンの塗装過程を補完学習するための本、という位置付けが最適であると思います。


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Mark Bannerman,
Modelling Scale Figures (Osprey Publishing Ltd.2008)
(ISBN 978-184603-238-7)


通称、Ospreyのフィギュア入門本(2008)。

フィギュア工作と塗装の概説本。
使用塗料は油彩、ハンブロールエナメル、ファレホアクリルなど。

Sheperd Paine氏の前書きに始まり、
フィギュアの三類型、インジェクションフィギュア、レジンフィギュア、メタルフィギュアの概説、
スケール表記と工具類紹介、基礎的な組み方から改造法、スクラッチビルド法を概観した後、
以降は各種塗料による塗装法を紹介。

油彩によるヒストリカルフィギュアのチュニックの塗装例、
ハンブロールエナメルによるヒストリカルフィギュアの赤色チュニックの塗装例の詳説と、
盾とタータンチェックの塗装法が示された後、ファレホアクリルによるヴェトコン兵士の塗装、
油彩を用いた馬の塗装、騎兵の塗装、小スケールのファンタジーフィギュアの塗装、
1/48ドイツ空軍パイロットの塗装、1/6アクションフィギュアのヘッドを用いた南北戦争期の北軍兵士への作成と、
バラエティに富んでいるのですけれども、詳説度合いがCalvin Tan(2005)程ではなく、
どの作例の記事にも物足りなさを感じてしまうのです。
ともあれ、各種フィギュアとその塗装を概観出来る本、というのは稀有でございましょうし、Calvin Tan(2005)のサブテクストとして活用するのが良いと思います。


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Modelling And Painting Figures (Osprey Publishing, 2000)
(ISBN 1-902579-23-2)


通称、Ospreyのフィギュア入門本(2000)。
入門本(2008)と比べて、作品の写真の質がやや劣りますけれども、
きちんと人体図とポーズ人形による身体の解説から入るという真面目さが感動的な本です。
スクラッチや人形改造、塗装などについて、エロティック・メタル・フィギュアにも1ページを割きつつ、
フィギュアに関することが一通り書かれている本として、
私は入門本(2008)よりも、入門本(2000)の方をお勧めしたいです。

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Bill Horan,
The Complete Bill Horan (Andrea Press 2004)


ハンブロールエナメル学派の頂上の一人、Bill Horan氏の決定的名著。
フィギュアのセミスクラッチ技法とヴィネット製作法をステップバイステップで解説した後は、
絢爛豪華な作品集。
作品の製作技法を学ぶ本、というよりも、作品を味わい、肌色の塗り方、軍服への陰影の付け方、
ささやかながらこれほどまでに魅力的なポオズ選択や、小ベースでの高低差の活用法等々を探り、自作において試行錯誤するための、
超高水準の参考書、模型製作のモチベーションを高めるための憧憬を湧き立たせる為の書籍として、
これほどまでに興奮させられる一冊は他に思いつきません。
高価な本ですが、Calvin Tan(2005)と併せて必携の本でございましょう。


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Bill Horan,
Bill Horan's Military Modelling Masterclass (Windrow & Greene Publishing 1994)
(ISBN 1-872004-09-1)


Bill Horan (2004)に比して、作業過程が詳説されており、(2004)と併読するべきテクストとして手元に置いておくべき一冊です。
模型製作の参考書としては、(1995)をメインテクストとして、(2005)がサブテクストとなり、
模型作品の鑑賞本としては、(2005)をメインテクストとして、(1995)がサブテクストとなりましょう。


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Bill Horan,
Military Model Showcase (Windrow & Greene Publishing 1992)
(ISBN 1-872004-28-8)


1990年前後の欧米のフィギュアモデラーの作品集。
1ページあたり1-3枚の写真が掲載されており、同時代の作品の傾向を手早く味わうことの出来る一冊なのです。

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Bill Horan & Phil Kessling,
Battle Honours, US Military Model Show Medal-Winners (Windrow & Greene Publishing 1995)
(ISBN 1-85915-037-3)


Bill Horan氏とPhil Kessling氏の序文に始まり、七章構成でアメリカ各地の模型コンテストの受賞作品を紹介した作品集。
ヒストリカル・フィギュアが多め、第二次大戦モノは少数。
中でもとりわけヴィネットとしてまとまりがよく、感動的なのは、P.78のAndrei Koribanics氏の第一次大戦の塹壕ヴィネット、
"Eye Deep in Hell"(World Expo 1993 金賞受賞作品)ではないかと思います。
トタン波板と鉄条網、土嚢の構成は、後に土居雅博氏の第一次大戦ヴィネットに華麗な影を投じたのではないかとも想像されます。


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Pete Armstrong,
Osprey Masterclass, Ancient & Medieval Modelling (Osprey Publishing 2000)
(ISBN 1-84176-007-2)


中世までのヒストリカルフィギュアの工作、塗装技法の解説本。
城郭の一部の作成技法なども解説されているものの、全体的に物足りなさを感じてしまいます。
同じMaster Class本でも、所謂「Tony Greenland本」*における、Stefan Mueller-Herdemertens氏のフィギュア紹介ページの方が、
ミリタリーフィギュアモデラーにはオススメ出来ます。

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(註)
**翻訳本として、ト二―・グリーンランド
パンツァーモデリング・マスタークラス (大日本絵画 1997)
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MMSI Chicago 2003 (Figure International 2003)

MMSIはMilitary Miniature Society of Illinoisの略。
表紙に掲載されたJohn Rosengrand氏の120mm武装親衛隊戦車兵座像'Kharkow'が印象的な号。
Best of Showに選出されたのは、同年のEuro-MilitaireでもBest of Showに選出された、
Douglas Lee氏の'The End Of An Era'でした。
Euromilitaireが9月開催、MMSIが10月開催で、2ヶ月連続してBest of Showの受賞作に輝いたのです。
私的に印象的な作品と言えば、Open Division部門で7作品金賞受賞のFletcher Clement氏による『白鯨』のイシュメールを題材にしたヴィネットです。

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Leon Rampante, Alpedrete 2003 (Figure International 2003)

スペイン、マドリードのアルペドレテで2003年5月に開催されたレオンランパンテの作品集。
第二次大戦期のミリタリーフィギュアは少なめで、ヒストリカルフィギュアがメイン。
Leon RampanteはEuro-Militaireに並んでググって作品を閲覧、研究しておきたいフィギュアイベントだと思います。

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A Fully Illustrated Guide of the Euro-Militaire International Military Modelling Competitions 1988-91,
War Paint Vol.1 (A Euro-Militaire & Verlinden Publication 1992)

Verlinden Publication社から三冊出版された「War Paint本」の一冊目。
何にも増して感動的なのは、Bill Horan氏の'Last Stand at Gandamak' (Euro Militaire 1988年金賞及びベスト・オブ・ショー受賞作)でございましょう。
小さい写真のみなのが残念なところで、そこはBill Horan (1994)で補いたいところなのです。
なお、同作品へのオマージュとして土居雅博氏によって製作されたフィギュア群像作品が、
『モデルズ・イン・アクション2 [ベルリン1945]』 (大日本絵画、1996)所収の「オーデル戦線最後の拠点」である、
ということも、ミリタリーフィギュアモデラーには周知のことでございましょう。
なお、90年代末からゼロ年代初頭の、アーマーモデリング的言説を精読する上で、Bill Horan氏が土居雅博氏に与えた影響は無視することが出来ません。
同時代同時期の日本のミリタリー模型言説史におけるストーリーテリング論や、ヴィネットと"ダイオラマ"論等々を考える上で、
Bill Horan氏の著作には眼を通しておく必要があると思います。

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A Fully Illustrated Guide of the Euro-Militaire International Military Modelling Competitions 1992,
War Paint Vol.2 (A Euro-Militaire & Verlinden Publication 1993)


Andrea Miniatures社のメタルフィギュアを用いたMiguel Felipe Carrascal氏の"Birmania 1944"、
Hornet社のメタルフィギュアを用いたEduardo Lopes Munnera氏の"Lejano Oriente Inglesa 1944"
と、極東戦線の珠玉の作品が印象的で、
併せてJesus Gamarra氏の"Sekigahara"の塗装も抜きん出ており、
スペイン人モデラーによって、かつて日本人が戦った戦場が描かれた作品が多く収録された号、
というイメージで私の心に深く刻まれているのが、このVol.2なのです。

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A Fully Illustrated Guide of the Euro-Militaire International Military Modelling Competitions 1993,
War Paint Vol.3(A Euro-Militaire & Verlinden Publication 1994)


ドイツのStefan Mueller-Herdemertens氏がClass 1Aで金賞と銅賞、
Class 3で金賞2作品に銀賞を受賞した、まさにHerdemertens氏祭りの様相を呈したのが1993年のEuro-Militaireであり、このVol.3なのです。
Class1Bでは、松岡寿一氏の作品でおなじみ**のPoste Militaire社のAshigaruを、
イギリスのMax Longhurst氏と、スペインのJesus Gamarra Lopez氏が塗装した作品が両方とも金賞を受賞しており、
Herdemertens氏祭りと同時並行で、Ashigaru祭りの様相も呈しておりました。

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(註)
**松岡寿一、『深遠なる甲冑模型の世界』(大日本絵画)P.52-53
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Military Modelling Vol.27 No.16 (31 Oct. 1997)
Euro-Militaire 1997 Special


1997年のユーロミリテールと言えば、スペインのRaul Garcia Latorre氏のスコットランドハイランダー、
'Highlander Veteran at Culloden'がベスト・オブ・ショーを受賞したのが何にも増して印象的なのです。
単体フィギュア作品史に燦然と輝くこの作品が記憶されていないミリタリーモデラーはモグリであると言い切ってしまっても良いと思いますし、
同作品が2ページに渡って掲載されているこの号は手元に置いておくべきだと思います。


Euro-Militaire Folkestone 2003, (Figure International 2003)

カナダ在住の韓国人、Douglas Lee氏がドイツ軍戦車に突撃するポーランド軍騎兵の情景、
'The End Of An Era'でBest Of Showに輝いた年のユーロミリテール作品集。
松岡寿一氏の銀賞受賞作品、'Roman Signifer 1st Centry ADと、'Admiral Togo'も見どころなのですが、
外国人から見たSamuraiイメージ史が将来論文に書かれるとしたらフィギュア作品史的には外すことのできないであろう作品、
Claude Janssens氏の島原の乱のキリスト教サムライ、'Christian Samurai 1638'も印象的な作品です。
この本に掲載された写真の角度では旗に書かれた文字が見えませんが、
「キリスト」と綺麗なカタカナで書かれているのをArmour Modelling誌のユーロミリテール2003の写真では確認でき、
その文字の綺麗さと、甲冑の鮮やかな塗りと、お洒落なベースとタイトルプレートが、物凄く鮮やかな印象に残る作品なのです。

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Euro-Militaire Folkestone 2005, (Figure International 2005)

2005年のユーロミリテールと言えば、何といってもM. Van Gils氏の 'A Hurried Descent'です。
第一次大戦期のイギリス軍気球観測員の情景、という類例を見ない題材の取り方も、
気球のバルーン部分を敢えて作らないカットヴィネットのあり方にも、
銅線を編んで製作された気球のカゴも、支持する為に金属線にワイヤーロープ風に捩りを描いている点も、
そして勿論フィギュアの造形、塗装も感動的なのです。
フィギュアヴィネットにおいてはカットヴィネット=構成物の一部をカットする情景スタイルは良く見受けられますけれど、
ゼロ年代に最もカットヴィネットスタイルの表現を高みに導いて、
時に動物の眼球周辺部だけを四角く切り取ってヴィネット化してもみせた、ベルギーのM. Van Gils氏以上の名手はいないのではないか、と思うのです。


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Tamiya Model Magazine International Issue 111 (ADH Publishing, 2005.1)

フィギュアモデラーが手元に置いておくべき、タミヤモデルマガジンの一冊といえば、111号を置いて他にありません。
Calvin Tan氏のあの「T-34/76砲塔上の武装親衛隊兵士」ヴィネットが掲載されている号であり、
Armour Modelling Extra No.4 と併読しておくべき号なのです。

また、111号は他の作例も卓抜で、ベルゲパンサーG型や、ドーザー付きティラン5などの珠玉の作例も必見であり、
この号の必携度は限りなく高度なものとなっております。
by tokyomonogatari | 2012-03-25 01:41 | 推薦図書及び記事 | Comments(0)

ミリタリーフィギュア本の読書感想文(2)(書き途中)

(2)和書

Model Graphix 1997年1月号(Vol.146)、特集 Euro-Militaire 1996(大日本絵画 1996)

Euro-Militaireを特集記事として組んだ日本語の逐次刊行物としては唯一の存在の号。
言うまでもなくミリタリーフィギュアモデラー必携です。
土居雅博氏によるBill Horan氏への「崇拝者」としての傾倒ぶりが伺えるインタヴュー記事、
「1996年ユーロ・ミリテールコンペティションで4度目のベスト・オブ・ショーに輝く ビル・ホーラン氏に聞く」
で示されているように、90年代からゼロ年代のArmour Modelling誌の最重要タームである、「ストーリーテリング」は、
土居氏がHoran氏の作品に感銘を受け、
「ダイオラマに対する考え方の方向が定まって 「ダイオラマはストーリーだ!」と叫びつつ、現在に至っている。」
ことに由来する、というのは模型言説分析の上で見落とすことは出来ません。
日本の戦車模型史への外国人モデラーの影響史、つまりはSheperd Paine氏やFrancois Verlinden氏を経て、
Tony Greenland氏、そしてMiguel Jimenez氏やAdam Wilder氏に至る「戦車模型塗装表現史」とは別の視点として、
「模型言説史」にBill Horan氏が与えた影響も再認識、熟考したいところなのです。


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Armour Modelling 2002年7月号増刊、特集 戦車模型ワールドカップ (アーマーモデリング・エクストラNo.4、大日本絵画2002)

P.78-79, P94-95のCalvin Tan氏の作例必見、記事必読。
「T-34/76砲塔の上の武装親衛隊兵士」ヴィネットの英文記事として、Tamiya Model Magazine International Issue 111 (2005.1)も併読推奨。

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Armour Modelling 2008年6月号 (Vol.104)、特集 いますぐ使える!! 海外モデラーの実践テクニック (大日本絵画2008)

P.26-29のCalvin Tan氏による武装親衛隊オークリーフパターン塗装の詳説が必読。
使用塗料は勿論ファレホアクリル。
特集のタイトルのように、「いますぐ使える」技法ではなく、あまりにも超絶で必見なのです。

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Model Art 2010年9月号 (No.804)特集、「AFVモデルQ&A 今さら聞けない! WWⅡドイツ軍車輌のお約束」

P.14-15の本馬幸雄氏記事「名人の作品にみる オーソドックスな陸軍兵士3選」が必読。
本馬氏が「原型を作るときに心がけている点」や、原型を製作したフィギュアの軍装解説、そしてグラウンドワークまでが記されたテクストとして、
Armour Modelling誌の同氏記事との併読必須なのです。

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平野義高
平野"フィギュア・マイスター"義高の仕事 (大日本絵画 2004)
(ISBN 4-499-22784-4)


エナメル主体学派の頂点の写真集。
日本人による日本語のミリタリーフィギュア本の最重要文献。
日本のミリタリーフィギュアモデラーが手元に置いていないはずがない珠玉の一冊。

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平野義高
ディオラマ写真集 平野義高 Vol.1 (新撰組 2007)


類例を見ないほどの近距離でのフィギュア接写は珍しくはあるのですけれども、
そこまでアップで見せられても正直困惑するばかりで、モデラー的感性を動揺させられっぱなしの本。
平野(2004)のサブテクストとして書架に置くべき一冊。

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松岡寿一
深遠なる甲冑模型の世界 (大日本絵画 2001)
(ISBN 4-499-22749-6)


日本人モデラーの油彩主体学派の頂点、松岡寿一による著作。
平野(2004)と並び立つ、過去日本語で出版されたフィギュア本の最重要文献。必携必須です。
製作過程をステップバイステップで押さえた作り下ろしの一作を除いて、塗装を終えた状態での作品写真集となっているため、
作品個々の塗装過程とその写真については、Armour Modelling誌の記事と併読が必要です。

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ト二―・グリーンランド
パンツァーモデリング・マスタークラス (大日本絵画 1997)
(ISBN 4-499-22681-3)


シュテファン・ミュラー=ヘアデメアテンス氏のフィギュア作例を紹介した、
P.135-142、第8章「クルーフィギュア」はミリタリーフィギュアモデラー必読。
とりわけ、P.137に掲載されている作品は、Tamiya 35177-Aの作例史を編む事があるとすれば、
彼はまさか書き落とされることはないであろう珠玉の傑作なのです。
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TAMIYA NEWS Vol.252, P.8-9 「高橋和弘 人形改造の世界」

第19回 人形改造コンテスト金賞受賞作品、"TOTAL RECALL" と "ASANO2"について、作者が自作を語った号。
1/35フィギュア作家史において、本人に似せる造形を得意とした最高の作家がタカハシモデリングの高橋和弘氏だと私は思います。

TAMIYA NEWS Vol.365 「小倉泰生 1/16 フィギュア製作 基本テクニック ①顔のペイント」

同志社大学模型研究会OB、小倉泰生氏がTamiya 36301と36304の頭部を塗装する記事。
36301は中のモノクロページ、36304は裏表紙にカラーで掲載されています。
小倉氏と言えば、肌をホルベイン・アクアオイルカラーDUOで塗る作家としておなじみなのですが、
この記事ではタミヤエナメルを用いた塗装が行われています。

TAMIYA NEWS Vol.366 「小倉泰生 1/16 フィギュア製作 基本テクニック ②迷彩服のペイント」

Tamiya 36304の防寒アノラックにウォーター・パターンで迷彩塗装をする記事。
使用塗料はタミヤエナメル。モノクロページと裏表紙カラーページで紹介。
by tokyomonogatari | 2012-03-25 01:30 | 推薦図書及び記事 | Comments(0)

Master Modelers 記事メモ

ティーガーⅡイン・クビンカ (Vol.4, P.105)
仏、バイユーの『ノルマンディ上陸作戦記念館』に展示されたM10自走砲 (Vol.43, P.14)
戦車博物館のM40自走砲 (Vol.43, P.20-22)
戦車博物館のSU-76M自走砲 (Vol.43, P.40-41)

TANKS in DETAIL
file No.1 三式中戦車チヌ パート1:砲塔 (Vol.25, P.57-59)
file No.2 三式中戦車チヌ パート2:車体 (Vol.26, P.118-122)
file No.8 ヘッツァー軽駆逐戦車 (Vol.32, P.27-31)

世界のミリタリー博物館巡り
第4回 デンマーク王立武器博物館 (Vol.4, P.86-88)
第5回 軍用車輛技術協会 (Vol.5, P.132-135)
→リトルフィールド氏コレクション。2001年の展示車輛リストも掲載。
第7回 ドイツ空軍博物館 (Vol.8, P.85-88)
第9回 ベオグラード航空博物館 (Vol.10, P.86-89)
第10回 Uボート博物館/ドイツ海軍記念館/Uボート戦死者慰霊碑 (Vol.11, 33-35)
第11回 ルブスカ軍事博物館 (Vol.12, P.82-86)
第34回 クビンカ戦車博物館 パート1:ソ連AFV (Vol.43, P.121-124)

世界の戦跡巡り
第3回 ペリリュー島を訪ねて (Vol.4, P.83-85)
第4回 『遠すぎた橋』を訪ねて (Vol.5, P.81-83)
第5回 サイパン島を訪ねて (Vol.6, P.81-83)
第6回 クレタ島を訪ねて (Vol.8, P.82-84)

ドイツ軍車両のカムフラージュ&マーキング
第4回 北アフリカ戦線 1941年2月~1942年半ば (Vol.4, P.24-28)
第5回 東部戦線 part 1 1941年6月~1943年半ば (Vol.5, P.70-77)
→師団マークの変遷も掲載。
第6回 北アフリカ戦線後期~イタリア戦線 (Vol.6,23-28)
第8回 西部戦線1944年以降 (Vol.8, P.73-76)

AFVカムフラージュ&マーキング
第1回 フランス戦の連合軍車輛 (Vol.10, P.72-75)
第2回 ポーランド軍車輛&ポーランド侵攻時のソ連軍車輛 (Vol.11, P.55-59)
第3回 カール自走砲の塗装&マーキング (Vol.12, P.65-67)
第4回 第一次大戦のAFVパート1 連合軍車輛 (Vol.13, P.28-32)
第10回 第二次大戦日本軍中戦車 (Vol.25, P.60-64)

モデラーのためのお助け資料
第5回 WWⅡソ連軍装備Vol.2 SMGマガジンポーチ (Vol.10, P.76-77)

エアクラフト・イン・ディテール
Vol.1 末期C.200 (Vol.26, P.65-68)
Vol.7 メッサーシュミットBf110F (Vol.64,P.83-86)
Vol.13 フォッカーE3 (Vol.70, P.40-41)

靖国神社の零戦五二型 (Vol.111-112)
河口湖自動車博物館 飛行館の零戦二一型(中島製) (Vol.25, P.125-128)

Warbirds in Color
Vol.4 メッサーシュミットBf109初期タイプ (Vol.4, P.139-144)
Vol.5 メッサーシュミットBf109E-1~E-3 (Vol.5, P.139-144)
Vol.6 メッサーシュミットBf109E-1~E-4 (Vol.6, P.141-144)
Vol.8 メッサーシュミットBf109E-4 (Vol.8, P.141-144)
Vol.10 メッサーシュミットBf109F-2/F-4 (Vol.10, P.141-143)
Vol.11 メッサーシュミットBf109F-2/F-4 (Vol.11, P.141-143)
Vol.12 メッサーシュミットBf109F-2/F-4 (Vol.12, P.142-144)

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U-ⅤⅡC41型ディテール写真 (Vol.11, P.30-32)
→ドイツ北部ラボーのUボート博物館のU-955
by tokyomonogatari | 2007-11-18 10:15 | 推薦図書及び記事 | Comments(0)

シェパードペイン 『ディオラマの作り方』(1981)

最近加筆新訳新版が出された『ディオラマの作り方』How to build DIORAMAS
この本の存在は知っていたものの、初版から20年以上経過、
もはや手に入らないだろうと思って諦めていた高校二年の秋に、
通学路のブックオフにあるのを見て度肝抜かれて300円で購入したのも、懐かしい思ひ出です。
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『ディオラマの作り方』How to build DIORAMAS(1981)
ホビージャパン昭和56年10月号別冊 昭和56年10月10日発行
定価1200円 146ページ
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シェパードペイン氏の『ディオラマの作り方』で衝撃を受けたのは、
p41、スティーブ・ギルバート氏のコレヒドール攻防戦の情景。
そのフィギュア造形技術は勿論のこと、外国人の作品でありながら、
日本兵側に肩入れした作品と見えて、こういう外人もいるのだと、
ハイティーンのウブな小生はショックを受けたものでした。

かの高校通学路ブックオフは不思議と欲しいものが手に入るお店で、
毎日新聞社『一億人の昭和史』の通常シリーズを全巻100円で購入したり、
国書刊行会『若松連隊写真集』を300円で購入したりしましたが、

サン・アド『トリス広告25年史』(1975)が100円で出ていて、これは即買いだとレジへ向かえば、
学友のギター少年A君が『ふたりエッチ』をまさに購入しており、
『トリス広告25年史』と『ふたりエッチ』の隔たり感と、しかし『トリス』の字面にはなるほど繋がりは無くは無いとも思う、
そんな高校時代の放課後の物憂い感じもまた、青春と言えなくもないと、最近では思えるようになりました。

さて、そのA君、今では横浜のライヴハウスでセミプロのベースギター弾き。
アァ、性衝動と音楽って、やはり根源で親和性高いかもしれないと、しみじみ思います。

(価格は当時のブックオフにおける税抜き表示を示す)
by tokyomonogatari | 2007-09-04 10:49 | 推薦図書及び記事 | Comments(0)